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2016年6月21日 (火)

「ひるこ」と「えべす」

 北海道の山林で少年が置き去りにされ、7日たって無事発見されたニュースを受け、3日の記事を「神隠し…ではなかった」にした。その中で、日本の国生み神話の主、いざなぎ・いざなみは、最初の子に障害があることから葦舟に乗せて海に放つ「児童虐待」の話から始まる、ということを書いた。Ebisu1111_2

 子どもとして認めなかったのだが、それを「水蛭子」としている。水蛭子はその後どうなったか古事記にも日本書紀にも書いてない。だけど、これを主祭神とする神社が多くあり、中でも有名なのが兵庫県西宮市の西宮神社である。

 関西では「えべっさん」といって、正月10日には東京の明治神宮のように初詣でにぎわう。水蛭子は恵比寿、つまり七福神の一員に変身しているのである。海から拾われてきた証拠に、ちゃんと釣竿と鯛をわきに抱えている。

 ちなみに七福神は全員船でやってくる。恵比寿を除くとインド3.(ヒンズー教)、中国・道教2、中国(仏教1)とすべて外来の神である。大阪湾は、難波の津から大和川を通じて飛鳥・奈良へ向かった遣唐使、淀川を遡上して京に向かう宣教師、商都・堺をはじめ尼崎・西宮から神戸まで海外から人を受け入れる玄関口だったのだ。

 仁徳の時代の難波開墾や建築・織物の技術者、文書や宗教などの専門家渡来にはじまり、明治の神戸港・港湾労務者まで、古代から近現代まで多くの中国人・朝鮮人が行き来した。すくなくとも、この地域に限って言えば、海に大きな窓を開いた入り口に当たり、閉塞的な単一民族などという考えは遠のく。

 また、塾頭の昔話で恐縮だが、朝鮮人の子供との会話だ。
「うちの親、”じょろかい”に西宮へよう行きよんねん」
 
 「じょろかい」は、なんとなく「女郎界」つまり西宮にある花柳界のことだと思っていたが、あとで考えるとどうやら「女郎買い」が正解のようだ。西宮にはそんな歓楽街もあったのだ。そこには、強制連行や人種差別など、入る余地がなかっただろう。

 イギリスのEU脱退国民投票は23日、いよいよ人類共生の行方はカウントダウンに入った。

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コメント

私の地域でも隣の市に「花町(はなまち)」という呼び方の地が残っています。

イギリスがEUを離脱した場合、日本の経済の主力である自動車輸出がヨーロッパでは困難となり、日本経済にとって大打撃(恐慌)が起こる可能性が非常に高いそうです。(日本自動車業界のEU向け販売拠点が全てイギリスにある)

もし離脱になった場合、日本政府は何か対策を考えているのでしょうかね?

投稿: 玉井人ひろた | 2016年6月22日 (水) 15時55分

金融市場、タックスヘーブンいろいろあるから民間はイギリスに行く。TPPでさえあの程度だから、政治的力量は期待できませんね

投稿: ましま | 2016年6月22日 (水) 18時36分

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