« 蓮舫氏に期待する条件 | トップページ | 象徴天皇② »

2016年8月 8日 (月)

象徴天皇

 8日午後3時、「天皇のお言葉」放送を聞いた。改まった気持で聞いたのは1945年8月15日以来である。

 しかし、この度はマスコミが「こんな内容だろう」と推測していたままで、新味がなかった。「生前退位」を示唆するものはなく、「お気持ち」だけは推測の範囲内だが理解できた。

 さて、これからの政府の動きである。天皇の存在・身分・役割は憲法第一章そのものである。その中で重要なのは第一条の「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」につきる。

 第二条以降に世襲など、「皇室典範」に定めることの記載はあるが、やりたいからやる、やりたくないからやらない、というわけにはいかない。「象徴」となる運命であるからには勝手は許されない。したがって、「生前退位」は、「国民の総意」つまり憲法に抵触してくる可能性がある。

 安倍首相が、これをもって改憲への手ががりにしようとするなどとんでもない話だ。退位後の尊称はどうするのか。太上天皇とか上皇の復活を皇室典範で決めても、前・象徴というわけにはゆくまい。

 そうすると、やはり「摂政」しかないのではないか。「摂政」は皇室典範第十六条にあるが「天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く」とシビア―な条件を課している。あくまでも緊急避難的なやむを得ない措置という感じだ。また、大正天皇末期の前例があまりい印象を持たれなかったということもあるだろう。

 また、その前段に「天皇が成人に達しないときは、摂政を置く」という規定がある。成年は制定当時から18才だ。それならば高齢による「定年」があってもいいように思うが、年齢ではなく「天皇の意志に基ずき」ということでもいい。

 「摂政」では天皇の重みに欠けるという心配があるかも知れない。「象徴」は「菊の御紋章」と同じ、そう気にかけることはないだろう。天皇の地位はなくても、聖徳太子や、中大兄皇子は、歴史に残る天皇以上の仕事をしている。重みより親しみの方が大切だ。

|

« 蓮舫氏に期待する条件 | トップページ | 象徴天皇② »

憲法」カテゴリの記事

コメント

摂政ではダメと仰られているのだからもう譲位しかないのと違いますか?
摂政だと内奏をどっちが受けるかという問題もあります。大正天皇のような状態になれば別ですが今回は陛下は頭脳明晰なのだから内奏を受けないのもおかしい。
そもそも本人がもうやだと言っているのだからどうしようもありません。
陛下は仕事のやり過ぎでもっと手を抜けばよいと思いますが、そういう気はサラサラないご様子。完全主義者なのでしょ。
ただ1回でも前例を認めれば、新天皇に対し后の行状や外戚の行状を理由に早く譲位せよとの声がいずれ上がるのは目に見えています。

投稿: ミスター珍 | 2016年8月12日 (金) 15時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/66902069

この記事へのトラックバック一覧です: 象徴天皇:

» 天皇ビデオメッセージ [虎哲徒然日記]
宮内庁は8日午後3時、天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を周囲に示していた天皇陛下が「象徴としてのお務め」についてのお気持ちを示したビデオメッセージを公表し ... [続きを読む]

受信: 2016年8月 9日 (火) 19時47分

» ‘生前退位’は・・簡単なような、難しいような [つぶやき古道(コミチ)]
「生前退位」についての天皇陛下のお気持ち表明を受け、安倍総理は8月9日、長崎市で記者会見し「天皇陛下のご公務の在り方などについては、天皇陛下のご年齢やご公務の負担の現状に鑑み、天皇陛下のご心労に思いを致し、どのようなことができるのか、これから十分に論議を行い、... [続きを読む]

受信: 2016年8月11日 (木) 21時29分

« 蓮舫氏に期待する条件 | トップページ | 象徴天皇② »