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2015年6月17日 (水)

いつから大人?

 今日、有権者年齢を20歳以上から18歳以上に改正する公職選挙法改正案が成立する。選挙には全く関係ないが、「いつから大人?」を考えさせる挿話を、ひとつ紹介しておこう。

 正徳二年(1712)、陸奥二本松藩士丹羽又八の十四歳の息子六之介が、岡田長兵衛の屋敷前で切腹して死んだ。

 自殺の原因は実にとるにたらないものだった。六之介は、長兵衛の息子で一歳年下の翁介とそれこそ遊び半分に蝉の抜けがらのとりあいをしていたが、翁介が奪い取って自分の家に逃げこんだので、やらじと追いかけた。ところが翁介の従者が屋敷の門をしめてしまい、六之介は門の前にたたずんでいるしかなかった。

 原因といえばこれだけである。蝉の抜けがらをとられたうえ従者に行手を阻まれた六之介は、「大いに憤り、扉に打掛り、自腹を切て死してけり」――どうしようもない憤りを自らの命にぶつけて、わずか十数年の人生にピリオドを打ってしまったのである。(松藩廃家録、氏家幹人『江戸藩邸物語』所載)

 本人には、すでに武士という意識がある。恥をかかされてこのまま黙過すれば、分が立たない、という一心であろう。世間はどう見たか。岡田長兵衛は、この事件がもとで知行を没収された。見事、六之介は幼い命に換えて仇を討ったのである。

 「選挙権が与えられも多分行かないだろう。1人ぐらいの投票では何も変わらない」とでは、相当な落差がある。

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コメント

私の住むところは「旧二本松藩」ですので、興味深い話です。

自害したのは「丹羽」の名字から、藩主丹羽氏の分家筋か直系でしょうから相手の処分の方が大きかったので当然だったのではないかと想像がつきます。

戊辰戦争で戦った二本松少年隊はの最年少は12歳(今なら10~11歳)ですし、今の平均寿命から行けば14歳なら20歳以上ですから、現代の考えかたとは少し合わないように私は思いますが、いかがでしょうか?

投稿: 玉井人ひろた | 2015年6月17日 (水) 19時10分

玉井人ひろたさまの地元……、多分そうではないかなと思ってました。

当時は人生50年、現在は80年、その比率で考えれば立派な大人ということになります。逆に考えると今の20歳は蝉の抜けがらとりあいっこの世代かもしれませんね。

投稿: ましま | 2015年6月17日 (水) 20時30分

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選挙前のことで少し話題にもならなくなりましたが「成人年齢を18歳に引き下げることを検討中・・・」などと言うことを言っていましたよね。これを聞いて「選挙権が18歳からになるのか・・」とか「18歳を成人年齢にするのはいかがなものか・・」なんて思った方もいたはずです... [続きを読む]

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