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2016年4月12日 (火)

脱北事情に異変

 脱北者のニュースといえば、これまでもあったことだし、日本ではそう大きく扱われない。しかし昨日、今日報じられる件には、これまでと大きく違う点がある。

Tmb240_2016041110505111 まず、13人という組織的な集団脱北があったという点である。この集団は、当初北朝鮮に隣接し、朝鮮民族も多く住む吉林省の食堂に働いていた。そこから数カ月前、南に移って浙江省・寧波の食堂で働き、そこを去る5、6日頃に脱出、東南アジア経由で7日には韓国に到着した。これまでの脱北と違って、苦労話など一切ない。空港を乗り継ぐ一般旅行者並みだ。

 北朝鮮は、当然非公式ルートで中国関係当局に抗議をした。これに対して現地当局は、『我々に責任はない。合法的なパスポートを所持する人ならどこにでも行くことができる』という趣旨の返答で一蹴したと伝えられられる(以上、食堂の写真を含め『中央日報』日本語版)。

 北朝鮮は、中国に食堂を経営、自国から従業員を派遣することにより、有力な外貨獲得源としてきた。中国東北部には、中国から見れば少数民族だが大勢の朝鮮族が住んでいる。美女のサービスでそれなりに繁盛していたようだ。

 そこで働く北朝鮮従業員は、決して裏切らない忠誠度の高い選り抜きの北朝鮮エリートだっただろう。そこに大きな変化が生じた。核実験や好戦的挑発などに対する、中韓連携の「経済制裁強化」と、中国の冷たい態度だ。

 これからも、続々似たようなケースが出てきそうだ。北朝鮮にとっては経済制裁以上の痛打になるかも知れない。かといって、シリア難民のようになられても困る。その兼ね合いが、中・韓にとって水面下の連携になっているような気がする。

 いずれにしても、戦火を交えずに難問解決ができれば最高だ。このほか、こんなニュースも今になって出てきた。

日本テレビ系(NNN) 4月11日配信
(前略)聯合ニュースは11日朝、北朝鮮の軍で韓国への工作活動を担当する偵察総局の大佐が去年、韓国に亡命していたと報じた。聯合ニュースによると、偵察総局は金正恩第1書記に直接報告をあげる部隊で、去年8月、軍事境界線で地雷が爆発した事件や2010年に韓国軍の哨戒艦が攻撃を受けて沈没した事件を指揮したとされている。

 聯合ニュースは関係者の話として、「今までの軍人の脱北者の中では最も高いポストの人物で、亡命後、韓国への工作について詳細に述べた」と伝えている。韓国統一省は「大佐の亡命は事実だが、具体的なことは話せない」としている。

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コメント

「パスポートを持つ・・・云々」というのが気になりましたね。
偽造か、正規かは測りかねますが、脱北者がパスポートを所持できるようになったとしたら大変化ですね

投稿: 玉井人ひろた | 2016年4月13日 (水) 21時05分

多分正規の物でしょう。スポーツ選手並みで、これまで脱北など考えたことのないエリートですが、このところ客が減って、サービスに相当無理を強いられていたのかもしれません。

北朝鮮では「拉致された」といっているようですね。

投稿: ましま | 2016年4月13日 (水) 21時37分

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