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2016年2月

2016年2月28日 (日)

反戦塾乗16/2/28

アベ政治を許さない

 近所で手作りで人気のパン屋さん。入り口の戸に「アベ政治を許さない」の墨書の張り紙。安倍さん支持の人には買ってもらわなくてもいいの心意気?……、いや、この方が売れ行きがいいのかも。

シリア停戦合意

 大国の横暴・戦争介入。結果がどうなるかは、ベトナム・アフガン以来何度も経験済み。ロシア・プーチンはシリアでもウクライナ同様計算ずく。アメリカ・オバマは任期も迫り、議会横目に計算不能。難民をどうにかしてくれのEU・イギリスも計算中。日本は?、計算ができないはるかに遠い国。

政党のなまえ

 民主・維新が統合して、名前をどうするか。公募?、やめた方がいい。経験があるが、選考する時ケチのついた応募からどんどん落としていく。結果は万人向きだが歯ごたえのない駄作になってしまう。人気投票なら1回使って終わり。

 そこで「平民党」はどうだろう。札幌農学校で学んだ西川光二郎が、明治デモクラシーと大正デモクラシーを結ぶ時期1906年に結党し、すぐなくなった党名である。維新の匂いをのこし、力強く、民主党の「民」も入るのでいいのではないか。

 もっとも、その前に「困民党」というのもあったがね。

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2016年2月27日 (土)

『芸』がない

 「芸」で思い出す言葉は、芸能人・芸妓・芸者・芸術・芸事、素人芸、名人芸……、その他いろいろある。なんとなく趣味趣向の世界をいうような感じだが、「芸」は、ちゃんとした高尚な学問についてもいう。
 
 『芸』がない――なんでこんな題を思いついたかというと、主なニュースを伝える電子速報版のタイトル列記である。意味不明、要約不適、半端、誤訳などなど、とてもプロの仕事とは思えないからである。

 昔(今でもあると思うが)、新聞社には整理部というのがあった。記者から記事だけ送られてくるが、それにどういうタイトルをつけ、どういう位置にどれだけの分量で扱うかは、すべて整理部の権限であった。

 そしてその地位も、決して記者に劣るものではなかった。その中には、顕然とした「職人芸」さえ感じさせたものがあった。今、あらゆる事柄、たとえばタレントや政治家に至るまで、美男美女か、目立つ言動がもてはやされ、「芸風」は隅に追いやられているような気がする。

 ネットの世界でも、もっと「芸達者」なWebサイトが歓迎されるようにならないものかと思う。

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2016年2月26日 (金)

シャーペン

 大手家電・シャープが台湾の会社に買収されるというのでマスコミは大騒ぎだ。Dscf2756_2
 初代早川社長が大正時代にシャープ・ペンシルを作って売り出したところ大ヒット。その「シャープ」を社名にしたことなど、その由来を報じたところは、塾頭の見る限りどこもなかった。

 ちょっと「シャーペン」が不憫なような気がしたので、机を探したら1本だけあった。ただし三菱のマークがついているので、三菱鉛筆の物だろう。忘れられないように、シャープのホームページをバックに記念写真を一枚。パチッ……。

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2016年2月25日 (木)

無人機攻撃が合法のワケ

 毎日世界のどこかでテロが起き、多くの市民が死傷しています。それに劣らぬ多数の市民が、無人機の空爆で被害を受けています。

 無人機攻撃を操っているのは、現場から遠く離れた、たとえばアメリカ本土の米軍基地でコンピュータ端末を前にする兵士です。彼は目標から逃れようとする人間を漏らさず銃撃するよう指示されています。

 彼の操作ひとつで、帰りを待っている妻や子供のような人まで虐殺してしまうのです。こうして、多くの兵士が精神に異常をきたし、戦時精神障害患者になります。

 仕組みはよくわかりませんが、無人機、スパイ衛星、米軍基地端末を結ぶコンピュータシステムで動いているのでしょう。

 これって、宇宙の平和利用というルールに反しているのではないでしょうか?。素朴な疑問にぶちあたりました。そこで「国際宇宙法」という、一見すると大変立派なことが書いてある国際法に目を向けました。

 ところがこれが、「ザル法」どころか、サッカーのゴールネットに野球の球をほうりこむような、抜け道大ありの法なのです。そもそも、宇宙の範囲について、地上何メートル以上を「宇宙」というのか決めがありません。

 1000Km以上というのが多数意見のようですが、各国で勝手に解釈してもいいようです。一方で、宇宙は各国に解放され、自由に利用することができるが、領有したり軍事目的には使えない、としています。

 どうやら、海における公海の扱いと同じようです。航行の自由は保障され、そこから望遠鏡でどこを見ようと自由です。スパイ衛星は違法ではないのです。そこで得た情報により、友軍機に敵地攻撃を指示するだけでは、軍事使用にならないのかも知れません。

 自動車に運転手がいなくても安全に目的地に達する自動運転技術が、やがて実用化されようとしています。衛星がすべての情報処理を行い、人が関与しない操作を行う「自動戦争衛星」ができたら、どうなるのでしょう。宇宙の平和利用などと、どう逆立ちしても言えなくなると思います。
 

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2016年2月23日 (火)

