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2014年12月

2014年12月30日 (火)

マンガと戦争

 毎日新聞に同じ題の社説が載った(12/30)。そこでは、戦争の体験談を聞いたことがないという人が20代で60%、30代で57%にのぼることを指摘、来年の戦後70年にあたり、戦争の悲劇を未来へ伝えるのは、社会全体の課題だとしている。

 当塾のアクセス解析によると、今月に入ってからの来訪者は20台11%、30台46%となり過半数以上で「好ましい限り」と言いたいが数字は信頼性に乏しく、塾頭の感覚からすると高齢者中心のように感じてしまう。

 そういった中で、社説は若い世代のマンガ家たちが想像力を駆使して、戦争を表現しているのが目をひいており、「若い世代のなじみやすい表現だが、人の心を深く描いていて、戦争を胸の奥で実感できる」と評している。

 当塾の検索ナンバーワンは、小中学生向けの戦争に関連する書籍探しだ。ここに取り上げられた下記のマンガを、ぜひそのコンテンツに加えたい。

■毎日新聞社説(14/12/30)で
推薦されたマンガによる戦争の本
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こうの史代(46歳)『夕凪の街桜の国』広島の原爆
こうの史代『この世界の片隅に』戦時中の呉市
今日マチ子(34歳)『COCOONコクーン』沖縄戦
今日マチ子『アノネ、』 アンネの日記から多彩の着想   
今日マチ子『いちご戦争』少女が見た戦争の夢
おざわゆき(50歳)、題名不明、父母の戦争体験

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2014年12月29日 (月)

核武装という「マナ」

 「マナ」ということばを知ったのは、ICゲーム草創期の頃である。マナを獲得したキャラクターはとたんに強くなり、破壊力を獲得する。そのマナは個数で数えることもできる。

 1945年、アメリカは第2次大戦終結寸前に、原子爆弾というマナ2個を獲得し、広島と長崎でそれを使った。広島がウラン・マナ約15キロトン(NTT火薬150000t分)で、このため14万人、長崎のはプルトニュウム・マナ。約20キロトン。7万4000人が年内に死んだ。

 1954、アメリカはビキニ環礁で水爆実験。12メガトン(けたが違う)相当で、日本の漁船・第五福竜丸が被曝した。これまでに連・英国が核実験に成功、また、60年にフランス、64年に中国も実験に成功しマナを手にした。キューバ危機はこの間、62年に発生している。

 1963年、実験による被害増大やマナ保有国の増加に危機感を強めた結果、部分的核実験禁止条約(CTBT)が国連で採択されたが、「地下ならいいよ」という抜けがある。そこにできたのが今でもかろうじて国際間で駆け引きの材料に使われる核拡散防止条約(NPT)である。

1968年、核拡散防止条約(NPT)の署名が開始され、その2年後の70年に所定批准数に達し発効した。200年5月現在の. NPT締結国は190か国である。この中で米・ロ・英・仏.と、ぎりぎり間に合った中国が核保有国に認定され、それ以外は、非核保有国とされた。

 しかし、その後核実験などで事実上核保有国となっているインド、パキスタン、イスラエルは加盟しておらず、北朝鮮は脱退を宣言して空席状態になっている。イランもアメリカと核兵器開発で紛争を重ねてきたが、NPTの不平等性がしこりになっている。

 それは、核保有国と非保有国に課せられた義務のうち、核保有国は「核兵器国が核軍縮交渉を誠実に行う」という努力目標であるのに対し、「非核兵器国は、核兵器開発をIAEA=国際原子力機関による査察体制(「保障措置」という)の下に置かなくてはならない」という強制措置が課せられていることである。

 これは、原発等平和利用についても同然であり、軍事・非軍事を問わず国内で疑念を生じた場所はどこにでも立ち入れるという特権を国連の機関(IAEA)に与えたことになる。IAEAの本部はウイーンにあり、現事務局長は日本人の天野之弥氏である。

 マナ獲得阻止のため5か国以外は査察に応じる義務があるのに、保有国のマナ所有制限や行使は誠意にゆだねられているというマナ格差は、北朝鮮などに口実を与え、今や核廃絶の支障になっているといってもいい。

