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2015年6月19日 (金)

集団的自衛権想定、あり得ない

 安倍首相が例示する集団的自衛権発動の想定、ばかばかしくて取り上げる気にもなれない。だけど「その通り」と思う人が公明党や維新あたりにいるとすれば、書いても無駄にならないだろう。

 まず、朝鮮半島あたりで戦争が起き、韓国にいる多数の邦人救出を救出することができなくて米艦船にこれを依頼する場合、自衛隊がこれを護衛できるようにするという。パネルまで用意しての説明だ。

 米艦?、まず断られるね。そうなったら邦人だけでなくアメリカ人をはじめ、台湾・中国その他膨大な避難民がでてくる。大体、軍艦はそんな人を載せるようにはできていないし、艦内は人がすれ違えないほど狭いのだ。

 軍艦が軍事行動を放棄して、そんなバカな任務に就くわけがない。仮に避難民を収容したとしても他国民、それも日本人に限ってなどということはありえない。艦内は軍事機密も多く一般人をのせる場所などない。

 攻撃してくるのは、北朝鮮、といいたいのだろう。北朝鮮なら当然ミサイル利用だ。金正恩ご自慢の地対艦、または艦対艦が使われる。護衛するならイージス艦と護衛艦ということになる。MDシステムで空中爆破または発射元攻撃が護衛になる。まさかインド洋の海賊退治と同じと思ってはいないだろうね。

 避難民の保護、送り出しは一義的に韓国の責任である。イージス艦はアメリカ産だし、韓国にもその用意がある。自衛隊が集団的自衛権をかざして韓国領海にまで出張れば、韓国は猛反発する。事と次第によれば、北朝鮮より日本に攻撃の矛先を向けることさえあるかも知れない。

 次にホルムズ海峡の機雷封鎖だ。

 この方がむしろ心配だ。ただし安倍首相のようなのんきな想定ではない。

 かりに機雷投下があるとすれば、ペルシャ湾だけでなく、紅海の出口にあたるイエメン沖にも機雷がまかれる。イスラムシーア派のイランとスンニ派のサウジアラビアの大戦争だ。

 これはスエズ運河封鎖と同じで、日本の存続云々どころか、明治の初めに戻ってしまい、イスラム社会と世界中の大混乱につながる。

 もう、日米同盟などと言っておれない。どっちの肩も持てない事態だ。ホルムズ海峡の封鎖とはそれほど大層なことに繋がるはずで、とうていあり得ない想定なのだ。だれが考えたのだろう。多分安倍首相ご本人ではないか?。

 「後方支援は戦闘区域にならない安全な所で行い、その位置は日本政府が指定する」という政府の弁明に、「戦闘区域は、ワシントンの国防総省がウサマビンラディンに襲われたように、相手が決めること」と前に言ったので、あえてまた繰り返さない。

 一番安全で国民の生命を守れるのは、現行憲法の9条の存在を世界に掲げ、他国の思惑にに左右されないという決意を持つことにつきる。

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コメント

安倍総理が示す艦船とは、こういう難民救出のばあいに使用される艦船はアメリカ軍でも自衛隊でも輸送艦になっていますね。

アメリカなら攻撃型輸送艦のワトソン級、戦車だけでも1000両を一度に輸送できますので、たぶん人なら最低でも3000人は搭乗可能でしょう。

日本の海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は救助の場合は乗務員(約150人)を除いて1000人を輸送できることが明記されています。

それらがフル回転でも、いざとなれば大勢が緊迫状態で乗り込むのは大変でしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2015年6月19日 (金) 18時19分

人間が古いので「輸送艦」という存在に気が付きませんでした。昔の武装輸送船ですね。

しかし本来の目的は、兵員・車両運搬用でしょう。戦争になれば病院船でも攻撃を受けるから結局は同じですね。

難民輸送用軍艦というのはあるんでしょうか?。

投稿: ましま | 2015年6月19日 (金) 19時49分

6月19日、衆議院の安保法制の特別委員会で 
政府の憲法解釈を担当する内閣法制局長官である横畠裕介が、今回の安全保障関連法案にかんして、
国際法上の集団的自衛権と、安倍内閣が主張する『限定的』な集団的自衛権の違いを『フグ』に例えて説明している。
なんと、
『毒があるから全部食べたらそれはあたる(死ぬ)が、
肝を外せば食べられる。』
と真面目な顔で答弁した。
フグですが、素人が勝手に手料理で食べれば命が幾ら有っても足りません。
これはもう。駄目ですね。

投稿: 宗純 | 2015年6月20日 (土) 09時54分

宗純 さま

思わず声をあげて笑っちゃいました。
そばに誰かいれば気味悪がるでしょう。

ちょうどトップの「安倍路線のあせり」を書いてアップしたところで拝見したもので……。

投稿: ましま | 2015年6月20日 (土) 10時47分

宗純さんのコメントの政府答弁、失笑しかないですね。

軍艦には定義があるようですが、それにかかわらずアメリカの攻撃型輸送艦ワトソン級は、難民輸送用軍艦にあたるようです。

海上自衛隊の輸送艦おおすみは武装は無いですが、広義ではやはり軍艦となるようですよ。

中国から「空母だ」と非難されている海上自衛隊が持つ「護衛艦いずも」は、いざとなれば難民輸送軍艦に早変わりできます。

投稿: 玉井人ひろた | 2015年6月20日 (土) 18時26分

軍艦というからには軍事行動を行うわけですよね。武装してなければ民間船か海上保安庁の船の方が穏やかで衝突をさけやすい。

軍は必要に応じて戦闘機が護衛艦で警護すればいい。集団的自衛権なんていうからどうしても軍事に結び付いてしまう。

アメリカが独自に強硬手段をとって民間人救出
ということはあるでしょう。つまり戦争の一環です。

理論上、集団的自衛権は行使できません。


投稿: ましま | 2015年6月20日 (土) 19時13分

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