安倍首相では危ないワケ

 「危ない」というか、こんな恐ろしいことになります。下を読んで下さい。毎日新聞(2/19)特集「動き出す安保法制」にある一文です。

「同盟とは『人と人』なんだ。紙の上の話じゃない」。安倍首相の口癖だという。防衛省関係者は「『米艦船が攻撃されても自衛隊は何もしない』のと『何かあれば一緒に戦う』のとでは大きな差。安保法制はガイドラインの『魂』だ」と解説する。

 安保法成立から19日で5カ月。約1カ月後の施行を前に現場では日米一体化が進む。その実相は「米国の戦争に巻き込まれるリスク」と「米国に逃げられる懸念」の相反する側面をはらんでいる。

 「同盟」が日米安保条約を指していることはお分かりですね。正式には「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」といいます。安倍首相のおじいさん・岸信介首相の時代に結ばれました。

 激しい反対運動の中で「同盟」と略称したのは、共産党や学生・労働者などの反対した人々でした。つまり「軍事同盟」、「攻守同盟」だと言ったのです。こういった同盟が過去の大戦を引き起こしたことはよく知られており、日独伊三国同盟の悪夢がまだ残っていた時代です。

 岸さんたちは、「同盟」という言葉を嫌いました。経済条項もあるし、題名を見ても「相互協力」が主の条約だ、といって同盟とは言いませんでした。逆に時代が変わって政府の方から積極的に「同盟」を使い始めたのは、小泉首相の頃からでしょうか。

 さて、前の話に戻りますが、憲法も、条約も、借金の証文もすべて紙の上の約束事です。人と人は互いに信頼し合っていても時がたてば考えが変わったり、人により解釈に差があったりするものです。

 それをできるだけなくすため紙にしたためておく、これが古来守られてきた人間の知恵です。しかも「人と人」ではなく「国と国」の約束事です。そして国の安全や人の命にかかわることです。人によってころころ変わるようではとても任せておけません。

 「法の支配」という言葉は、安倍さんもよく使います。しかし、中国や北朝鮮に向けたもので、本人の政治手法はそれと明らかに矛盾しています。集団的自衛権、憲法などこれまでの解釈を変え、臆面もなく通してしまうのが安倍流であることは、もうお気づきでしょう。

 最後の方で、「安保法制はガイドラインの『魂』だ」と念を押していますが、このことについては過去何度か取り上げています。去年4月に「日米ガイドラインが曲者」を書いていますので、よろしかったらそれも参考にしてください。

 いずれにしても、このような危なっかしい首相を支持したり選んではいけません。戦争の理不尽や惨禍を知っている塾頭が、特に声を大にして訴えます。

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2016年2月22日 (月)

安倍退陣の手がかり

 19日に民主、共産、維新、社民、生活の野党5党が党首会談を開き、参院選で選挙協力をすることになった。中でも共産が1人区の候補取り下げにより、与野党対決の構図が鮮明になることが注目される。

 自民党閣僚や議員の相次ぐ不祥事、問題発言の続発にもかかわらず、どうかすると反比例するかのように内閣支持率が堅調だ。これは、やはり民主党など中堅野党のお粗末さからくる。変るべき選択肢が見当たらないということだ。……と書いたが、今きた新聞によると20、21日の共同通信調査で、内閣支持率が先月末比7.0ポイント下がり46.7%になったとある。

 民主党・岡田克也代表の呼びかけによる次の4点についても合意を見た。今までの動向からみるとたしかに画期的だ。しかしなにか物足りないのは、きらめくスターがいないからだ。もうこれからでは遅すぎる。堅物の岡田さんだがもうあなたしかいない。共産党と組んで大いにあばれてほしい。

 ①前国会で決まった安保関連法の廃止と集団的自衛権行使と閣議決定の撤回
 ②安倍政権打倒を目指す
 ③国政選挙で現与党とその補完勢力を少数に追い込む
 ④国会対応や国政選挙のあらゆる場面で協力する

 安保法制はあと1月ほどで施行される。5党は「平和安全法制整備法廃止法案」と「国際平和支援法廃止法案」を提出したが、7月25日に実施される参院選の結果いかんにかかわらず、衆議院で圧倒的多数を占める与党により否決されるだろう。

 しかし、風向きは参院選で変えられる。最低限、野党が改選議席数を確保すれば、自民による改憲の野望をくじくことが可能だ。それで安倍路線に挫折感を与え、議会攻勢を強めることにより、公明の離反を誘う。

 仮に、与党が過半数割れになれば野党の勝利となり、衆院とのねじれ現象で安倍政権の命脈はつきる。それを期待しよう。ついでながら、アメリカもトランプ・共和党より民主党に勝利してもらいたい。

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2016年2月21日 (日)

首相の幼稚な本音

 安倍晋三首相は20日のニッポン放送の番組で、憲法改正のテーマについて「9条に自衛隊の存在が明記されていない。海外では軍隊だが、その記述がないのはやはりおかしい」と指摘、「しっかりと明記しておくべきだ」と訴えた。

 9条改憲を参院選の争点にしないと言いながら、自衛隊を軍隊にしたい本音がポロリ、ポロリ。憲法調査会などから出される意見や、日経などの調査で賛成者多数とみると、それを「国民の意見」ということにしてマイペースに引き込もうとする、キタナーイやりかた。

 命がけで仕事をやっていただいている、海上保安官・警察官・消防隊をさしおいて、自衛隊だけ憲法に明記する理由は何でしょうか?。「外国からは軍隊といわれている」?、ホラ!、もう本音が出ちゃった。