 核兵器の所有数は、ピーク時から半減して2000には3万発と称されている。これも戦略兵器削減条約(SALT)など米ロの努力目標?によるもので、数え方によってはもっと少ないくなるなど不正確なものである。また、減ったからいいというものではない。それでも地球上の人類を何度も絶できる数なのである。マナを使えば加点どころでなく大減点確実だ。

 199112月にソ連が崩壊し、使ってみようもないマナをいくら抱え込んで置いてもじゃまになるだけという機運がひろがり、数は減った。ただアメリカの態度はひと味違っ。これまでの圧倒的優位をマナとは気づかれないようにほかのパワーに転化しようということだ。

 このあとは続編に譲りたい。
次は↓
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-b59a.html

参考年表・用語解説等↓
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-88c2.html

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2014年12月27日 (土)

官邸の陰湿さ

 翁長雄志沖縄県知事が就任あいさつのため上京し、首相や官房長官に面会を求めていたが応じてもらえず、ホテル滞在を続けていた。しかし「年内は会わない」という門前払い同様な仕打ちを受け、26日夜に帰任した。

 仲井間知事の頃は、ホットラインが通じており、今年度予算は要求額を上回る配布があった(琉球新報)のに対し、菅官房長官はもう、県の来年度概算要求削減を匂わしている。

 これが、圧倒的な民意を背負った沖縄県新知事への対応姿勢だ。安倍首相の「沖縄には丁寧に説明していく」が選挙向けのリップサービスで、「意地悪してしめあげよう」という陰湿さが見え見えだ。

 これが「地方重視」や「美しい日本」の本性かと思うと、がっかりする。

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2014年12月25日 (木)

岡田克也という人

 民主党の党首・海江田氏が衆院選で落選というハプニング(予想はあったのだが)で、代表を辞任した。同党は新規まき直しで、党員・党友を含めた本格的な代表選をやることになった。岡田克也氏が25日午後、会見の上出馬を表明し、若手に人気のある細野豪志氏との対決になりそうだ。

 これまで枝野幸男、前原誠司、蓮舫各氏らの名が上がっていた。枝野氏は岡田氏が出馬すれば支持する考えを表明しており、前原氏は、細野氏と会談のうえ今日になって「今回は私が出るタイミングではない」という意向を固めたようだ(時事・毎日)。

 枝野氏は、現幹事長の立場もあり、間をおくという考えは理解できる。しかし、前原氏の「自己チュウ」的な発想を記者の前で言ってしまったのは、維新や保守系を結集するタイミングが来たら時の氏神になろうということで、民主党再建には興味ないととられても仕方ない。

 同党がこうなってしまったことに対する根本的な「総括」が必要なのに、これまでになされてこなかった。党内のまとまりの悪さを象徴するように今回の選挙の公約がさえず、中味のない「安倍のミクス」にしてやられたのだ。

 
 今度の代表選には、この総括から始める必要がある。間違ってもらっては困るが、選挙戦術の総括できなく、政党戦略・理念の総括である。その総括に一番純粋性を持たせることのできるのは、これまでに名が上がったメンバーの中で、党内きってのかたぶつといわれる岡田氏が一番ではないかと思う。

 岡田氏は、党代表の経験もありこれまで党の中枢にいたわけだから、同党凋落に責任がないとは言えない。氏はかつて、国連の集団的安全保障(集団的自衛権ではない)に自衛隊が協力できるよう、憲法9条を変更するという意見を持っていた。

 これは、小沢一郎氏の「国連軍ができたらそれに参加」というのと同じで、塾頭の意見とは違う現実離れした時代遅れの意見になっている。これでは安倍改憲思潮に対抗できない。自民党改憲案と違い、ましては解釈改憲とは違うのだが、代案がなく自民党と同類に見なされてしまう。

 そんなことも、反省点としてはっきり総括してほしい。ここ2~3年を見ても、世界情勢や環境は大きく変わっている。原発問題もそうだが、かつての政策立案に固執することはない。きちんとした反省をするのも政治家の務めなのである。

 それを除けば、岡田氏がかつて唱えていた東アジア非核地帯の発想、中国・韓国に対する対話路線や外国人参政権の問題、外相時代の外交密約透明化路線など、塾頭が評価できる発想に近いものが多い。

