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2016年6月 9日 (木)

戦争仕掛人①

 労働者・農民が権力を握れば戦争が無くなる――、マルキシズム全盛時代には、左翼からそう信じられていた。しかし崩壊したソ連を見るまでもなく、それは幻想だった。

 一方、戦争の元凶が独占資本家・産軍共同体などとする考えは、今でも相当根強く残っている。これも教条化していて、それを証明したり阻止したりすることは事実上困難である。

 大戦後すでに70年を経過した。この間、内戦・地域紛争・介入・テロといった、疑似戦争は絶え間なく続いている。その中で、もはや第3次世界大戦はあり得ない、と断言できる証拠は全く見当たらない。

 第1次大戦後の日本の大陸侵犯、これについては独善的な歴史修正主義がいまだにまかり通っているが、歴史の検証、掘り起こしは相当程度進んでおり、開戦に至った分析も精密になっている。

 しかし、太平洋戦争突入が日独伊三国同盟に大きくかかわる点で、議会制民主主義が先行していたヨーロッパから、どうしてファシズムに移行したのか、それに日本が協調するようになったのか、塾頭にとってわからない点が多い。

 そこで手始めに「ファシズム」を広辞苑で引いてみた(部分)。

広義では、イタリア-ファシズムと共通の本質をもつ傾向・運動・支配体制。第1次大戦後多くの資本主義国に出現(イタリア・ドイツ・日本・スペイン・南米諸国・東欧諸国など)。全体主義的或いは権威主義的で議会主義の否認、一党独裁、市民的・政治的自由の抑圧、対外的には侵略政策をとることを特色とし、合理的な思想体系を持たず、もっぱら感情に訴えて国粋的思想を宣伝する。

 当時の日本を区別して「天皇制ファシズム」と呼ぶことがある。上記で見られるように、議会や政党をなくして個人が独裁したわけでもない。そして形の上では、国民的支持を受けているのである。

 どうだろう。アメリカのトランプ現象、日本の安倍一強体制、中国の新覇権主義などに隙間風を感じてしまうのは、塾頭の杞憂にすぎないといっていいのだろうか。

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