 自国民の平和や安全でなく、外国の方に顔が向いている。要は、他国並みに戦争ができる軍隊の最高指揮官として君臨し、栄誉礼を受けたい。それにつきるのでは?。それならそうと正直に言いなさい!!(山口県生まれの先輩より)。

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2016年2月19日 (金)

丸山和也発言擁護

 マスコミ、ネットそしてリベラル陣営はもとより、与党からも袋叩きにあっている丸山和也自民党参院議員である。天邪鬼・塾頭、やや疑問があって「ハフィントンポスト」でその全文をチェックしてみた。

 下記がその部分であるが、慣用される接続語その他不要と思われる点をカットしているので、必要があれば↓リンクして見ていただきたい。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/17/maruyama-slip-of-tongue_n_9251242.html

 たしかに、事実関係で発言に間違っている部分が2つある。オバマ大統領が黒人奴隷の子孫であるかのような表現と、アメリカ人も北朝鮮による拉致の対象になっていたことである。これは訂正なり陳謝すればすむことで、議員辞職するようなことではない。

 塾頭が恐れるのは、「奴隷」とか「黒人」そのものを、あたかも差別の対象であるかのような捉え方で、そうだとすれば、その方がむしろ問題だ。その二つともアメリカの歴史や言論からのぞいてしまえば、アメリカはなくなる。丸山氏の着想の方がまっとうで、日本の嵐のような丸山氏への非難は何なのだろうか。

 それは、双方とも差別されるべき対象という感触が頭の隅にあるからではないか。そうだとすれ丸山発言以上に深刻な問題だ。議員発言の追及は、すべきところはキチットやらなければならない。しかし政争の具にするような言葉狩りは、言論の自由をしばる両刃の剣になりかねないことに警鐘をならしたい。

 塾頭は、アメリカの州となるという日本外交へのあてこすりのような発想と、日本人の一様性を重んじる島国根性に目を向けたものであるとすれば、孤立をおそれずむしろ擁護に回ろう。

日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、憲法上どのような問題があるのかないのか。例えば集団的自衛権、安保条約、これまったく問題になりませんね。それから今、例えば、拉致問題ってありますけれど、拉致問題って恐らく起こってないでしょう。それからいわゆる国の借金問題についてでも、こういう行政監視の効かないような、ズタズタな状態には絶対なっていないと思うんですね。

 例えばアメリカの制度によれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。それとですね、恐らく日本州というような、最大の下院議員選出州を持つと思うんです、上院は、州1個で2人。日本をいくつかの州に分けるとすると、十数人の上院議員もできるとなると、世界の中の日本というけれども、日本州の出身が、アメリカの大統領になるという可能性が出てくるようになるんですよ。ということは、世界の中心で行動できる日本という、まあ、その時は日本とは言わないんですけれども、あり得るということなんですね。

 例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権も何もない。マーティン・ルーサー・キング(牧師)が出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。でもですね、まさか、アメリカの建国、当初の時代に、黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックの変革をしていく国なんです。

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2016年2月18日 (木)

中国ゴーマニズムの危険

 下記ロイター電の内容は、本日付各紙で一斉に報道された。

[ワシントン 16日 ロイター] - 米ニュース放送局FOXニュースは16日、中国軍が南シナ海の島に地対空ミサイルを配備したと報じた。民間の衛星画像で確認したという。衛星画像はイメージサット・インターナショナルが撮影した。

中国が南シナ海で地対空ミサイル配備、米国と台湾が確認

南シナ海・パラセル諸島のウッディー島(永興島)に地対空ミサイルの発射装置やレーダーシステムが配備されているのが写っている。

ウッディー島は、中国、台湾、ベトナムが領有権を主張している。

米国防総省のアーバン報道官は「機密事項に関わる問題にはコメントできないが、われわれはこれらの問題を注視している」としている。

  FOXニュースは、ミサイルはこの1週間ほどの間に配備された可能性があると報じている。画像によると、ウッディー島の浜辺には今月3日には何もなかったが、14日にはミサイルが写っているという。

 中国は、これまで南シナ海の軍事基地化を否定していたが、今回は「防衛上」の理由を上げて正当化しようとする当局の反応が見られる。

  北朝鮮の核武装化に対して高高度防衛ミサイル(THAAD)」防衛で対処しようとする韓国の計画に抗議はしても、多数国の海上交通に脅威を与える国際法無視の既成事実を積みあげていくというやりかたは、中国特有の「傲慢さ」を表面化させたように見える。

 これまでにフィリピンを小国扱いする発言もあったという。漢民族特有の”中華思想”が表面化したのか。もっとも、日本敗戦まで続いた、かつての日本の傲慢さから見ると大きなことは言えない。

 この南シナ海の各岩礁も、日本が南方原油輸送などの安全を目指して内海化を意図し、当時日本の一部だった台湾省に所属させたことがある。

 その台湾を中華民国→中華人民共和国と引き継いだのだから「中国領だ」、という理屈も成り立つ。しかし、中国もさすがにはそれは言いだせないだろう。旧日本は、基地化まではしなかったというよりできなかったのだ。

 周恩来らが平和5原則をとなえ、大国の横暴を押さえようとしたバンドン会議の精神や、いまいずこ……、である。中国に傲慢さがはびこる限り、世界のリーダーどころか、自国の発展すら足踏みや後退から免れないだろう。

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2016年2月16日 (火)

