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2014年12月29日 (月)

核武装という「マナ」

 「マナ」ということばを知ったのは、ICゲーム草創期の頃である。マナを獲得したキャラクターはとたんに強くなり、破壊力を獲得する。そのマナは個数で数えることもできる。

 1945年、アメリカは第2次大戦終結寸前に、原子爆弾というマナ2個を獲得し、広島と長崎でそれを使った。広島がウラン・マナ約15キロトン(NTT火薬150000t分)で、このため14万人、長崎のはプルトニュウム・マナ。約20キロトン。7万4000人が年内に死んだ。

 1954、アメリカはビキニ環礁で水爆実験。12メガトン(けたが違う)相当で、日本の漁船・第五福竜丸が被曝した。これまでに連・英国が核実験に成功、また、60年にフランス、64年に中国も実験に成功しマナを手にした。キューバ危機はこの間、62年に発生している。

 1963年、実験による被害増大やマナ保有国の増加に危機感を強めた結果、部分的核実験禁止条約(CTBT)が国連で採択されたが、「地下ならいいよ」という抜けがある。そこにできたのが今でもかろうじて国際間で駆け引きの材料に使われる核拡散防止条約(NPT)である。

1968年、核拡散防止条約(NPT)の署名が開始され、その2年後の70年に所定批准数に達し発効した。200年5月現在の. NPT締結国は190か国である。この中で米・ロ・英・仏.と、ぎりぎり間に合った中国が核保有国に認定され、それ以外は、非核保有国とされた。

 しかし、その後核実験などで事実上核保有国となっているインド、パキスタン、イスラエルは加盟しておらず、北朝鮮は脱退を宣言して空席状態になっている。イランもアメリカと核兵器開発で紛争を重ねてきたが、NPTの不平等性がしこりになっている。

 それは、核保有国と非保有国に課せられた義務のうち、核保有国は「核兵器国が核軍縮交渉を誠実に行う」という努力目標であるのに対し、「非核兵器国は、核兵器開発をIAEA=国際原子力機関による査察体制(「保障措置」という)の下に置かなくてはならない」という強制措置が課せられていることである。

 これは、原発等平和利用についても同然であり、軍事・非軍事を問わず国内で疑念を生じた場所はどこにでも立ち入れるという特権を国連の機関(IAEA)に与えたことになる。IAEAの本部はウイーンにあり、現事務局長は日本人の天野之弥氏である。

 マナ獲得阻止のため5か国以外は査察に応じる義務があるのに、保有国のマナ所有制限や行使は誠意にゆだねられているというマナ格差は、北朝鮮などに口実を与え、今や核廃絶の支障になっているといってもいい。

 核兵器の所有数は、ピーク時から半減して2000には3万発と称されている。これも戦略兵器削減条約(SALT)など米ロの努力目標?によるもので、数え方によってはもっと少ないくなるなど不正確なものである。また、減ったからいいというものではない。それでも地球上の人類を何度も絶できる数なのである。マナを使えば加点どころでなく大減点確実だ。

 199112月にソ連が崩壊し、使ってみようもないマナをいくら抱え込んで置いてもじゃまになるだけという機運がひろがり、数は減った。ただアメリカの態度はひと味違っ。これまでの圧倒的優位をマナとは気づかれないようにほかのパワーに転化しようということだ。

 このあとは続編に譲りたい。
次は↓
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-b59a.html

参考年表・用語解説等↓
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-88c2.html

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