« テンション民族 | トップページ | 戦後生まれの大誤解 »

2015年3月 8日 (日)

国連と日本

 前回の記事を追って「続・テンション民族」としようと思ったが、「自虐史観」になりかねないのでやめた。やはり、日本の国際感覚のズレの問題である。

 今は、留学・ホームステー・経験交流その他、観光を含め外国に行ったことのない若者は珍しいくらいだ。昭和30年代、塾頭の友人がフルブライト基金でアメリカ留学した際、羽田空港には大学教授をはじめ、親兄弟、親戚縁者、友人・同僚など100人近くも見送りに馳せ参じ、まさに水杯を交わさんばかりの騒ぎだった。

 それに比べれば、今はもっと国際感覚が高まっていてよさそうだが、政治・官僚組織などには村の論理がはびこり、外交・安保問題などでは、内弁慶・引きこもりだけが目立つ、むしろ逆な現象さえ見えてくるのだ。

 外交の中で重視されなくてはならないのが国連である。しかし、いつも聞かされるのは「常任理事国入りをめざす」という、決まり文句のお経ばかりで、何にかすぐにでも実現しそうな宣伝もされている。

 その候補にドイツも入っているが、国連憲章上は日本と共に敵国条項該当国で、その解除さえ実現できていない。ドイツは、メルケル首相がウクライナ停戦で不眠不休の外交努力を重ね、EU維持のためギリシアの財政危機緩和に貢献し、ネオナチなど国内の右傾化には厳しく対処する。

 一方の日本は、戦前回帰に意欲的で敗戦を認めようとせず、北東アジアで中国・韓国などと一触即発のような状況を解決できない安倍首相である。最近では、アメリカの知日派といわれる人からも警戒され出している。ロシアとの接近も遠のいたままだ。

 そんな日本が常任理事国入りを求めても、中国が常任理事国でいる限り、絶対に拒否権を行使する。せっかく5大国として日本に差をつけているのに、国連で対等扱いになることなど決して許しはしない。

 韓国出身の潘基文(パン・ギムン)事務総長も、「そういわずにどうぞ」とは言わないだろう。その他の候補国も結局アメリカ票をふやすだけになったり、中東をまとめられないエジプト、パキスタンとの抗争を解決できないインドなど、平和の旗印となるには問題山積の国々だ。

 本塾が今年から変更した副題「戦争したい国より戦争しない国と組もう」で、戦争をしない国として頭にえがいているのは、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランドなど。国連で非人道兵器廃止、核軍縮などで次々と100カ国以上の賛成で国際条約をつくり、現常任理事国に無形の圧迫を加えている、いわゆるアジェンダー諸国だ。

 門外漢・塾頭のたわごとだろうか?。次の引用文を見ていただきたい。

 国連改革をしようとする国々はたくさんあるが、日本は自らその平和理念を打ち出すリーダーになるくらいの気構えでいなければ、世界から尊敬などされはしない。日本の政治家の国連に対する認識で、致命的に欠落しているのがこのポイントなのである。

 これは、22年前の1993年に、国連事務総長室法務担当官・川村亨夫氏が自著『[国連発]ニッポン改造論』に書いたことで、日本が国連に広い視野からアプローチする用意ができていないことを訴えたものだ。 そして、巻末の「あとがき」に書かかれていることは、この22年間、立ち止まったままというより、明らかに日本は後退しているという実態を見ることになる。

 国連から、各国の外交を見ていてつくづく思うのであるが、外交上手と言われる国は、自国と対敵する国を無くす努力をしている。一見、争っている国でも、裏ではきちんと外交ルートと人脈があり、いざとなれば、両国政府の首脳同士が出すサインとシグナルが相手に伝わるようになっている。

|

« テンション民族 | トップページ | 戦後生まれの大誤解 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/59194384

この記事へのトラックバック一覧です: 国連と日本:

« テンション民族 | トップページ | 戦後生まれの大誤解 »