原発関連4題

 先週、「お粗末過ぎる女性大臣」の題で書いたが、同じ新聞に同じテーマの話が載るとどうしても強い印象を受ける。今日も前回同様記事写真(毎日新聞)入りにする。4つのうち塾頭の関心を呼んだのが「波力発電」だ。

Dscf2749Dscf2750Dscf2752Dscf2753_2 岩手県久慈市の漁港に、海の波の力で発電する波力発電(出力43キロワット)が今年8月に設置され、試験的な電力供給が始まる。一般家庭十数世帯分をまかなえる能力しかないが、日本近海では現在、波力を利用した発電で540万キロワット分(原発5基分)を確保できると試算されているという。

 こういった発電は、これまで送電費用が高くなることで顧みられなかったが、漁港の防波堤に沿った部分なら費用はそんなにかからない。ここの発電費用は合計で4億円としているが、別記事のもんじゅ廃炉の3000億円やすでに投下した凍土壁320億円以上に比べればどれほど安いものか。

 塾頭に専門的知識はないが、前から鳴門海峡や河口防潮堰などの潮力発電、鉄道線路の上空スペースを利用した太陽光発電はできないものかと考えていた。そこならば送電費用はいらない。

 塾頭は、事故発生当初、安全確認後一部再開やむなしと考えた時期もあったが、原子力村の無責任さや、放射能廃棄物処理に見通しのないことなどから、原発ゼロ派に転向した。原発再開、原発輸出にこだわる自民党に対し、即時ゼロを打ち出せば参院選のいい対抗軸になるのではないですか。

 野党さん!。

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2016年2月15日 (月)

「閣議決定」で徴兵

 安倍首相は徴兵制度を「ないことをあるように言う悪宣伝」などというような逆切れ発言をよくする。憲法違反などと悪評の高い安保法制化は、法制局長官の首をすげ替えて集団的自衛権の解釈を変える閣議決定で始まった。

 たまたま古いエントリーを見たら、07/11/01の「国民戦闘組織」に次のような資料を掲載していた。

資料(『日本現代史15』大月書店)
  情勢急迫セル場合ニ応ズル  ニ関スル件閣議決定

一億皆兵ニ徹シ其ノ総力ヲ結集シテ敵撃滅ニ邁進スル為情勢急迫セル場合国民義勇隊ハ左ニ準拠シテ之ヲ戦闘組織ニ移転セシム

一、情勢急迫セバ戦争トナルベキ地域ノ国民義勇隊ハ軍ノ指揮下ニ入リ夫々郷土ヲ核心トシ防衛、戦闘等ニ任ズル戦闘隊(仮称)ニ移転スルモノトシ之ガ発動ハ軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ命令ニ依ル右ノ為兵役法ニ規定スル者以外ノ帝国臣民(概ネ年齢十五歳以上五十五歳以下ノ男子及年齢十七歳以上四十歳以下の女子ト予定シ学齢以下ノ子女ヲ有スル母親等不適格者ヲ除ク)モ新タナル兵役義務ニ依リ「兵」トシテ動員シ統帥権下ニ服役セシメ得ル如ク必要ナル法的措置ヲ構ズ

二、戦闘隊組織ト国民義勇隊組織トハ表裏一体タルモノトス
地方長官ハ軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ指示スル所ニ基キ義勇隊組織ニ付戦闘隊移転ヘノ準備態勢ヲ整備スルモノトシ右軍事訓練、軍管区司令官、鎮守府司令長官、警備府司令長官ノ担任トス

備考
(一)在郷軍人防衛隊ハ之ヲ発展解消スルモ在郷軍人ハ戦闘隊訓練指導ニ当ラシムルモノトス
(二)国民義勇隊ノ幹部タル在郷軍人ノ一部ハ戦闘隊トナリタル場合ニ於テモ軍ニ於テ個別ニ招集スルコトナク依然戦闘隊幹部トシテ残ス如ク別途措置スルモノトスル
(三)国民義勇隊中戦闘組織ニ編入セラレザル者ノ本場合ニ於ケル組織等ニ付テハ各地方長官ニ於テ別途定ムルモノトスル

 これについて、――資料にある年齢は「かぞえ歳」で、満年齢なら1~2歳引かなければならない。ほかに本塾からのコメントなし――と付け加えていた。

 だが、よく考えてみると、塾頭の同級生は早生まれの子をのぞいて当時かぞえで15歳になっており、「概ネ年齢十五歳以上五十五歳以下ノ男子」に含まれていたことに、今、気が付いた。ということは、中1から軍事教練が正課に入っていること以外は、「戦闘組織ニ移転」したような事実が、沖縄以外になかったということだ。

 しかし、何の法的根拠や手続きもなく、閣議決定で徴兵までできてしまうのだ。当時似たような閣議決定が半月あまりで数本出されているが、報道管制下にあるとはいえ、下々は一切気が付かなかったことだ。

 戦争末期の、ずさんかつ、いいいかげんな閣議決定だったことがうかがえる。戦争とはこういうものだとしうことと、閣議決定で国民の命まで失われるようなことがある、というのが教訓。これをあらためて「コメント」としておこう。

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2016年2月14日 (日)

春一番

 きょう14日午前、気象庁は関東、北陸、中国、東海地方で、「春一番」が吹いたと発表した。きのう13日から全国的に風が強まっており、東京では14日午前6時半頃、最大瞬間風速21.4メートルを観測した。

