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2016年7月13日 (水)

都知事選漫評

 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)が12日午後2時から都知事立候補の記者会見を行ったことにより、鳥越・小池・宇都宮・増田4人の主要知事候補の顔ぶれが決まったとメディアが伝える。ただ、宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)は、鳥越の立候補を見て今日(13日)中に立候補を取り消すだろうとして、3人と見ている所もある。

 当塾が知事選関連の記事を立てるのは、これが初めて。今の時点では3人か4人わかっていないが、塾頭は4人であってほしいと思っている。選挙権はないが、都民にとっては選択肢が多い方がいいからだ。

 これまで、自民と民進の両党から推薦候補として名の上がった候補は何人になるのだろう、出たり引っ込めたりで数えきれない。以下に思いつくまま書くが、当然漏れもあるだろう。

 民進⇒古賀茂明・石田純一・長妻昭・片山善博・長島昭久・松沢成文・蓮舫
 自民⇒村木厚子・桜井俊・石原伸晃

 中央に対する影響力が大きいといっても、所詮、地方自治体の首長選挙である。地方議員で中央政党名で選挙に立っているのは公明・共産が主で、自民や民進はいても中央での比率ほど人数は多くない。

 早い話、地元に橋をかけるとか道路を治すなど、地元選挙民を考えれば全員与党でありたいわけである。現に、比較的政党色の強い都議会でも、民進が自・公・共に次ぐ第4党にすぎない。自治体の首長が何党であろうと、選挙民に大きな影響が出てくるということはない。

 そうすると都知事が何党推薦であろうと、要は民意を正しく反映さえしてくれればいいのである。今回の候補種選びは、党利党略優先でめまぐるしく情勢が変化し、その意味でも劇場型選挙をよりにぎわす結果になった。

 とはいうものの、参院選で与党・改憲陣営と安保法制化を違憲とする野党共闘側が激しいつば競り合いのほとぼりが残る中である。野党側で、ここで一矢を報えることができれば、これからの国会運営に大きな影響をもたらすことができるという計算が働く。

 都民でなくてもそういった目でみていきたい。まず鳥越立候補表明だが、会見で「4党合意など政党の枠組みはなく、政党からの打診もない。自分で手を上げた」と言明した。他方、民進党内では当初、党都連の松原仁会長らが党執行部と調整し、元経済産業省官僚の古賀茂明氏(60)の擁立をめざす方針をいったん固めた。松原氏は11日午後、都内で古賀氏と会談し、立候補を要請したばかりである。

 それが、わずか一両日しかないのに鳥越氏を野党4党の統一候補に決めたのだという。本人が「昨夕きめたばかりなので公約もまだ考えていない」などというのに、むつかしい政党間協議が一瞬にして決まったということである。

  しかも、共産党が過去2回支援して次点につけた宇都宮氏をあっさりと見捨てるという非情さ、凡人には考えられない判断だ。宇都宮氏は前回にも細川候補に票を向かせるため降りてもらえないか、という話があったという。

 それに対して、一度会って公約を聞き、政策について合意が見られれば引いてもいいという返事をしたが、先方から公約の詳しい内容の提示がなく、それでは立候補断念の理由が成り立たないので立候補したという。

 今回も昨日、宇都宮・鳥越会談が行われた。宇都宮の方から政策提案書をだしたが、鳥越側の返答がなかったと言われる。つまり同じことが繰り返されていることになり、弁護士会長までやった宇都宮氏が前例と異なる判断をするとは考えられず、共産党以外の支持者も納得しないだろう。

 そうすると、政党間の対立は、自公推薦の元・岩手県知事の増田寛也氏(64)と4党推薦の鳥越氏ということと、党推薦が得られなかった小池氏と宇都宮氏という構図になる。さきほども言った通り、政党間では参院選の安保法案廃止のような与野党の対立軸が見当たらない。

 当選決定の鍵をにぎる浮動票は、今回は政党から逃げる可能性が高い。人気度や顔より実務経験、などという声も聞かれるが、それは増田氏と宇都宮氏に分かれ、誠実という印象では宇都宮氏に向く可能性もある。

 知名度、インパクトからすると、鳥越・小池が互角なのかもしれないが、先出しジャンケンで「都議会冒頭解散」など、巧みに敵を作った小池に人気が集まることも考えられる。反自公票が鳥越でなく小池に行く可能性もあり、直感で女性初の小池有利かなと思う。

【追記】夕食中に「宇都宮氏出馬断念」のニュース。残念!。これで「支持政党なし」層は小池さんに流れることになるでしょう。

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コメント

鳥越氏は、私は個人的には好きなジャーナリストですが、都知事としての力量は疑問ですね。

自公推選の増田氏については、他の自治体の候補者と言うだけでは済まない人物とみています。
何と言っても、現在は「東京電力ホールディングス株式会社取締役」の肩書、以前は政府の原子力推進組織のメンバー、つまり「原子力村の住人」です。
選挙資金を貰っている組織の人物ですから、自公としては押すしかないでしょう。

そして、当選したら直ぐに東電の原発再稼働に参加してくる可能性は高いですからね。

安倍政権の考えはあからさまですね

投稿: 玉井人ひろた | 2016年7月13日 (水) 19時04分

なるほど。
このコメントを見たせいではないと思いますが東電役員は辞任したようです。

最大消費地の東京で放射能廃棄物を責任を持って保管処理する、とでもいえば男を上げるしょうが、鳥越さんの方が言いそうだ(゚ー゚)

投稿: ましま | 2016年7月13日 (水) 20時25分

小池と増田の人気度比べなら、間違いなく小池の圧勝でしょう。
ところが自民党は浮動票を見込めない建設官僚上がりの増田で決まったが、前回の升添要一と同じで、そもそも自民党員ではない余所者。
自民党東京都連も官邸筋も同じで、身内のはずの小池百合子が、自分から手を挙げたのに、これを頭から拒否するのですから面妖な。
何か、よほどの事情があるのか。
マスコミでは森元総理の怨念だとあるが不可解です。
お馬鹿に見える森さんですが、実はかなりの策士で、理由も無く勝てる候補を嫌うはずがない。
事実、落ち目になった自民党に後ろ足で砂をかけた(除名した)升添を都知事候補にしているのですから、身内の小池を拒否する理由が無い。

7月10日に参議院選挙の通りなら、東京では全国とは大違いで自公と民共の票数はほぼ互角なのです。
自民が分裂なら、間違いなく野党統一の鳥越で決まりでしょう。

投稿: 宗純 | 2016年7月14日 (木) 08時20分

マスコミ解説には、前回の自民総裁選で、仲間と思っていた小池が石破支持に回ってから犬猿の仲とか。

その意向が東京都連をしばり、小池も推薦願を出したものの面会もせず、了解も得ないまま出馬表明したという確信犯ということのようです。

 鳥越の意図・同機、気持ちはよくわかるが、あてにできるのは共産党票だけ。都の選挙は浮動票で決まるが、それを取り込める決定打がなければ苦戦するでしょう。

投稿: ましま | 2016年7月14日 (木) 09時43分

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