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2016年7月 2日 (土)

案山子になった神

 先月の21日と前回に続いて、日本神話に登場する神様の話である。その名は「久延毘古=クエビコ」である。クエは崩えの漢字が当てられ、その神には片足がない。最初に書いた「ひるこ」も、蛭のように骨がない障害を持つ神であった。

 「♪山田の中の一本足の案山子……」がそれにあたる神らしい。出雲神話で草の実の殻の船に乗ってやってきた小さな神がいた。その名を誰も知らない。ヒキガエルが「クエビコなら知っているはずです」とヒントを言う。クエビコは、「カミムスビノカミの子、スクナビコノカミでしょう」と答えたのでその名がわかった。

 この神も、ひるこ神が海の幸をもたらしたように、穀物や酒をの普及に貢献し、大国主神と協力して国づくりをしたとされる。なぜ山田なのか、門田や下田ではないのか、それは「山からくる鳥獣を追うため」という。今話題の「熊」は案山子では防げないのだろうか?。

 Dscf2850今どきの鳥獣は賢いので案山子ではだまされない。対応は、インター・ネットしかないようだ。⇒

 なお、『沙石集』には、こんな民話がある。

 又百足(ムカデ)ト、山神ト、蛇ト知音ニテ、山ニスミケルガ、百足ガ山神ニ云ク「我ハ足百アレドモ、アマレリトモ不覚(おぼえず)。汝、足一ニテハ、争(いかで)カタヤスクアルカン。九十九ノ足ヲツクルベシ」ト云。山神ノ云ク、「我ハ足一ヲドリアリクニ不足ナシ。汝ガ九十九ノ足切ステヨ」ト云。蛇ノ云ク、「我ハ一モナク、百モナク、ケレドモ、腹ヲモテ、アリクニ事カケズ。百モ一モ捨ヨ」ト云フ。

 天照大神とか、天孫降臨とか、神武東遷、そして万世一系などという国粋神話だけでなく、こんな話にも関心を持てば、日本民族の多様性や、ふところの広さに思いを馳せることができるはずなのだが……。

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