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2016年5月31日 (火)

沖縄をめぐる大きな誤解

 沖縄県うるま市の女性暴行死体遺棄事件は、元米海兵隊員によるもので、これまでも繰り返し同様な事件が起きている。その都度、再発防止、綱紀粛正と併せ、地位協定の見直しが叫ばれてきた。

 「沖縄に基地が集中しすぎることは問題だが、基地は必要。南部集中を緩和するとか補償を上積みするとか、地位協定の適切な改訂などに政府が誠意を尽くすこくにより解決すべき……」などというのが本土住民の感覚ではないか。

 本土マスコミを含め、ことの本質を全く理解していない。地位協定というと、簡単な手続き問題ぐらいにしか考えていないのではないか。「地位」は、英語のステータスといったほうがわかりやすい。ステータスシンボルといえば、特別の人が身につける高級時計とか、ホテルの特別室のようなことを思い出す。

 つまり、一般とは違う特権階級だけに許される「特権」が「地位」という言葉に代わっているのだ。日本が開国した時、アメリカをはじめ来日外国人には「治外法権」が認められた。犯罪を犯しても日本の法律では裁けない特権的地位である。これは日本が清国と戦い、国のステータスが認められるまで続いた。

 今でも、大公使館や在日外交官には、外交特権が認められている。その国を代表する施設であり、人物だからである。外交ナンバーをつけた車が違法駐車をしていても簡単にそれを動かせない、などという話もある。

 軍隊というのは、警察・消防・一般市民とは違うステータスを持っている。これは、なにも日本に来て威張っているからではない。アメリカ本土にいても同じだ。軍隊、殊に海兵隊は敵地に乗り込んで人を殺すのが商売だ。これを普通の法律では裁けない。

 軍人の犯罪・軍紀違反は軍が独自に裁く。それは一般的に「軍法会議」の名でよばれる。通常、有罪でも軍務や士気にに支障をきたすことのないよう軽い判決となることが多い。軍隊でない自衛隊には、この制度がない。

 アメリカが地位協定改定に消極的だというが、当然である。世界各地の基地、米本土内にも影響することなのだ。大体、独立国内に外国基地が半永久的に存在するということ自体が異常なのである。

 沖縄ばかりではない。公務中の米軍人・軍属など、基地外の行為であっても日本側に捜査・逮捕・拘留の権限が及ばない。米側と協議した結果、「特に残忍な基地外の犯罪については米側の好意で例外とすることもあり得る」という、恩に着せたような合意があるだけだ。

 アメリカの大統領が変われば、地位協定ではなく、もっと根本的な日米安保体制の再検討・再構築が課題となるということに、今から対応策を考えておかなければならない。集団的自衛権やアベノミクスといったピンとはずれの自画自賛しかできない現政権では、日本の将来がこれからどうなるのか心配になる。

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