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2015年8月 9日 (日)

正体見たりアベ・ヒトラー

7日夜の自公幹部の会談では、首相が安倍談話の原案と談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」の報告書を示しながら、公明の山口那津男代表と井上義久幹事長に内容を説明。自民の谷垣禎一幹事長や菅義偉官房長官も同席した。(中略)

原案には過去の大戦に対する「反省」は盛り込まれていたが、「植民地支配と侵略」については、必ずしも明確な位置づけではなかった。このため、公明側は「なぜ日本は反省をするのか。その対象を明確にしないと伝わらない」と主張し、「侵略」という文言もしっかりと位置づけるよう求めた。(朝日新聞デジタル)

 終戦後70年は数日後に迫った。安倍首相談話は、14日に明らかになるまでわからないが、アベ色を鮮明にし、それをどの程度盛り込めるかが注目点である。太田国交大臣がサインできるようなものにするため、麻生副総理がなだめて、最低限の表現で我慢せざるを得ない内容になるだろう。

 麻生はこういう。「国会が終わるまで言っちゃいかん。言いたければ終わってからにしろ」。

 これは、礒崎陽輔首相補佐官の安保関連法案に対し「法的安定性は考えなくてもいい」と言ったことや、自民党武藤貴也衆院議員が「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」などと言ったことに対するものだ。

 安倍のバックボーンにあるものは『美しい日本へ』などで知られているが、政策運営にどう反映させるか未知な部分があった。ある心理学者によると、前述の若手アベ応援団を含め、記憶力に抜群の能力を発揮する一方、他を顧みず不用意な発言をしがちで、後ろ盾となる権威者などにたしなめられると、あっさりひっこめるという性癖を持っていると分析している。

 それが最近、国会討論や日頃の言動を見ると安倍首相の本性がだんだん見えてくるようになった。最近の例をとってみよう。

 中谷防衛大臣の説明では、後方支援として運搬供給できる物資に核ミサイルも入るという。理由は、弾薬つまり消耗品だから法律上は可能、というわけだ。首相と野党との間で次のような応酬があった。

 首相「非核原則があり核拡散防止条約に調印している日本でそのようなことするわけがない。絶対あり得ない」
 野党「それならはっきり法文に書いて出しなおしたらどうか」
 首相「野党はないことをあたかもあるように宣伝する。首相である私が言うのだから、ない事は絶対にない」

 つまり、憲法より法律が上、法律より時の総理が上だと言っているのだ。戦前でも軍隊の下剋上というのはあったが、こんな暴論はなかった。かつて、麻生副総理が「ナチスのやりかたを学んだらどうだ」といったらしいが、揶揄や冗談めいた発言かと思っていたが、どうやら本心だ。

 理想的と言われた民主的ワイマール憲法には手を付けず、全権委任法を作ったのはヒットラーだ。自民党内に「文化芸術懇話会」という若手応援団を組織、百田某など極右作家を呼んで言論封殺を呼びかけたり、基本的人権を目の敵にしたする動きは、まさにヒットラー・ユーゲントそのものである。

 大東亜戦争は、そのナチスドイツと同盟することで、まさかのことがまさかでなくなった例だ。70年前のことを忘れていいはずはない。そうならない手はあるのか。

 終戦記念日前後に内閣支持率が発表されるだろう。またいくつかの地方選もある。自民推薦候補を落選か、ぎりぎりの線に追い詰める。そういったことの重なりで、公明党や創価学会を動揺させ、自民党内の良心派に決起を促す。そして参院での審議が進まず、60日ルール適用ということになれば、廃案ということもあり得る。

 10年前の今頃、小泉首相は郵政民営化で突如解散という奇手を打った。しかし衆院で過半数を持つ現在の自民にその必然性はない。安倍延命には、公明党を引き留めるため、廃案が最も良策となる可能性もあるのだ。

