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2016年5月22日 (日)

中東関連ニュース②

 前回、世界情勢の急激な変化についてのべたが政治では、今なお中東の変化が大きい。欧米では、アメリカの大統領選やイギリスのEU脱退に対する国民投票がどうなるか、劇的な変化があるかどうか注目しなければならない。

 中東では、アメリカとイランの和解、シリアでのロシアの主導権、それらと相まってアメリカの介入手控えや撤収気運などが大きかった。一方、ISが守勢に立たされ、最近のニュースの露出度は大幅に減った。

 今月9日に「中東関連ニュース」という題で書いたが、そこで「塾頭はISの飛び火する先として、リビア、エジプト、アフガン・パキスタンが要注意だと思っている」と書いた。

 その後、リビアについては、ナイジェリアなどに勢力を持つボコ・ハラムがISに合流などという報道もあるが、その実績は示されていない。また、エジプトは、フランスからエジプトに向かう民間機が地中海に墜落したことが分かった。

 飛行機墜落は、日を追うにつれ爆破テロの可能性が強くなっている。そうであればエジプト機への爆弾テロは、シナイ半島上空以来2度目となる。前回はISのシナイ半島の分派が直ちに犯行声明を出したが、今回は今のところ沈黙している、

 もしISの犯行なら、そうした方が有利だと考えているのだろう。つまり、本拠をぼやかすことで恐怖心をあおり、かつ空爆などの集中攻撃を避けるというわけだ。その方が「信者のあるところ、国境をこえてどこでもIS(国)があり得る」という彼らの理念にも沿っている。

 前回以降の注目すべき地殻変動は、エジプト同様、地政学的に重要な位置を占めるトルコだ。シリアのアサド政権を支持するロシア軍機撃墜などで当初はニュース面をににぎわしていたがが、クルド人を巡って同国の議会が機能を喪失しかかっているということである。

 AFPや時事通信を総合すると、トルコの国会で多数派のイスラム系与党が、クルド系政党の議員を念頭に、国会議員の不逮捕特権がある憲法を改正し、逮捕を可能とする提案をした。その結果、376人の多数で可決し、クルド系議員140人が捜査対象になるとされる。

 これは、クルド系がいうようにまさにクーデターの発生で、国を割るような内乱に発展してもおかしくない。クルド人は「国土を持たない唯一の民族」といわれ、下記のように中東各国にいろいろな差別の中で暮らしている。

 宗教は、イスラム・スンニ派系が多いが人種や言語はイラン人に近く、居住区域も分散している。現存する国家の問題だけでなく、クルド問題を解決しなければ、中東に真の和平をもたらすことができない。

トルコ 約1140万人 
イラン 約480~660万人
イラク 約400~600万人
シリア 約90~280万人

 その、トルコ・イスタンブールで明日から「世界人道サミット」が初めて開催され、紛争や災害問題が討議される。トルコの対応の中味が議論されるのかどうか、注目されるところだが、上記の報道同様、日本の政府・マスコミの着目度は低いだろう。

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コメント

米上院が9・11事件被害者がサウジアラビアに対して賠償請求出来るとの法案を全会一致で可決したが、これをオバマ大統領が拒否権で葬りさる方針だと、言われているのですが、
サウジアラビアは法案が成立するなら100兆円ほどのアメリカ国債の叩き売ると脅している。
たぶん、拒否権の行使でも、黙認でも同じで、
これはクルド以上にトンデモナイ大事件ですよ。事実上9・11事件の再解明が始っているのです。
これ以外でもオバマは9・11の公式報告書の28ページを6月末にも機密解除する心算だと報道されているのですから、今後の大騒動は確実です。

投稿: 宗純 | 2016年5月22日 (日) 15時13分

宗純さま

なるほど。これなら日本のマスコミも見て見ぬふりはできないでしょうね。

投稿: ましま | 2016年5月22日 (日) 15時50分

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