委員会採決は無効だね
参議院の安保関連法制化の特別委員会、昨日からほぼ徹夜で、今日(17日)で審議打ち切りを打ち切ることについて与野党の攻防があった。NHKが午前・午後、委員会室を中心に中継報道したのは、まあ功績である。
その詳細は、いろいろの形でマスコミに載ると思うので省略するが、塾頭の見た最後の最後の「強行」採決の場面の印象だけは、書いておく必要があると感じた。
午前中に理事会を開く場所を理事会室から委員会室に突然変更したことに野党が抗議、その後鴻池委員長が委員会開催を宣言すると、すかさず野党が不信任案を提出した。
委員長は、不信任案が出たので、後を佐藤理事(自民党ひげの隊長)に委任するといってそのまま席を立った。野党はこれもルールに反するといって猛反発したが、結局午後、不信任案の討議に入る。
結果は少数否決で、鴻池委員長が再び席についた。その瞬間、大勢の議員が委員長に突進して幾重にも覆いかぶさる。塾頭はこれはほとんどが野党議員かと思ったら、どうやらそうではないらしい。
委員長の近くにいる議員がさかんに与党席の委員に立ち上がるよう手振りをする。これを2度3度と繰り返す。あっけにとられた委員は立ち上がり、まばらな拍手をしたりする。
NHKのアナウンサーや記者も「何か聞こえましたか」「いや何も聞こえません」と言っている。塾頭には、全く委員長の姿も見えず声も聞こえない。自民党は当然議決があったとするだろう。
委員長に殺到しかぶさった議員は誰々なのか、議事録はとれているのか、といったことはマスコミでよく検証してほしい。テレビで見ている限りでは、承認の議決があったとは到底言えない。
強行採決はこれまで何度も見たが、これほどひどいのは見たことがない。安倍内閣にとっては、成功どころか大失敗だったのではないか。本会議で、欠席棄権する与党議員が出てきても不思議ではない光景だ。
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コメント
新聞の投書欄の話。30代のママらしい人。「政治家に知性を感じる人がいない」。「知性」この言葉、まだ生きていたのですね。
妙に感心してしまいました。
日本はまだ捨てたものではない、と思いたいです。
投稿: ましま | 2015年9月18日 (金) 20時06分
わたしは、衆参両院で圧倒的多数の与党自民党員の全員、一人一人に聞いてみたいのです。
「あなたは今回の法案を正確に把握しているのですか?」と・・
100%理解しての賛成なら、それなりに評価します。
しかし「党執行部や安倍派閥に言われたから」という理由での賛成なら、議員として失格でしょう。
投稿: 玉井人ひろた | 2015年9月18日 (金) 11時37分