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2015年3月16日 (月)

続・巨人、大鵬、ウクライナ

 前回、「とりとめのない話を――」と書いたが、ウクライナ問題は、対立する双方の陣営からの情報だけではわからないことが多すぎる。例えば、マレーシア航空777機が撃墜された事件なども、物的証拠はたくさんあるのに、いまだに真相が見えてこない。

 鳩山元首相のクリミア視察がたとえロシア側を代弁するようなものであっても、現地で見聞きしてきたことの重要性は、マスコミの伝聞情報を上回る。日本からは、ロシア側でなく欧米側でもないという立場でこの紛争解決に貢献できるのだ。鳩山氏はそれを目指そうとしているに違いない。

 日本にいて分かりづらいことが2つある。ひとつは遠く離れたアメリカが、なぜロシアの経済制裁やウクライナライナ政府軍への武器供与に熱心なのかということと、あとのひとつはウクライナ国内で政府軍とロシアの援助を受けていると言われる親ロ派組織の対立が激しいのかということである。

  ウクライナにはウクライナ人が住み、ウクライナ語が使われる。前にも書いたように、ロシア帝国・ソ連、そしてソ連崩壊後の現ロシアと続く現代の大部分は独立国でなくロシア領であった。そのためロシア人の人口は17%ぐらいだが、ロシア語の方が幅を利かせていたらしい。

 ウクライナ人自身は、西欧の一員という、ロシアとは違う民族意識を持っていた。そのウクライナ人がロシア極東部の住民の半数を占め、大鵬の父のように日本へやって来た人もいるということを前回書いた。なぜそうなったのだろう。

 ウクライナ人の極東移住は、過去3回の波があった。最初が1860年、ロシアが清国からウスリー川の東側を清国に割譲させ、不凍港ウラジオストックの建設を始めるためウクライナの農民約6万人を送り込んだ。

 次は、ロシア革命の時である。その際、独立を指向して赤色共産革命に対抗、王党派を組織した人たちを、白系ロシア人と称した。それらの多くが追放され、シベリア送りになったものだ。この時、日本の関東軍は独立運動を支援するため秘密工作を行っている。

 そして3回目が第2次大戦時のドイツ侵攻だ。この時はなんとウクライナ人はヒトラーと組んでしまった。前掲のクリミア半島占領もこの時である。怒り狂ったスターリンは、またしてもウクライナ人のシベリア送りを断行した。

 もうひとつ視界に入れておくべきことは、この地にユダヤ人が多く住んでいたことである。彼らの優秀な頭脳はこの地の工業化に寄与し、宇宙開発やチェルノブイリ原発建設にも携わった。ソ連崩壊後100万人を超すユダヤ人がイスラエルに帰ったとされ、米国のユダヤ人100万人に匹敵する。

 以上、寺島実郎の前掲書を参考にしたが、続けてアメリカのウクライナへの思い入れを、「オバマ大統領のウクライナ政策にも出身地のシカゴを中心にした中西部や東海岸のユダヤ勢力が見え隠れする」と指摘している。

 単純には言えないが、イスラエル・ネタニヤフ首相を米議会に呼んで演説させるなど、共和党からの攻勢にも軍事的圧力優先指向がオバマ政策に反映していると見ていいだろう。また、ドイツのメルケル首相のウクライナ問題解決への努力など、ユダヤ問題が陰に陽に国際問題にかかわりを持っているという憶測は、どうしても捨てきれないのである。

 

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