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2016年4月20日 (水)

ペットブーム

 世はあげてペットブームである。昔は、犬がドロボーよけだった。門柱に「猛犬あり」などと書いてあった。今の「セコム」のようだ。猫はネズミよけ、野良猫が物置に子を産んでも放置した。台所から魚を盗まれても、それは盗まれた方が悪い。

 もちろん、ペット待遇を受けるケースがないわけではない。敗戦の前の年、軍需省は、毛皮を飛行服、肉を食用にするため、飼い犬の強制的供出を決定した。大は3円、小は1円の協力金が出る。しかし反対運動などはなかった

 それを避けようとしたせいか、食糧の欠乏で放逐されたのか、野良犬が目について増えた。そんな子犬の一匹を拾ってきて縁の下で飼っていたら、母から叱られ、自転車で遠くへ捨てに行った経験がある。

 現在は、散歩していても犬を連れていないと肩身が狭いような世の中だが、我が家で小鳥以外にペットを飼った経験はない。平安時代の古典、『堤中納言物語』に「虫めずる姫君」という一文があるが、家には山椒の木があり、アゲハの幼虫が育っていた。

 また、教材として配られたものかも知れないが、カイコを飼っていたのが長女である。これは今のペットブームと全く異質な動物観であるが、塾頭は、どちらかというと平安時代の姫君に親しみを感じる。

この姫君ののたまふこと、「人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。人は、まことあり、本地たづねたるこそ、心ばへをかしけれ」とて、よろづの虫の、恐ろしげなるを取り集めて、「これが、成らむさまを見む」とて、さまざまなる籠箱どもに入れさせたまふ。

中にも「烏毛虫の、心深きさましたるこそ心にくけれ」とて、明け暮れは、耳はさみをして、手のうらにそへふせて、まぼりたまふ。

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コメント

供出品は地域によって違ったんでしょうね。私の村では犬・猫の話しは聞かない(?)ですね。

その代わりに「野兎」が軍人用の防寒用として供出されていたと言います。

母の話しでは、現在の役場近くに集められた何百羽という野兎が並べられた光景をよく見ていたという話です。

投稿: 玉井人ひろた | 2016年4月20日 (水) 16時14分

そういえば、新潟県に移ってきたのちのことですが、縁の下にウサギがいたことがあります。毛皮としてはウサギが最高だったでしょうね。

投稿: ましま | 2016年4月20日 (水) 18時09分

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