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2016年7月20日 (水)

続・ジャーナリストのサラリーマン化

 このところ、4~5本続けてマスコミやジャーナリズムの突っ込み不足やお座なりの対処に苦言を呈する記事を書いてきた。今日の新聞記事を見てもそう思う。まず、トップが「露ドーピング隠蔽」。これで思い出すのは、オリンピック→国際委員会(IOC)→2億3千万円の招致コンサルタント支払だ。その後どういう用途で誰に、といった詳報は目にしていない。

 政治でけがされ、肥大化し、莫大な費用を費やし、そして夢を奪うだけのオリンピック。今なら間に合う。4年後の東京開催を返上したらどうか。そして、開催地はギリシア、種目も当時に準じたベーシックなものだけにすればいい。

 次は、トルコのクーデター。世界中に配信された放送局などの場面がある手際いい映像と、反乱軍側の無秩序・無計画性が目立ったが、トルコ政府は、これまでに7543人の軍人や司法関係者を拘束し、内務省は警官ら8777人、財務省は職員1500人を解任した。

 拘束や処分を受けた公務員は2万人近くになる。これらの処分は容疑や根拠が明らかでなく、エルドアン大統領と対立するアメリカ亡命中のイスラム教指導者、ギュレン師を支持したということで、最初からリストがあったとしか考えられない。

 エルドアン大統領は、拘束された数千人の軍人らを、EU加盟の要件として廃止していた死刑を復活させて殺す可能性も示唆している。そして、アメリカへはギュレン師の引き渡しを正式に要求した。

 日本を含め先進各国は、選挙で選ばれた政権を支持しクーデターを非難する声明をいち早く出しているが、対抗するイスラム世俗派を一挙に壊滅するのが目的の、仕組まれた「逆クーデター」であった疑惑が出てきた。

 トルコは、シリアの内戦の中でロシアと複雑な軍事対立があり、一時は緊迫状態にあったし、今でもそれが解けた状態とは言えない。シリア難民の出発地として、また、ドイツへの移民増大など、エジプト、サウジなどと共にイスラム圏の中で実力を有する大国だ。

 ISなど過激派原理主義、対敵するクルド族、シーア派・スンニ派の対立、ロシアやその他アジア・アフリカのイスラム諸国との関係、難民の受け入れや流出など、かなめに位置している。これまでは、クッション役といった発想があったが、これからはどういう帰趨をたどるか一向に見えてこない。

 ギュレン師をアメリカが引き渡すかどうかが大きなカギとなろう。引き渡しに応じれば殺されることが目に見えている。アメリカが泥沼にこれ以上足を取られないためには、要求に応ずるという選択肢はないだろう。いずれにしても、ジャーナリズムの力量が問われるできごとだ。

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