 民主党には愛想がつき果てた塾頭だが、代表候補者の総括次第で、もう一度期待の持てる政党になるかどうかを注目することにしたい。

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2014年12月23日 (火)

集団的自衛権の効用

 新聞の投書欄に、集団的自衛権行使を容認すべきだ、という意見がでていた。82歳・無職の方だ。戦後ずーと日米安保のおかげで平和が続いてきた。「一国だけで平和と安全を守ることは不可能である。(略)と思うゆえに友好国と同盟を結んでお互いに助け合えという今までより一歩進んだ考え」のもと、集団的自衛権行使容認に賛成、というものだ。

 選挙で自民党に投票した人が安倍首相の説明を受けて納得した多数の「素朴な考え」なのだろう。こういった人は過去から何も学ばず、日本だけが平和なら他国はどうでもいい、という「一国主義」のようにも思える。

 国連憲章で生まれた用語・「集団的自衛権」を実際に行使したのは、米ソ二大国が小国に干渉する目的で軍事行動を起こした例がほとんどである。ベトナム戦争でこれを見てみよう。

 フランスの植民地から独立を勝ち取った後、北には、共産主義のホーチミン政権、南にはアメリカの傀儡といわれるゴジンジェム政権があった。双方の勢力争い激化を受け、南との集団的自衛権を根拠にアメリカが出兵した。

 韓国も、アメリカからの援助に期待して集団的自衛権を理由にアメリカに次ぐ大軍を派遣し、5000人もの戦死者を出す。そして、ベトナム人が大量に虐殺され、枯葉作戦など化学兵器が使われたことも、よく知られている。

 それなのに、集団的自衛権を標榜した国は勝てなかった。いや、負けたのだ。日本も、その時すでに日米安保条約があった。しかし、憲法上集団的自衛権の行使はできない、という政府の一貫した姿勢があったので戦争に参加せず、一兵も失わず、ひとりも殺さなかった。

 平和は守られず、世界の他の例もなかなか結果オーライにはなっていない。

 決して、「経験主義者になれ」とは言わない。

 戦争や外交の歴史、国連憲章、日本国憲法、日米安保条約、そういったものを政治家も国民もよくよく研究し、知ったうえで結論を出さなければならない。そういった時期が差しかかっている。

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2014年12月21日 (日)

サイバー攻撃ではないが

 米連邦捜査局(FBI)が19日、ソニーの米映画子会社、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)へのサイバー攻撃を北朝鮮の犯行と断定した捜査結果を発表した――というニュース。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺計画を描いた映画というから穏やかではない。

 攻める方も、劇場を爆破するとか9.11を忘れるなという脅迫で追い打ちをかけ、これはもう戦争だ。オバマ大統領も、そこまで言われれて黙っていられない。北朝鮮に「相応の対応をとる」と警告し、報復措置に踏み切る意向を表明した。

 北朝鮮当局は政府関与を否定し「なんなら共同調査をしようではないか」と言っている。反戦塾だからこんな戦争でも反対だ。当塾がそんな目に合うはずがないと安心はしていた。しかし、ここしばらく、ズーッと嫌な思いをしていたのだ。

 パソコンの電源を入れると数分後に画面の右下からヌーッと変な警告が出てくる。なにかデバイスソフトを更新しろ、というのである。最初に無料とも書いてあり、常駐ソフトのアップデートかと思って次へ進んだら、「欠陥が何か所あるから修復ソフトを買え」ときた。

 Win何々とかマイクロソフト何々と書いてあるが、どこか変だと思ったのでそのままにしておいた。そしたら、「間もなくこのコンピュータは壊れます」みたいなメッセージが真ん中に出るようになった。益々怪しい。改めて調べ直してみた。

 すると、果たせるかな押し売りまがいの悪質な侵入者で、発信元はどうも北米のようだ。こういうのはハッカーとは言わないのかも知れないが、塾頭のような素人を狙うのは「おれおれ詐欺」の一歩手前だ。

 スタートボタンで「すべてのプログラム」を見ると、気がつかずにイスストールされていたことが分かった。憎っくき奴とばかりコントロールパネルでアンインストールをかける。それでも最後に「当社に連絡なしにアンインストールできません」などの画面が出てきた。