 東京の真冬は、概して晴天の日が多く、曇りや小雨があっても暴風雨・暴風雪などはまずない。他の各地域に対して申し訳ない気すらする。今朝、新聞をとりに出たら傘もさせないくらいの風雨だった。

 それが午後になると、風はやや残るものの、すっかりいつもの青空に戻った。塾頭愛用の字引には、二月の手紙用語として、次のような言葉が示されているがなぜか「春一番」はない。

 晩冬 残冬 春浅く 寒あけ 旧正月 雪解 残雪 雪解け道 ほうれん草 うぐいす 紅梅 春の雪 下萌 若つばめ 椿 葉牡丹 迎春花 早わらび 

 

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2016年2月13日 (土)

鉄道と戦争

 インドネシアの高速鉄道計画で入札があり、日中が競い合っていたが、建設側の融資に政府が保証しなくてもいいという大まかな資金計画を受け入れた中国の計画に決まり、技術面で信頼の高い日本側が敗退したというニュースは旧聞に属するが、4日付読売新聞では次のような続報があった。

 【ジャカルタ=池田慶太】インドネシアの高速鉄道計画で、鉄道建設を手がける中国とインドネシアの企業連合が、事業が失敗した際の「保証」をインドネシア政府に求めていることがわかった。

 インドネシア政府の財政負担ゼロを条件に中国案が採用されたが、将来的に負担が押しつけられかねないとしてインドネシア側から懸念が出ている。

 2日付の有力紙コラン・テンポなどによると、企業連合とインドネシア運輸省は、完成後の鉄道資産を政府に譲渡する条件を巡って対立している。運輸省が契約から50年後に負債のない状態での譲渡を求めているのに対し、企業連合はより長い期間を要求し、事業破綻の場合、政府が買収するよう提案。それができなければ中国側に所有権を移すよう求めているという。

 反戦塾だから、というわけではないが、これで真っ先に思い出したのが、日本の大陸侵略のきっかけを作った柳条溝事件(満鉄爆破)である。さらに舞台が変わるが、塾頭が若い頃よく見たアメリカの西部劇の場面は、今でも通用するだろうか?。

 西部の砂漠を走る列車に馬に乗った悪党が追いつく。高価な荷物や裕福な乗客から金品を掠奪する。西部の産油地と消費地を結ぶ鉄道は、ロックフェラーなど石油資本が投資し、独占的な地位を利用して膨大な利益を生んでいた。そんな鉄道をめぐって銃撃戦が巻き起こり開拓軍が勝利する。

 かつて、帝国主義の植民地支配でまず手掛けられるのが鉄道の敷設権と鉱山の開発権であった。西欧列強は、中国本土・満州・朝鮮などでこれらの権利獲得に先を競い、日本も後からこれに加わった。前述の満鉄も、ロシアが中国から敷設権を獲得、建設したものを、日本が日露戦闘に勝利した結果撫順炭鉱などとともに接収したものである。

 これに伴って鉄道10Kmにつき15名の沿線守備駐兵権も得た。下剋上で悪名高い関東軍は、ここから育ったのだ。柳条溝事件の詳細は省くが、この鉄道線路を張学良軍が爆破したというでっち上げで満州事変の戦端が開かれ、傀儡政権樹立に至った経緯はよく知られている。

 さて、冒頭の引用の最後である。借りた建設費が払えなくなれば、所有権を中国側に移すという要求があるという。仮にそうなれば、中国は鉄道から利益を上げるため沿線の開発投資をさらに進めるだろう。その要員もここに移住してくる。

 そこへ、イスラム過激派が少なくない同国である。テロで鉄道が破壊され住民が襲われたらどうするか。資産・権益そして国民保護のため中国軍が動く。過去、それでさんざん国土を荒らされた経験のある中国だ。そのような愚を繰り返すことはないだろう。

 しかし、そう遠くない歴史でさえ忘れてしまいたい政治家が、まだどこかにいる。海外進出はあくまで商業ベースを基本とし、国は無償援助、人道援助に徹すべきだと、このニュースから感じたのだ。

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2016年2月11日 (木)

♪金鵄輝くニッポンの

 今日は建国記念日。昔は紀元節といった。学校で歌う歌は、♪雲に聳ゆる高千穂の……でタイトルの歌とは別。今から76年前、紀元2600年(昭和15年)奉祝歌で、年間を通じてのお祝いに、国家的規模で流行らせた歌だ。

 祝典は11月10日から14日まで行われた。ちょうちん行列・旗行列・音楽行進が街を練り歩き、昼酒許可、赤飯用もち米特配など、普段は見られない奇妙なイベントだった。

 父が割り当てられたのか買ってきたのかわからないが、奉祝歌のはいったレコードを持ち帰ってきた。この年は、2月2日に斎藤隆夫衆院議員が反軍演説をして問題になったが、新体制運動がスタート、7月には全政党が解党し10月に大政翼賛会が誕生した。また、全国に「隣組」が組織化された年である。

 11月15日、「祝ひ終わった。さあ働こう」と政府声明が発せられ、戦時体制(支那事変)にはっぱがかかった。米英との戦争になったのはそれから1年と13日目である。そもそも、文字も暦もない時代の2600年前の今日、日本が建国したなどと決めたのは誰か。

