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2015年6月 9日 (火)

安保法制の廃案は可能になった

 塾頭は、国会上程中の集団的自衛権法制化各法案は、野党が政府のペースにはまって枝葉末節の法文いじりに終始し、結局多数の論理で通してしまうことになると想定していた。それが、4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦を含む憲法学者3人全員が法案を「憲法違反」と発言したことにより、様相に大きな変化が生じてきた。

 政府・与党は、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案の今国会会期末(24日)までの衆院通過を断念する方針を固めたようだ。中谷防衛大臣は、言うことがすでにメロメロ、首相留守中の官房長官や幹事長など、公明党も含めて「しっかりやったつもり」というだけで答えになっていない。

 野党は、残った国会審議を憲法問題に集中させるべきだ。つまり、ホルムズ海峡がどうまこうのという架空で些末の論議から、日本のこれからのあるべき姿、国際社会で日本がとるべき安全保障の最善の道は、といった大局の議論に移すべきだ。

 自民党は、新法案が合憲であるという説明をし、憲法の法文やこれまで国家や国民がどうこれに対応し解釈してきたかを明白にしなければならなくなる。それは、現憲法が正しいということを強調する過程につながり、安倍首相の改憲志向の野望とは相反する。

 首相は、ミュンヘンでの記者会見で、最高裁の砂川判決を持ち出し、固有の自衛権の存在を主張したが、在日米軍の存在に対して争われた裁判で、地理的概念を除いた今回の集団的自衛権や、自衛隊の行動について触れたものではない。

 これで、野党はかえって攻めやすくなった。政府与党内部でもこんな粗雑な論理は通るまい。自衛隊の皆さんは、現憲法を信じて応募し、また守る義務を背負って任務を全うされている。これだけ疑問の広がった憲法のもと、今後どう行動するのか、さぞかし迷っておられることと思う。

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コメント

憲法学者3人全員が法案を「憲法違反」と発言したことは重いですよね。

ただ、素人でも違憲であることは解りますけどね

投稿: 玉井人ひろた | 2015年6月 9日 (火) 19時01分

NHKでもフジテレビでもどこでもいいけど「私は合憲だと思います」と名乗り出る憲法学者がいないのが、かえって不気味ですね。

その方が民主主義国のあかしになるのに。

投稿: ましま | 2015年6月 9日 (火) 19時59分

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はっきりいって、「心の底から」憲法違反の安保法制を納得しているいる者は安倍晋三本人以外ではほとんどいないと思う。 たとえ 守旧派?保守や札付きの右翼の人でも「憲法改 ... [続きを読む]

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