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2015年2月26日 (木)

終末高高度防衛ミサイル

 韓国と中国の間がぎくしゃくしているようだ。昨年以来アメリカが開発した終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備計画に、中国が神経をとがらしている。今月になって訪韓した中国の国防相が詰め寄った。米国が韓国に配備しようとしているミサイル迎撃システムは中国を狙った兵器であり、配備を認めるなら中韓関係は大きく損なわれる――。

 朴槿恵大統領は、中韓の緊密な関係を内政外交の切り札として使ってきただけに、その事実関係をはぐらかしているようだ。中国による内政干渉の批判も出てくる中、苦悩に満ちた決断を迫られることになる。

 聞きなれないミサイルだが、敵の弾道ミサイルを、飛行の最終段階に差し掛かり大気圏に再突入するタイミングで撃ち落とすために開発された。射程の短いパトリオット(PAC3)よりも高高度で迎撃することができる。韓国に配備されると、北京周辺も高性能レーダーの探知圏内に入る。

 攻撃用でなく専守防衛用迎撃ミサイルである。北朝鮮や中国が数百発も配備しているといわれる中距離弾道弾を、効果的に防ぐにはこれしかない。憲法に制約をうけながら国土を守っていくわが国の究極の自衛措置なら、あてにならない「抑止力」よりこっちの方に金をかけた方が利口だ。

  ロシアもアメリカに対し、似たような抗議をしている。しかしこれは、戦略核兵器削減条約で、お互いの攻撃用兵器の本数を目標を立てて削減しようとしている中で、一方が迎撃システムを配備すればバランスを欠き、制限本数の意味がなくなるではないかということである。一応それなりの理屈はある。

 ところが、中国のはせっかく作ったものを撃ち落とされたら損するではないか、という程度だ。抗議をするくらいならそんなものを作ったり配備したりしなければいい。守る方も何も高いカネ使ってMDシステムなど用意する必要がない。

 中国にとっては、アメリカが韓国内に核兵器を隠し持っているだろうということだろう。中国はかねがね核の先制攻撃はしない、と称している。そうすれば、韓国からアメリカが先制攻撃をするとでもいうのだろうか。核戦争をするなら、何も韓国を介在させることはない。

 ヨーロッパではすでに戦術核の撤去が進んでおり、アメリカはアジアを含め軍艦載の核ミサイルを一方的に撤去している。アメリカが韓国から核攻撃をはじめても、アメリカに危険が及ぶだけで、何も利する所がない。

 日本では同システムの電波関連施設を先行設備するようだが、中国が居丈高でいる限り、また北朝鮮のことも考え必要なシステムなのかなあ、と反戦塾頭でもそう考えてしまう。

 行きつくさきは、高高高度、つまり宇宙戦争と人留守の破滅だ。「お互いに無駄なこと止めましょうよ」と言えるのは、平和憲法を持つ日本ならではのことではないか。

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