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2015年3月 6日 (金)

虫愛ずる姫君

 今日は「啓蟄」。けいちつ=24節季のひとつで、虫が土中から出てきて活動しはじめる日とされています。新聞には「実際にはもっと遅い」と書いてあり、テレビの天気予報でも「今日は寒い」ということで、穴から出かかった蛙が頭をひっこめてしまったイラストが描いてありました。

 しかし、塾頭の茅屋では昨日、コメ粒の半分ほどのクモの赤ちゃんを発見。そこで思い出したのが「虫愛ずる姫君」です。『堤中納言物語』、『源氏物語』ほど有名ではありませんが、古文習い始めの頃、こっちの方が印象的でした。前後は忘れてしまったので、改めておさらいしなおしておきます。

 彼女は言います、「人々の、花、蝶やとめづるこそ、はかなくあやしけれ。人は、、まことあり、本地(ほんぢ)たづねたるこそ、心ばへをかしけれ(=人々が、花や蝶をもてはやすのこそ、全くあさはかでばかばかしいことね。人には真実を知りたがるこころがある。物事の本質を追求するのこそ、すばらしい心遣いなのよ)」。

 その前段には、男の子が木から毛虫を払い落とすのを「白地の扇に黒々と漢字の手習いをしたのを差し出して」受けたことが書いてあるので、この姫君、すくなくとも幼児ではなさそうだ、と解説者が想像してます。(山口仲美『日本語の古典』岩波新書より)

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