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2016年1月30日 (土)

Do you know 安保(補)

 当塾では、1月18日から5回連続で「Do you know 安保」を連載し、その中で、去年安倍内閣が、憲法にも日米安保条約にも違反している安保特例法11本を、議事録もない委員会決議をもとに通したことについて、その元凶が、国会承認のいらない日米当局者が決める「ガイドライン」にあることを指摘した。

 これについて、後になって専門家の解説を引用するのも変な話だが、『世界』2月号の、軍事評論家・前田哲男氏の「三つの同盟と三つのガイドライン」で、まとめた記事があったので、以下、要点を述べ補充させていただく。

(前略)日米安保にもとづく「軍・軍連携」のありかたとは、ガイドラインが方向を指示し、国内法がそれを裏書きする関係なのであって、その逆ではない。大状況はアメリカのアジア太平洋戦略をもとに想定される。憲法とは異世界の<鬼っ子>的文書といえる。

 このように、安保条約下の日米軍・軍連携においては、つねにガイドラインが<主体>であり、国内法が<客体>であることを知り、そのうえでガイドライン協議が、第二次安倍内閣の「集団的自衛権行使容認」表明を機に始動、戦争法案づくりと同時並行(むしろ先行)しつつ進んだ推移に照らすと、戦争法制の本質を理解するには条文解読だけでなく(ガイドラインの側)からの視線が不可欠となる。両者は異体同心というべき――片方は法律に向かい、もう一方は軍隊用マニュアルとして活用される――文書であるからだ。

 (中略)定義と条文には、条件法、接続法による迷宮のような修辞がほどこされ、難解複雑な言い回しで、真の意図を隠している。そこから国会答弁のみでは、(閣僚間の食い違い、たび重なる訂正発言もあって)「重要事態」や「存立危機事態」など両法に規定された新事態は「例外的」だと受けとめる見方も可能になる。じっさい首相以下の答弁者は、そう印象づけようと努力した。「成立しても使えない」という(おもに集団的自衛権全面解禁論者からの)意見さえあった。

 (中略)本来、戦争法案をめぐる国会論戦は、一五年ガイドラインをあわせ鏡にして<法案の後ろ姿>を国民にしめしながらなされるべきであった。その機会は逸したが、しかし「戦争法廃止」や「白紙化」をもとめる今後の運動にあっては、ガイドラインの精読が決定的に重要となる。(後略)

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