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2016年3月22日 (火)

中国のパワーポリティクス

 インドネシア・ナトゥナ諸島沖での中国とインドネシア公船の衝突事件は、日本にとって看過できないニュースである。以下の産経新聞(3/21)記事の全文引用は、読売の現地特派員電を除くと毎日が簡単な共同電、朝日・日経は見当たらずで、国民が知りたいことが端折られていたように感じられたからだ。

 中国漁船が摘発されたのは、南シナ海の南端に位置するインドネシア領ナトゥナ諸島沖で、インドネシアの排他的経済水域(EEZ)。中国は、ナトゥナ諸島はインドネシアに帰属するとしているが、南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張する根拠としている「九段線」の一部とこのEEZが重複している。

 スシ氏によると、海洋・水産省の監視船が19日午後、EEZ内で違法のトロール漁をしていた中国漁船を発見。職員3人が漁船に移り船員8人を拘束し、捜査のため漁船を領海に向けて曳航した。だが、20日未明に中国の監視船から体当たりを受け、さらにもう一隻の中国公船が駆けつけ、漁船を奪い取られた。

 スシ氏は、拘束した8人の事情聴取を進めるとともに、外交ルートを通じて中国に漁船の引き渡しを求める方針を示した。これに対して在インドネシアの中国大使館は声明で、「(現場は)中国の伝統的な漁場」とし、「通常操業中に武装したインドネシア船に追い回された」と反論した。

 この海域では、2013年3月にも摘発した中国漁船が中国側に奪われている。諸島を管轄するインドネシア国軍指揮官は、中国公船に守られた中国漁船による違法操業が常態化しつつあると指摘し、国防省は「海洋権益を守る」として防衛体制を増強する方針だ。海洋・水産省は、中国側の監視船がインドネシア側より2~3倍大きいため、船を大型化して対抗する姿勢も示している。

 なお、北京発の産経ニュースでは、「中国を国際司法機関に提訴する構えを示していることに関し、中国政府は同諸島への“野心”を否定し、提訴の阻止を図っている。」という情報もある。

 日本人として関心があるのは、尖閣諸島沖の漁船体当たり事件などとどうしても二重写しになってしまうからである。「中国の伝統的云々」の口実も、至って抽象的で実態が伴わない理由しか示さないことと、「九段線」や第一列島線、第二列島線など、国際法の裏付けのない線引きで勝手に行動していることである。

 インドネシアは、ベトナムやフィリピンなどと違って、南シナ海に関し対中国関係で中立を保ってきた。 もとより、アメリカ同様、日本も他国の領土問などに口出し、介入すべきではない。しかし、中国のようなパワーポリティクス(力による強圧政治)が、平和を害し戦争の火種を招くおそれがないとは言えない。

 日本は、尖閣の領有権を堅持するとともに、漁業権や海底資源などについては、資源保護を第一にした話し合いに持っていく姿勢をとり、中国の軍事的野心にブレーキをかける方策を考えるべきではないか。

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コメント

いよいよ安保法案が施行されることになった現在、インドネシアから日本へ支援要請があった場合はどう対処するのでしょうか。
注目されますね

投稿: 玉井人ひろた | 2016年3月22日 (火) 19時23分

とりあえず中古の大型巡視艇を激安価格で払い下げる。……もうやっているんじゃないですか?。

投稿: ましま | 2016年3月22日 (火) 20時15分

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