菅直人氏の「立憲の会」提唱
民主党では、前原誠司元代表が12日、自民党に対抗するため年内に民主党を解党し、維新の党と新党を結成すべきだとの考えを岡田克也代表に伝えた。前原氏には細野豪志政調会長も同調し、党内の路線対立が再燃した形になっている。
これとは別に、菅直人氏が自身の公式HPで、自民圧勝をなくすため、「立憲の会」立ち上げを提唱しているがマスコミにはほとんど無視されているようだ。モデルは1989年の参院選の「連合の会」にある。この選挙では自民党が惨敗し、その責任や女性問題もあって宇野首相は退陣した。
しかし、いかにも古い。そして、それがイメージできる人はほとんどいないといってもいいだろう。「連合の会」の連合は、労働組合の連合である。路線対立のほか組織拡大を競い合っていたいくつかあった労働組合の一体化が進み、全国組織「連合」が誕生した年だ。
さらに、自民党は竹下内閣がこの選挙の前月まで続いており、リクルート収賄事件や春先の消費税新設で内閣支持率が7%(朝日新聞)までおちこんでいた時であった。右翼街宣の「竹下首相褒め殺し」などという社会現象まで起きている。
選挙結果は、社会46、自民36、公明10、共産5、「連合」11だった。それにもかかわらず後の衆院選では自民が圧勝し、自民単独内閣は93年の細川野党連立内閣まで続く。しかし、来年の参院選の目標は、まず安倍首相を退陣に追い込むことだ。
若き日の体験からでた、元首相・元代表の立場からの提案だとすれば、前原提案よりよほどユニークで注目に値する。菅提案は、安保法制反対で共闘した弁護士会メンバーなど無党派の人が中心になることが好ましい、としており、民主党現執行部や地方組織など、ほとんど党に受入れられる見込みはない。
それには仕掛け人が必要である。民主党の一員として提案することが無理なら、同調者をひとりでも多く道ずれにして党を出るしかない。そして、他の野党や場合によれば与党まで手を広げる勢いがなくてはならない。
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