 
 しかし以後、このしつこい幽霊はでなくなったのである。

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2014年12月20日 (土)

「次世代」の終焉

 「書いたことがよく当たる」とある人から言われたことがある。占い師じゃないし、もちろん「背後霊」のお世話になったことなどはない。はずれることがわかっていても、あえてけん制効果があれば、と思って書くこともある。

 プロバイダ が提供するアクセス解析、正確ではないが参考になるので必ず見ることにしている。たまたま今日、「祝・石原新党発足」と題した過去の記事に検索でアクセスいただいた方がいた。その中身をもう忘れているので、開いてみた。

 がっくりきたのは、もの忘れの速さ。わずか半年前の6月5日付で、その前日あったことを書いている。メンバー38人を結集したこの新党の名前はまだない。「たちあがれ」だとか「太陽」だとか文学者とは思えないノンセンスの党名が出たり消えたりする。

 結局、これが「次世代」となって先の衆院選で結論が出た。石原慎太郎さんもここで引退だそうだ。「祝・石原新党発足」の結語はこうだ。『じっくり選挙民に持論を展開し、その判断を仰いでいずれは泡沫政党への道をたどってほしいものだ』。

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-4ae7.html

 全文は↑のリンクで見ていただきたい。また、今月11日付の「選挙結果はまあまあ」ではこう書いた。「次世代は、安倍をとりまく一派と合同し、安倍首相の極右ぶりを際だたせ、自民リベラルの離反をうながしたかったのだが、すこし小さくなり過ぎた」。

 ここで、慎太郎さんと同年代の塾頭から追加コメント。『ご苦労さまでした!』。

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2014年12月19日 (金)

電力会社が違えば?

 鹿児島県の川内原発と福井県の高浜原発が地元の賛同を得て運転再開に向けた準備を進めている。

 今日の毎日新聞でこんな記事を見た。

 東京電力は18日、春日部(埼玉県)、川崎(神奈川県)、三島(静岡県)の3支社で昨年7月〜今年9月、ケーブル埋設や電線設置などの工事を国や自治体に無許可で11件行っていたと発表した。各支社で書類の申請担当だった20〜50代の男性社員3人が、公道の占用許可を得るための申請書や、占用許可書を社内提出用に偽造していたという。埼玉県警などは公文書や有印私文書の偽造に当たる疑いもあるとみて関係者から事情を聴いている。

 その前の日の17日、東電では福島第1原発の汚染水処理設備(ALPS)から出た約6トンが土壌やトレンチ(電源ケーブルを通すトンネル)に流出したと発表している。原因は本来の移送ラインではない施工中の配管に誤ってバルブを開いたかららしい。

 流出汚染水には、半減期が30年に近く、ベータ線を出すストロンチウム90が含まれている。こんな会社に原発の再開や新設を認めるには、福島県民でなくとも相当勇気が必要だ。いくら原子力規制委員会が「安全だ」といっても、そんな人為的ミスや脱法行為まで見届けられるわけがない。

 関電や九電なら「そんなことは絶対にない」、と言いきれるのだろうか?。

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2014年12月18日 (木)

新・千夜一夜②

 (承前)------------
 前回、ベトウィンは「砂漠のベットは最高だ」と言っていることを話ました。日本の国旗・日の丸を見て不思議そうな顔をします。なぜなら、真っ赤な遮るもののなくじりじり照りつける太陽は、砂漠では死を意味するからだといいます。

 砂漠が多い国は、サウジは違いますが国旗に星とか三日月を使うところが多いようです。そういえば、イスラムを国教とする国は、キリストを意味する「赤十字社」ではなく、「半月社」でしたね。飲み水の少ないサウジの地下に、神は石油を与え給うた、と固く信じているようです。

 税金がなく、金利もなく、持てる者は持たざる者に惜しみなく分け与えなければならないという国です。国内にムハマンドの聖地、メツカ・メジナがあるサウジは、コーランに最も忠実でなければならない、それを守る権威と義務がサウド王家にある、しいうのがサウジアラビアの国情のようです。

