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2016年3月26日 (土)

「孤立寸前」(その2 )、習金平

 3月22日のエントリーは、「中国のパワーポリティクス」 だ。インドネシア・ナトゥナ諸島沖での中国とインドネシア公船の衝突事件を書いた。ナトゥナ諸島は南シナ海南方にあって村落まで明記されているインドネシア領の島だ。

 その沖合で不法操業していた中国漁船を、インドネシアが摘発、取り調べようと曳航していたのを中国公船が体当たりをして奪い返したという事件である。これまで南シナ海の殆どを「九段線」で取り囲み、浅瀬を埋め立て滑走路や基地などを作ったことで、ベトナムやフィリピンと激しく対立していた。

 しかし、南シナ海でインドネシアとの抗争はなく、A.S.E.A.N.で問題になってもインドネシアは、中立の立場でノータッチを通した。中国側は九段線と重複する場所があると言っているが、A.S.E.A.N.の中核を意識するインドネシアの対応次第では、中国がA.S.E.A.Nの中で孤立することになりかねない。

 中国の世界戦略にとってのマイナスは、計り知れないものがある。中国の方針、行動は誰がどういう目的で決め、実行したのか、パワーポリティクスだけでは説明がつかない。そんな折、毎日新聞の客員編集委員で中国の権力機構に鋭い観察眼を持つ金子秀敏氏がこんなコラム(木語3/24)を書いていた。

 北京の政局が荒れている。李克強(りこくきょう)首相が額から汗を流して政府活動報告を読んだ。習近平(しゅうきんぺい)国家主席は拍手もしなかった。全国人民代表大会(全人代)初日の異変のわけが見えてきた。

 「習近平、辞めろ」という内容の公開書簡が3月4日夜、中国のサイトに流れた。外交も経済も失敗、国内では文革もどきの言論弾圧だと非難し、「本人と家族のためだ」という脅し文句まであった。

 連絡を受けた習主席はほとんど眠らずに翌朝の全人代に出たに違いない。朝、事件を知った李首相も自分が疑われていないかと冷や汗を流したのだろう。

(中略)習主席は今年1月、「習総書記を核心(最高指導者)と呼ぼう」運動を始め、独裁体制の引き締めを図った。メディアが非協力的だと、自ら中国中央テレビ(CCTV)など主要メディアに乗り込み「斉看(チーカン)!」(おれの言うことを聞け)と怒鳴った。それに対する回答がネット公開書簡だとすると大胆不敵。誰の仕業か。

 北京から香港に向かおうとした若い評論家、賈葭(かか)氏が失踪した。友人の無界新聞編集長も消えた。すぐに国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が救援活動を始めた。大事件になりそうだ。

(中略)習主席は、秋までに自分の後継者を決める。「赤い2世」(江沢民派)グループは自分たちの時代になると期待したが、習主席は側近から後継者を選ぼうとしている。それで「赤い2世」の誰かが不満を高めた−−そういう香港情報がある。誰だろう。

 こうして見ると中国の権力者の最大の敵は孤立であり、習主席もその呪縛を逃れることができない。中国の権力者は「お友達を集めればいい」などと、そんな簡単なものではなさそうだ。我々から見て不可解な現象は、党内の孤立から逃れるためのものではなかろうか。

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