 いずれにしても、老若男女各層に高まってきた反戦機運、野党の連携、アベ独裁体制のほころび露呈で、国民の力が示せる。これが戦前の日本と違う点だ。

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コメント

解散総選挙の可能性ですが、1年前の解散総選挙の方が、もっと必然性が無かった。
ところが、読売新聞が解散を示唆するとあれよあれよと言うまに解散して総選挙。
今回も同じ状態になる可能性が高いと思います。
たぶん、解散そのものには何の意味も無く、大騒ぎすること自体が目的なのでしょう。

今回の『首相の私が言うのだからか確実だ』との安倍晋三ですが、ご指摘のようにまさに
憲法<法律<首相の判断との、下克上、謀反や裏切り何でもありの太平記の時代に逆戻り。

今日の毎日朝刊に93歳の中曽根康弘が出ているのですが、
中曽根ですが、昔の日本の悪を認めて、今の平和日本こそ誇りにするべきだと主張する。
どのような理由であれ、日本人300万人が死んだ戦争を肯定するのは間違いだ、と言い切っている。
安倍のお友達は1930年代から侵略性が出てきたと誤魔化した。
ところが中曽根は、1915年の対中国の日本の要求書こそが侵略性の契機になったとの『反戦熟』と同じ見解だった。
何と、昔の東京裁判を否定する右翼改憲論者の代表的人物が、今では逆に自民党の最左翼だった。

投稿: 宗純 | 2015年8月10日 (月) 09時24分

私も、公認の重石が効き民主の復調がない今のうち「ハプニング解散」あるのではないか、と書こうと思ったのですが、ないとはいえませんね。

問題は、野党の沖縄型共闘が組めるかどうかですが、それがなければ改憲まっしぐらになってしまいます。

中曽根さんが私と同意見というのはびっくり。私のはオリジナルだと思っていたのですが。アベや慎太郎にはない保守の「知性」を感ずることがあります。

投稿: ましま | 2015年8月10日 (月) 11時51分

『中曽根さんが私と同意見というのはびっくり。私のはオリジナルだと思っていたのですが。』
ですが、
確かに中曽根康弘の8月10日毎日『歴史検証し未来を開け』以外で、今までに同じ主張は見たことが無い。
もしも中曽根が『反戦熟』を読んで対華二十一か条要求を侵略性の出発点にしたとしたら、これは愉快ですね。
本人が読んでいなくても秘書とか関係者が読んでいた可能性は十分あります。


アメリカの大統領選挙では民主党はクリントンがトップを独走しているが、共和党は候補が10人もでてドングリの背比べ。
草の根右翼的な共和党の中でもセクハラ、パワハラなんでもあり。言いたい放題の日本の橋下徹と発言内容がそっくりな大富豪のトランプ氏が、団子レースにあって断トツのトップと独走中らしい。
このトランプ氏ですが、
「米国には『政治的に正しい』愚か者が多い。ばかげたことに時間とエネルギーを費やすのはやめよう」
と言っている。
これ、『今までが間違っていた』(お前たちが間違っている)とのオルタナティブな政治ブログを標榜する『逝きし世の面影』ブログ記事の主張とそっくり同じ、『大名言』。
たまたまですが、ビンボウ人の代表の私と超大金持ちのトランプ氏の意見が同じだったのでビックリするやら笑うやら。

投稿: 宗純 | 2015年8月11日 (火) 09時03分

宗純さま

トランプ氏は、橋下現象でしょうね。橋下は大阪ローカルですがそれも通用しなくなってきた。だけど共和党代表となると大変です。

仮にアメリカ大統領になったら集団的自衛権で何を要求されるようになるか、空恐ろしいことになる。

日本のご婦人は要注意です。アメリカは5流国以下になりますよ。レディー・ファーストは伝説に――。

中曽根さん、このブログを見た……。そういうことにしておきましょう(大笑い)。

投稿: ましま | 2015年8月11日 (火) 09時54分

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