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2015年7月23日 (木)

中国・台湾・戦争

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 今朝の毎日新聞を見て驚いた。第1面の記事が全部中国マターなのだ。
 「首相訪中中国が3条件」「中国ガス田新たに12施設」、下のウナギは明日24日の土用の丑の日を控え、中国からの輸入がピーク、左下の「訪日外国人」は上期で46%増の過去最高、内、中国人が2.1倍で他を圧している、などである。

 トップの記事は、日本の首相が「抗日戦争勝利記念日」の記念式典に参列するなら無条件、そうでなければ①日中間の4つの政治文書の順守②村山談話の精神の踏襲③首相が靖国神社のを参拝しない意向の伝達がなければ、首脳会談に応じないというものだ。

 本塾は前から上の3条件のようなことは、日本の内政問題で、他国が押し付けたり、ましてや脅迫めいた言辞を弄すべきことではないとしてきた。シリア出身?だったかのジャーナリストが、首相が国内の場所を訪れるのに外国のビザが必要なようなことは聞いたことがない、といったそうだがまさにそのとおり。大人げない。

 ガス田問題にしてもそうだ。タイミングを見計らって取り上げ、目くじらを立てるような問題ではない。福田首相の頃は双方敬意をもって交渉に当たっていたことだ。日本側が発表した12施設の写真のうち、調圧塔からわずかながら炎が見えたのは、塾頭の目で1か所しかなかった。

 そもそも、中国側が国営、日本は民営で、日本側は採算がとれるほどの埋蔵量がない、と腰が引けていた場所ではないか。こうなったのは、安倍、石原、野田など右派指導者の跳梁、中国の急速な大国化とか権力闘争が関係したのだろう。長い歴史の中でまれに見る異常な姿だ。

 中国マターの記事は2、3、5面にもある。台湾の李登輝元総統が22日国会内で講演した。安倍政権を支持する内容だったようだが、「総統」というと蒋介石総統を思い出す。李氏は国民党に属し、中華民国の呼称を引き継いだ。

 戦時中の日本人には、中華民国と戦ったが戦争に負けたという意識があまりない。まして、ポツダム宣言に名のない共産党軍は1軍閥として存在したものの、法的には現在の中国ではなく中華民国に降伏したことになっている。

 その中華民国が台湾になってしまったのだ。3面のコラムにはこんなことが書いてある。

 台湾の政治大学が続けている意識調査がある。2014年末の最新版では、自分は「台湾人である」と考えている人が60.6%。「中国人である」と思っている人が3.5%という比率だった。

 「中国人である」という意識がなければ、抗日戦争に勝ったという感情もあり得ない。(中略)「台湾人であり中国人でもある」という人は32.5%。この層の多くが抗日勝利記念行事に「複雑」という気持ちを抱いたはずだ。

 台湾の支配層には、外省組と内省組がある。外省組は国共内戦に敗れ台湾に逃れてきた中華民国のエリート達だ。内省組は日本統治時代から台湾に住みついている人が主で、かつては独立志向も強かった。

 日本が満州を独立させ、中国奥深くまで侵略し、人民に多大な被害をもたらした史実は何人も覆すことができない。犠牲者は台湾に逃れてきたエリート達でなく、本土に残る大衆である。

 世代が変わり、他国民が歴史に偏見を持っても、日本人自身のこととして決して失ったりすり替えたりしてはいけないのが、「歴史認識」である。これも言いかえれば国内問題なのだ。

 ひとつ付け加えておこう。

 中国が南沙諸島を埋め立てたり基地を作ったりしていることが問題になっているが、これらの島々は、戦時中日本が台湾省に帰属させたところだ。基地までは作らなかったが、ボルネオ、スマトラ島の石油資源を奪っても、この地域の海の支配権を確保しなければ、日本へのシーレーンが不安になるので確保しておきたかったのだ。

 中国が今同じようなことをしようとしている。これに平仄を合せる意味はあまりない。

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コメント

このタイミングでの中国特集ですが、
特に問題なのは22日に政府が写真を公開したガス田で、
これは誰でも今の安倍『平和法案』と連動していると見えてしまう。

12基は2013年6月以降に確認したとするが、
この日の菅官房長官の記者会見で
写真の公開は安保関連法案の必要性を訴えるためかと問われ
『もろもろ考えて判断した。』
と菅官房長官は、少しも否定していない。
本来なら、『もろもろ考えて判断した。』としても即座に事実を否定しないと女房役の官房長官として失格なのです。
しかも、この一連のガス田の話は、安倍晋三のお友達として有名な桜井よしこの産経新聞への寄稿記事が元ネタだったらしいのです

投稿: 宗純 | 2015年7月24日 (金) 11時17分

桜井よし子さんは、張作霖ソ連諜報機関謀殺説のガセネタで権威失墜し、まともに相手にされなくなった人ですが、右翼雑誌や安倍さんらが重用するためか長続きしてます。

ガス田ですが日本の資源開発会社は前から探査の結果、投資価値なしとしている場所です。中間線以西で、大陸棚のうちにあれば、完全に中国に開発権があります。

共同開発の交渉が続けば投資比率や利連配分その他広範な海洋開発協定で双方のメリットを追求できたはずです。

中国では、日本のオリンピック施設ではないが無駄な投資に誰か責任を取らされるのを、これで免れる人がいるかもしれません。

投稿: ましま | 2015年7月24日 (金) 13時25分

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昔は夜に遭っても「おはようございます」というのは僕のいた限られた業界の隠語であったが、いまや「お疲れ様」「フリップ」は当たり前、すこしななめにして映し易くする「やおや ... [続きを読む]

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