 『日本書紀』に、神武天皇が九州からやってきて奈良の樫原で即位した日が書いてある。文献はもとより、その裏付けとなるような考古学的遺構、データは一切ない。 

このタイトルに関連した古い記事(09/3/16)に「倭、やまと、日本」がある。それとダブル部分があるが、気が向いたのであらためて書いてみたい。

 かつては、「日本」をつけているのが右も左も大はやりだったが、今残っているのは「日本共産党」だけかな、と思ったら「日本を元気にする会」と「日本の心を大切にする会」という、生まれたての党があった。

 共産党は、他国の共産党と区別するために「日本」が必要なのだろうが、その他は国粋主義や右翼の先生たちが好んで使う傾向がある。安倍内閣の閣僚も多く参加する国粋主義の総本山も、日本会議と名付けられている。

 ところが、そういった人たちは、「日本」、特に「ニッポン」の発音が中国語由来だということを気にしていないのは奇妙な現象である。さきほどあげた『日本書紀』の「日本」は、中国の制度を参考にした律令制度が完成に近づく天武天皇のころに準備されたものだ。

 それが国際的に認められたのは、702年、中国に派遣された使者が「倭国」に換えて「日本国」とするという意向が認められてからである。「日本」の由来は、聖徳太子が遣隋使に持たせた「日出ずる国の天使、日没する国の天子に書を致す、つつがなきや」の手紙にあるとし、中国から見た位置関係を国名に選んだという説が有力である。

 塾頭は、ほかに原始時代からの太陽信仰もあると思うが、それなら「ひのもと国」にするか、以前と同じ「わ国」とし、「倭」の文字がいやらら「和」か「大和」と変えてもらった方がまだよかった。

 それはともかく、神武即位の年月や日まで特定した『日本書紀』は、当時の中国伝来の暦で好日を選び出した。同書は漢文で書かれ、有力筆者のうち二人は中国人だという。保守政治家が渇望する”美しい日本”や”道徳”も、多くは論語など中国古典の精神を引き継いだ儒教精神である。

 国家神道と言えば、天皇を中心に置いて明治初頭には「廃仏毀釈」に猛威を振るい、戦中は靖国神社信仰にも大きな影響をもたらした。その源泉が水戸学である。その中であった議論に、会津藩士佐藤忠満の一奇談という史料がある。(網野善彦『「日本」とは何か』所載)

「日本の号ハ唐人より呼候を、其まゝ此方にて唐人へ対候て称する所のみ」と主張する佐藤が「国号を申候事、大嫌之様子」

 さて、国粋主義・右翼方面の方は、「中国」と聞いただけで拒否反応を示し、アメリカと組んで影響を排除したいと考える向きが多いようだ。しかし、ニッポンも日の丸も佐藤藩士のように「大嫌之様子」ではなく「大好之様子」。さて、どうしましょう?。

 残念ながら、歴史は「中国あっての日本」なのである。

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2016年2月10日 (水)

お粗末過ぎる女性大臣

Dscf2742 同じ日の新聞で3人そろい踏み

・高市総務相
電波停止言及 野党反発「報道への圧力」 

・島尻・沖縄北方担当相
「歯舞」読めず

・東日本大震災
福島第1原発事故 「被ばく上限根拠ない」
丸川珠代環境相発言か、「言葉足らず」陳謝  

 女性大臣賛成。しかしこれでは……。それでも内閣支持率が上昇する。

「世も末じゃ!」
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2016年2月 8日 (月)

北朝鮮、真冬の花火

 テレビも新聞もネットも、休日を挟んでいるとはいえ、とんだ大騒ぎだ。北朝鮮の弾道ミサイルが明日にでもアメリカに打ちこまれる、そんなことを信じている人はだれもいない。

 あんな、どでかいもので日本を攻撃することなど、金輪際あり得ない。あれは、金正恩坊やが、「わーい、上がった、上がった」とはしゃいでいるだけのこと。本当は、最後に衛星から「金正恩の歌」が電波で流れればもっとよかったけど、世界がこれだけ騒いでくれたから、「まあいいや」と坊やは思っているに違いない。

 国連とか物知り顔の世界の識者連中は、「中国がちゃんと叱らないからだ。ご飯を食べさせない、家に入れてあげない」ぐらい言わなければ、という。人を大勢殺せるような危険な花火のスイッチを坊やが握っているかも知れないと思っているからだ。

 しかし、パパが3人の息子の中で最も利口だとして後継ぎにした息子だ。たとえスイッチを持っていたにしろ、自分も死んでしまうようなバカなことはしない、ということを中国は知っている。

 それより、ご飯が食べられない、国民から不満が噴き上がりシリアのように内戦状態になる。もう坊やをかまってくれる人が周りに誰もいなくなる。そうすると、「ヤケ」を起こしてスイッチを押すかも知れない。その方が怖い。

 それでなくても、坊やが見捨てられ、内戦になると膨大な難民が中国国境に殺到する。もちろん国境で入れさせないようにするだろう。しかし、東北地方には、少数民族である朝鮮族が大勢住んでおりそれを敵に回すと、どういうことになるか計り知れないのだ。

 その点は日本も全く同じなのだ。しかし、だれも言わない。ちょっと前に書いたのだが、北朝鮮から小舟に乗って日本海に出ると、リマン海流と対馬海流に乗って北陸から、東北・北海道の日本海岸に漂着する。

 正恩坊やを揶揄したが、日本の坊やもそこまでは考えなていない。もっとも、昭和の初めころまで利口ぶったお兄ちゃんがたくさんいて、日本を駄目にししてしまった。そのようなことも知らないようでは、無理ないか。
 

