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2016年3月14日 (月)

囲碁ソフトに勝つ!

 韓国のプロ棋士、イセドル(李世のあと、石の下に乙)九段が、米グーグル傘下企業の作成したソフト「アルファ碁」と対戦、五番勝負で三連敗し四回目にようやく一勝をあげた。塾頭も若い時からヘボ碁をたしなみ、今でも続けているので、一瞬、快哉を叫んだ。

 勝因は、機械が予想しないよな奇想天外の一着を打ち、機械を混乱させて以後は、素人有段者でも打たないようなペースに持ち込み、投了させたという。「はめ手」という言い方もあるが、要は昔から言われてきた「芸」なのである。

 芸達者な棋士では、藤沢秀行や呉清源などが思い出される。「碁」といえば。台湾を含む日中韓のお家芸である。これを「芸」と称した古い文献を、拙著『海と周辺国に向き合う日本人の歴史』の中から紹介しよう。

 (阿倍)仲麻呂と安倍晴明は、吉備真備を介して説話の世界で結びつけられた。そのきっかけが十二世紀初頭に成立した『江談抄』で、それに続けて土御門神道を発展させた人たちにより、清明伝説として江戸時代までに完成させた。(豊嶋泰國『安倍晴明』読本)

 その内容はおおむね次のようなことである。
 仲麻呂は、真備が再渡航する前に博学多才を恐れた唐の手で楼に閉じ込められ、餓死して鬼になっていた。真備も同じ楼に閉じ込められたが夜中に仲麻呂の鬼が出てきて、故郷のこと唐土のことなど互いに教え合い旧交を深めた。

 次の日、唐が真備に難解とされる『文選』を突きつけてなぶりものにしようとしていることを鬼が察知し、一緒に楼を抜け出して読み方や解釈についてすべての準備を整え、一両日後に試しにやってきた唐の勅使をだし抜いた。

 続いて技芸を試そうと囲碁の勝負を持ちかけられた。真備はいかに「才」があろうとも「芸」はなかろういうことである。これも鬼から聞いていたので一夜で持碁(引き分け)にもちこむ手を考えておいた。あらかじめ相手の石一個を飲み込んでおいたので、それで勝つことができた。

 このほか、幻術の話などが続くが、真備は無事帰国、朝廷で栄達を果す。真備は呪術・占術などの奥技を書いた書を持ち帰っていたが、世話になった仲麻呂の縁者ということで、これが晴明の手にわたることになる。

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