 さて、次の訪問国はオマーンです。ペルシャ湾の一番奥は、ティグリス・ユーフラテス川の河口付近のイラクでわずかに接しているだけです。海に向かって左岸がイラン、右側にクエート、飛び石状にバーレーン・カタール・アラブ首長国連合、そして湾の出口インド洋に面してオマーンがあり、サウジを含め湾岸諸国と言います。

 それらは、今は言葉がなくなって首長国というようですがかつての土候国です。イスラム圏の部族の代表者のような立場だったのです。したがって、その境界がどこかなどについては曖昧だったようで、農耕や牧畜ではなく、海路を利用した商業が得意だったようです。

 オマーンと、日本では引っ張りますが、現地では「オマン」と聞こえます。目的のひとつは、原油を掘り当てたので、その積出し施設建設の起工式セレモニーを取材することでした。演説などどこでも同じような式次第があるのですが、チョットカメラを回せないような場面がありました。

 オマンの男性は、サウジ王族のような白いガウン状のものでなく、腰を帯でくくって、f 字型の刀をみんな身につけており勇ましい感じがしました。男は強くなくてはならないお国柄と聞いていたのですが、その刀は、儀式の生贄にするヒツジの首を切り落とすためのものだったのです。

 それは、手際よく鮮やかなものですが、そのままでは映倫で通るかどうか。農耕民族には目をそむけたくなるような残酷な光景です。(塾頭⇒最近のイスラム国の斬首テロは生贄?)。しかし、サウジもそうですが人々の心は温かく、友好と平和を望む人たちであることには違いありません。

 東南アジアに来て、インドネシアやマレーシアにもムスリムは大勢います。日本の仏教のお経はすべて漢訳されたものが使われていますが、コーランはアラビア語以外で唱えることができません。だから勝手な解釈は厳禁なのです。

 「こんにちは」の挨拶は、どこ国へ行っても「アッサムアレイコン」。その一言でお互いの親しみを通じ合えるので、取材で苦労したことはありません。

Dscf4404 (塾頭⇒オマルさんからこれらの話を聞いているので、イスラム国の過激派や、パキスタン・タリバン運動の一部が女子教育を嫌って攻撃したり、民間人を殺傷してもいいなど、コーランのどこにもないと理解しているし、「文明の衝突」などといって両極端な発想をすべきでないと信じている)

【写真】角度を変えてみると光景も違って見える=2階からドウダンつつじ

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2014年12月17日 (水)

新・千夜一夜①

 塾頭の古い友人でオマル三木(仮名)さんという、当時としては珍しい国際カメラマンがいた。いつ入信したのかわからないが、ムスリムである。以下、彼から聞いた話だが、なにしろ古い話なので、正確さを欠く。語り手を「私」=オマルさんとした創作として聞いてほしい。

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 今回は、原油の積出港のあるペルシア湾のバーレーンからサウジアラビアに入ることにしました。
 ペルシア湾というのは、イランの湾という意味で、サウジでは仲の悪いイラン=ペルシアを使わずアラビア湾と呼びます。(塾頭⇒韓国では日本海を東海といいたいのと同じね)

 すぐ近くに、小さな半島だがカタールという王国があります。やはり、石油のおかげで有り余るほどのお金があります。使い道に困ってジェット戦闘機を買いました。王さまはどう使っていいのかわからないので、王妃や王子たちを屋上に集め、アクロバット飛行を見せ楽しんでいるそうです。

 サウジは観光ビザなどなく、就業ビザか巡礼ビザが主です。だから一般の人はなかなか入れません。(塾頭⇒そういえばTVの観光番組など見たことがない)。日本から首都リヤドへの直行便はなく、普通はヨーロッパまで行って乗り換えるか、東南アジア・バーレーンと2回飛行機を乗り換えるかです。

 私は、長旅になりますが途中産油地帯を通って行く鉄道を使うことにしました。その車中でハプニングがありました。日本でいえばグリーン車ですが、地位の高そうな人と乗り合わせ、草履のはな緒を切らせ困っているのです。

 見かねて私がそれをすげてあげると、大変喜びました。(塾頭⇒その頃まで下駄ばきの多かった日本では誰でも簡単にできたこと)。そして、リヤドで「招待するから王宮においで」というのです。なんと、王子さまだったのです。