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2016年2月 6日 (土)

環境権を見直す

 ただし、公明党発の「自然環境権」加憲論ではない。それは、「文明環境権」「政治環境権」「生活環境権」の三つであり、まだあるのかもしれない。

 唯一の神を守り、古い戒律を守り、国境を否定する――、これはISの「文明環境権」である。ただし、異教徒、異文明人は惨殺してもいい、という文明を、断乎拒否する権利も、文明環境権である。

 一般的な文明環境権は、風俗・習慣・歴史・芸術などをさす。ただ、それらを固定、凍結させて発展・進化を一切止めてしまうのは、われわれの求める「文明環境」ではない。また、「これが我々の守るべき文明である」と、決めつけて強制するのも非文明の極みである。

 「政治環境権」、これは立憲主義、民主主義、国民の平和と安全、そして参政権などの権利を保障する政治環境を保つ権利である。これは、現憲法を維持するということを意味していない。底流は、聖徳太子の17条憲法、明治天皇の5カ条のご誓文、明治憲法以来受け継がれていることだ。

 「生活環境権」は、上二つの環境権と密接不可分であるというより、その原点であると言ってもいいかもしれない。経済的な問題はもとより、自然環境や健康など生活するうえで守らなければならない権利がすべて入るだろう。

 以上、ある朝寝床で考えたことである。

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2016年2月 5日 (金)

支那事変の頃

1 父よあなたは 強かった
  兜(かぶと)も焦がす 炎熱を
  敵の屍(かばね)と ともに寝て
  泥水すすり 草を食(は)み
  荒れた山河を 幾千里
  よくこそ討って 下さった

2 夫よあなたは 強かった
  骨まで凍る 酷寒を
  背も届かぬ クリーク(濠)に
  三日も浸かって いたとやら
  十日も食べずに いたとやら
  よくこそ勝って 下さった

 昭和14年にできた歌だ。真夏の厚い頃、1番の歌詞を紹介したことがあるが、寒さ真っ盛りなので2番も紹介する。同じ頃、小学生の悪童の間では、通りがかりの洋髪の若い女性にこんな唄を浴びせかけた。

♪パーマネントに火がついて 
 見る見るうちに禿げ頭
 はげた頭に毛が3本
 ああ恥ずかしや恥ずかしや
 パーマネントはやめましょう

 政府肝いりの国民精神総動員運動が本格化した年だ。子供のマンガにも戦場が現れた。相手の支那兵は軍隊というより、馬賊・匪賊の類に扱かわれ、緑のよれよれな服装で、銃のかわりに傘を斜めに背負っていた。

 吹き出しには「××あるよ、ポコペン」などと書かれ、弱そうだった。冒頭の歌は、歩兵とか輜重兵が艱難辛苦に耐える皇軍への感謝の歌だ。この歌のせいで軟弱な塾頭などは、海軍志願に傾いたほどだ。

 さて、自民党が憲法を改正して海外派兵あり、としても、隊員は上記のような経験はせずに済む。そんな目に合うのは現地の避難民で、攻撃側は安全な場所で遠隔無人機の引き金を引くだけでいい。目標に定めた家屋に敵が隠れているという前提で火をつけ、逃げ出すものは女であろうが子どもであろうが、動くものならすかさず引き金を引かなければならない。

 すこしでも手心を加えると物陰に逃げこまれてしまう。そうするとポイントはマイナス。まるでゲームそのものだ。違うのは飛び散る肉片、残酷な死骸がいやでも目に焼き付いてしまうことである。任務が終われば、飲めや歌えの日常生活に戻っても、神経や精神を侵され、不治の心の傷に呻吟する例がどれほどあるか。

♪ああ恥ずかしや恥ずかしや
 アメリカ追随はやめましょう

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2016年2月 3日 (水)

遺跡より道路に《喝!》

 アメリカ大統領の予備選挙、難しくてわからない。元プロ野球選手の清原、覚せい剤所持でして逮捕。北朝鮮、衛星発射を予告。株の乱高下……、ロクなニュースがない。その中で「これこそ正解!」といううれしいニュースがあった。

 「沼津の高雄山古墳保存のため、道路迂回……」だ。都市計画道路の建設で取り壊す計画があり、このブログでも、以前猛反対したことがある。古墳は一度こわしたら絶対もとに戻せない。エジプトで重要なピラミッドを跡形もなくこわすのと同然だ。

 この古墳は2008年に発掘されたが、なぜ、そんなに重要か。
①卑弥呼の墓の可能性が高い奈良県箸墓古墳造営の僅か前、最寄りの地に現れた、やや小ぶりの前方後円墳・ホケノ山古墳と同時期(3世紀前半)のものである。
②大和朝廷系に多い前方後円型でなく前方後方型で、東国に多く作られていることから大和朝廷とは別の勢力があったと想像できる。
③規模が全長62メートルで、①に書いたホケノ山古墳の約80メートルに匹敵し、古墳時代の幕開けを西日本と競っていたことになる。

 これは、魏志倭人伝で卑弥呼の女王国と戦争になったと伝えられる狗奴国が、濃尾方面にあったとする白石太一郎教授の仮説を検証する上で、欠かせない研究材料である。また、東日本にも存在する中国の古代鏡などの由来検討を含め、大げさに言うと日本史のスタートが書き換えられるようなことにもなりかねない、ということだ。

