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2015年8月24日 (月)

「安倍嫌い」

 ”「安倍嫌い」を考える”。これは、『新潮45』 2015年9月号の目玉記事につけられたタイトルである。買って読む気はさらさらないが、集団的自衛権論争や安保法制化をめぐる論議などから受ける安倍首相への感情が、内閣支持率の上で無視できなくなっている、という観察ならわからないわけでもない。

 塾頭は、掛け値なしの「安倍嫌い」である。その理由は、満州事変に生を受け中2で敗戦。社会人となるまで戦中・戦後を必死に生き抜いてきた塾頭にとって「戦後レジームの脱却」などと得意顔で言われると、人格のすべてを否認されたような嫌悪を覚えるからだ。

 理屈ではなく感情だ。好きになれと言う方が無理。許せるはずがない。もっとも首相が信奉する右翼のブレーン・八木秀次麗沢大教授から、そのフレーズは封印したほうがいいと言われたようだが、70年談話の歯切れの悪さと同様、信頼感には程遠い。

 集団的自衛権行使が憲法違反という大方の専門家の意見を、無理な理屈で押し通そうとする。理屈に理屈を重ねるからどうしてもほころびが出てくる。その理屈に従わぬ者をを見下すような独断、大衆はそれに感情的な反感を覚えるのだ。

 世間は活きている。理屈は死んでいる

 この勝海舟の『氷川談話』にある言葉を、谷沢永一は安保改定のあった年に、『百言百話』中公新書の中で次のように解説している。

 政治は幾重にも錯綜した利害関係を、広く見渡して調節する高度の技術である。絶対に公平で万人のことごとくが、納得し得る解決が本来あり得ない以上、政治の採決は各方面から怨みを買うであろう。それら不満の矢を全身に浴びつつ、なお次の機会へと望みを繋がせる対応は、各方面から人格的な信頼感を集め得ずしては不可能であろう。理屈をもって社会を律したがる人物を、世間の誰れもが決して信用しないのである。

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コメント

風向きが変わったようです。
安倍応援団の週刊文春の最新号、
8月27日号には
『70年談話、総裁選…「焦り」と「弱気」の核心 安倍晋三首相
「吐血」証言の衝撃
「財界人との会食中、トイレから出てこない首相に主治医が駆けつけ…」
下痢どころの話ではない、
政界のジンクスでは現職の首相が『お国入り』するのは解散直前と言われていたのですが、
なんと安倍さんは1ヶ月間に3回も里帰りを繰り返していた。

投稿: 宗純 | 2015年8月25日 (火) 10時57分

言いたいことは封印される。言いたくないことは主語をなくして言わされる。せめてヤジで鬱憤を晴らそうとすると鴻池さんに叱られる。

最高に偉いソーリ大臣なのにい~……。

ストレスからくる神経性潰瘍があるようです。

投稿: ましま | 2015年8月25日 (火) 13時12分

うたれ弱い‘おぼっちゃま’なんでしょう

投稿: 玉井人ひろた | 2015年8月25日 (火) 18時53分

鍛えなおすには遅すぎるし――。
お休みにするのが一番です。ただし山口県はうるさいから行かないほうがいい。

投稿: ましま | 2015年8月25日 (火) 19時43分

”「安倍嫌い」を考える”『新潮45』を買って読みました。
この中で古谷経衡氏の文が面白い。
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「安倍以外なら誰でもよい」「安倍から憲法を守れ」「あべしね」
反安倍の言葉に宿るのは「敵愾心」と呼ぶにふさわしい動物的感情である。
「政権批判」「権力者風刺」のレベルではなく、目の前で肉親を殺された敵への憎悪に等しい。
憎悪の原因は内閣支持率の高さである。反安倍の人は「極右内閣にもかかわらず国民的支持を受けている」という事実に狼狽する。
彼らが本当に認めたくない事実とは、安倍個人ではなく、安倍政権を国民の多くが支持しているという構造である。
それを認めることは自らの敗北とイコールだからこそ「安倍政権は極右で国民は騙されている」というストーリーが耳ざわりがよい
大衆から民主的な支持を得ているという事実に、彼らは耐え難い嫉妬を感じる。
労働者や大衆に寄り添うことを常套としてきた戦後左派勢力は、もはや自分たちが大衆から離反しているのではないかと薄々感じているからこそ、嫉妬の入り混じった憎悪で安倍首相に対する敵愾心を鮮明にする。
だからこそ彼らの中では安倍首相は「大衆の本音」と乖離した独裁者でありヒトラーでなければならないのである。
嫉妬を根底にした攻撃には嗜虐性も含んでいる。罵倒する快感、まさに病理である… 。
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いや~、塾頭、図星ですね。
昨日の国会前集会の「安倍に言いたい。お前は人間じゃない! たたき斬ってやる!」(山口二郎法政大教授)というのもまさに同じ。
ところが「内閣支持率46%に回復」(日本経済新聞)と聞くと嫉妬と怒りでファビョってしまう。
日経調査では不支持率が一気に10ポイントも低下しましたからね、先週の読売・共同でも支持率底入れの兆しがありましたから9月に入れば各社軒並み反転するでしょう、強行採決してもね。
かくして塾頭は苛立つw。

投稿: ミスター珍 | 2015年8月31日 (月) 20時40分

ミスター珍 さま
大体こうなるという筋書きは読んでいました。
アベ・ヒトラー説は私も立てていますが私のアベ嫌いは左翼のそれと違うので焦っていません。

また、野党再編など別の動きが出てくるので10月から参院選までが勝負どころになります。アベ改憲反対というこれまでの流れは大筋で変化がなく、集団的自衛権はずっこけることになるでしょう。

投稿: ましま | 2015年8月31日 (月) 21時28分

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