 その日、王宮の前まで行くと人が並んでいます。聞くと、毎週1度国民なら誰でも王様に会って意見や話ができる日が決めてあるそうです。この国には、議会とか選挙はないが「最も優れた民主主義がある」と自慢していました。

 大変なおもてなしを戴いたのですが、女性は一切客の前に姿を現しません。こういったことは実に徹底しています。リヤドは、整然とした立派な街で、まわりは砂漠ですが、高層アパートが整備され公園には噴水や草花など緑も豊富です。

 今回は、この国のベドウィン(遊牧民)取材が目的なので、その後砂漠に出かけ、彼らのテントを訪れました。そこでの話です。

 「リヤドでは立派な公営アパートを建て、空き家も多いそうですが、どうして砂の上がいいんですか?」
「そりゃあ、空気きれいだし寝心地なら砂が一番だからさ」
「排泄物とか生ごみなどは?」
「みんな近くに捨てるよ。1週間と同じ場所にいないから。何年かあとに同じ場所に戻った時は、清潔なもとの砂漠さ。自然がきれいにしてくれる」

 「飲み水は?」
「らくだがいるだろ。やつらは、掘ったら出てくる塩水でも平気で飲む。羊もたくさんいるしね。やつらの乳を飲んでいれば不自由はしないね。必要なものは商人が回って売りにくるし羊なども買ってくれる」

 「だから客人は大切にするよ。たとえ親の敵でも3日は大切にもてなせとね。コーランの教えだ」(塾頭⇒日本の任侠がいう一宿一飯の仁義と似ているが、前にアフガンでウサマ・ビン・ラディンを匿ったことについて関連付けたことがある)。

 「牧草地を求めて移動する生活ですが、最近は国境でもめています」
「砂漠に戦が引いてあるわけでなし、俺たちは行けるところなら草を求めてどこへでも行く。関係ないね」

 「リヤドでも石油採掘・精製工場でも働いているのは、ほとんどがインド人、パキスタン人、フィリピン人など外国人。石油は神から与えられた贈り物、信者全員で分け合うのがイスラムの掟。政府はそういったことからも新しい仕事で都会に定着させたいようですが」

 「ごめんだね。一か所で毎日朝から晩までメーターとにらめっこ。男のやる仕事ではないよ。まあ、タクシーの運転手なら、自分の意思で動き回れるからやってもいいがね。同じ場所にいなければならないのは不潔だよ」

(以下次回)

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2014年12月15日 (月)

選挙結果はまあまあ

 今回の総選挙に対しては何の期待もわかなければ関心もない、とした塾頭だが、なかなかどうして、塾頭の希望に沿ったものになった。

    (当選)(選挙前)(差)
自民  291    295   -4 
民主   73      62   +11
維新   41    42   -1
公明  35     31   +4
共産  21      8   +13
次世代 2    20   -18
生活    2     5   -3
社民  2      2    0
無所属 8    14   +6

 まず自民だが、メディアによっては「圧勝」とタイトルを掲げているが、「300を超す勢い」と予測したのに-4では惨敗でも通るのではないか。安倍首相のもう一つ浮かない顔がそれを証明している。戦後最低の投票率で、+4の公明との連立では、9条の改正を発議する資格などない。

 民主党は、数をふやしたものの目標の100にはとても届かず党首・海江田を落とした。これは+11を帳消しにして余りある。代表選を前倒しし、右派を切り捨ててもリベラル色を鮮明にしなければ勝ち目がないと当塾は書いたが、菅直人氏がかろうじて比例で残ったものの、リベラル派議員を失なった選挙区もすくなくない。

 右翼からは左翼扱いされ、左翼からは右翼扱いされる当塾だが、共産の倍をはるかに超える躍進と次世代の当選10分の1には、喝采を惜しまなかった。共産は言いっ放しでは済まされない政党になったことを自覚し、他党や市民団体とのきめ細かい連携で「自民に対抗できる」責任政党になってほしい。

 次世代は、安倍をとりまく一派と合同し、安倍首相の極右ぶりを際だたせ、自民リベラルの離反をうながしたかったのだが、すこし小さくなり過ぎた。世界の潮流にあわせ、戦争大好き人間が減ることは当塾にとって好ましいことには違いない。