 そんな遺跡を道路にして潰してしまうのは、世界遺産云々とは比較にならないほど、国益に反する暴挙であったのだ。

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2016年2月 2日 (火)

満州を知る

 去年の天皇誕生日にあたり、天皇は記者会見で、「満州事変に始まる戦争の歴史を学び,今後の日本のあり方を考えることが極めて大切」と述べられた。塾頭とほぼ同年代のである天皇は、小学生のころから、日頃「満州」という言葉に接し、身近に感じられているはずである。

 天皇がそのようなことをするはずがないが、なにか安倍首相に対する当てこすりのような気がしてならない。というのは、祖父・岸信介が官僚として満州国にわたり、辣腕をふるったことでも知られているからだ。

 経済5か年計画を作り、当時関東軍参謀長だった東条英機とも昵懇の間柄だった。戦中、東条首相のもとで入閣も果たし、戦後は戦争犯罪人容疑で逮捕されたが、アメリカが冷戦激化を前に、裁判の決着を急いだことなどで免訴となった。

 「運が良かった……」、これは岸自身が言っている言葉である。また、計画経済推進などで「革新官僚」に位置付けられたが、商工官僚であり、満州事変そのものには責任がなく、自責の念はなかったであろう。

 安倍首相がややもすると歴史修正主義に偏りがちなのは、その影響があるのかもしれない。日清・日露戦争が終わり、日本は一応大陸からの脅威にささされることはなくなったのだ。しかし、第一次世界大戦後の帝国主義的植民地拡張排除の機運に反して、大陸侵攻を目指した。

 そのあたりを、熟知熟考しないと再び戦争→敗戦のいまいましい時代がやってくる。満州の知識がないのは左右を問わない。また、戦争を知らない世代だけでなく知っていても、「満州」という国名ひとつでさえ、まだ整理がついていない。その例をあげておこう。

 大林太良・生田滋『東アジア民族の興亡』日本経済新聞より引用

21ページ
 中国東北部――かつて日本人が誤って「満州」と呼んでいた地域のうち、内モンゴル自治区に含まれる地域を除く部分、およびロシア領の沿海州など、旧清朝時代にその支配下なある地域を指す。

261ページ
 ヌルハチは李成梁の庇護を受けて建州衛の諸部族を着々と支配下に収め、一五八八年には建州衛を統一した。彼はこの時国名をマンジュ国と定めた。マンジュというのはマンジュシュリ(文殊菩薩)からとった名称だということである。

 「満州」というのは、この「マンジュ」に漢字をあてたものである。日本人は第二次大戦まで中国東北部のことを満州と呼んでいたが、中国人はこの地域を必ず「東北」と呼んで「満州」とは呼ばない。これは「満州」が「夷狄」の側から見た名称だからである。もっとも「満州国」という名称には一種の合理性がある。「満州国」の執政、そして皇帝となったのは溥儀であって、彼は満州族の立てた清朝の最後の皇帝だったからである。

 261ページの方が詳しいが、21ページの「日本人が誤って「満州」と呼んでいた」というのと符合しない。中国人が嫌うからといつて、「日本人の誤り」にすることはない。蒙古、チベット、ウイグル族などを含め、5族協和といって辛亥革命後も通用していた中国の発想なのだ。

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2016年2月 1日 (月)

シリア、内部テロ

 先月27日に「中東はイランが主役に?」を書いたが、今、下記のニュースが飛び込んできた。

【2月1日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)郊外のイスラム教シーア派(Shiite)の霊廟(れいびょう)近くで1月31日、複数の爆弾攻撃が起き、在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると71人が死亡、数十人が負傷した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。(AFPBB News)

 シリアに対する疑問は数々ある。どうもよくわからない。一か所で100人規模の死傷者があったとすればフランスの同時多発テロにも匹敵する。まずシリア難民のことだが、欧州に押しかけている難民は、逃げたくても地元を離れられない貧困層ではなく、異教徒の間でも生きていけるという階層のようだ。

 彼らもイスラム教徒に違いないのだが、何から逃げようとしているのか。過激・非人道的なIS社会、アサドの圧政と報復、無差別大規模化する空爆、対立宗派の圧力や攻撃……、いずれにしてもよほどの事だろう。

 ニュースでは、現場をシーア派霊廟としているが、前回記事でもぼやかして書いたように、シリアをシーア派の国とは断定できない。約7割を占めるスンニ派以外では、アサドをはじめシーア派に近いとされる宗派が占めると見られる。イラクと逆の現象である。

 したがって、シーア派霊廟というのが正しいかどうかは別として、テロの対象が西欧文明国に対するものでなく、ISを含むスンニ派が、それ以外(主にシーア派)のイスラム教徒にも向けられているということを示している。

 ISをはじめ、原始イスラムの教義に近いスンニ派原理主義の勢いは、前回書いたように兵士の供給源となるような国以外に、サウジなどの富裕国の中にも資金的供給源があり、他国による空爆やシリアの多国籍和平協議などで終息すると見るのは甘い。軍事的には小康を得ても、根本的な解決には至らないだろう。

 まったく先が見えず程遠い話だが、イスラム以外の国の軍事介入ではなく、イスラム教徒が主体となって、共通の挨拶のことば、「アッサラームアレーコン(神の平和があなたの上に)」で話し合ってもらうしかないのだ。

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