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2014年12月13日 (土)

世界に牙をむけるアメリカ

ワシントン時事】12日に米議会を通過した国防権限法案に、米国が第2次世界大戦中に進めた原爆開発計画「マンハッタン計画」の関連施設を国立公園に指定する条項が盛り込まれた。近くオバマ大統領が署名して成立し、戦後70年の来年中に「マンハッタン計画国立歴史公園」が誕生する。
 マンハッタン計画は1942年、当時のフランクリン・ルーズベルト大統領の承認を得て始まった極秘プロジェクト。45年7月に世界初の核実験が行われ、翌8月に広島、長崎に原爆が投下された。
 法案は「将来の世代のために重要な歴史資源を保存・保護する」と明記。開発の中心地となったニューメキシコ州ロスアラモス、ウラン濃縮が行われたテネシー州オークリッジ、プルトニウムが製造されたワシントン州ハンフォードの関連施設について、1年以内に国立公園に指定すると定めている。
 国立公園化の動きは2003年に本格化したが、被爆地を中心に「核廃絶の願いに背く」(広島市)との懸念が強く、法整備がずれ込んできた経緯がある。法案の議会通過が迫った9日、長崎市は「決して核兵器を賛美せず、恐ろしさを伝える」施設とするよう、ケネディ駐日米大使に要請した。

 
 
 9日に”「名誉ある地位」今がチャンス”を書いたばかりだ。おそらく長崎市の要望は容れられず、ウイーンに参集した「核兵器の人道的影響に関する国際会議」160か国の運動に水を差すことになるだろう。

 明日は衆院選投票日だ。与党が圧勝したらその強い政治力をバックに、唯一の被爆国として、広島・長崎の声をアメリカ政府に強く伝える……。そんなことには金輪際ならないだろう。これはもう、NGOを通じて国民世論を反映させるしかない。戦後レジームの脱却どころか、日本は「永久の敗戦国」になってしまうのだ。

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2014年12月12日 (金)

投票日2日前

Dscf4399   当塾では、解散が噂され始めた頃から予想してきたことだ。安倍首相は、野党の体制の整わない機に乗じて、自ら「アべノミクス」選挙を名乗り、他の争点をぼかして小泉首相の「郵政民営化解散」と同様な効果をねらうだろうと。

 そして、選挙結果は野党の不甲斐なさから自民の圧勝的勝利も見えてくるので、最初から「関心もなく興味もわかない」と書いた。ただ、公約案に、沖縄・辺野古基地への普天間移転問題を大きく取り上げたのが共産党だけ、というのは、民主主義の危機につながると思った。

Dscf4400 そこで、先月27日、今月2日と「辺野古隠し全盛」という記事を書き、その後も追っかけていた。毎日新聞はその後論説委員による記名記事などが見え始めたが、9日に至って「民意から目をそらすな」という社説を掲げ、記事の量も増えてきた。

 他の各紙をウエブ上でウオッチするのは甚だ困難でしてないが、毎日は昨日・今日と連続で写真のような一覧表を掲載した。昨日が辺野古、今日は集団的自衛権だ。

 各党の姿勢が分かりやすく、投票者の判断基準として同紙の傑作だと思う。しかしいかんせん、この表で大勢に変化をきたすことはない。ただ、選挙後の国会や各党の動きを監視するうえで大いに役立つのではないか。

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2014年12月11日 (木)

CIAの拷問

ワシントン(CNN) 米上院情報特別委員会は9日、米中央情報局(CIA)が2001年の同時多発テロ以降、ブッシュ前政権下でテロ容疑者らに過酷な尋問を行っていた問題についての報告書を公表した。報告書は拷問が横行していたことを指摘し、その実態を明かしたうえで、CIAが主張してきた成果を否定している。

 この報道に関し、11日付毎日新聞は、社説をはじめ詳報や多彩な関連記事を掲載している。その拷問のすさまじさは、江戸時代の獄門、戦時中の特高警察も顔負けの前近代的な人権無視のやりかたで、にわかには信じられないほどだ。

 これでは、北朝鮮やイスラム国などを声高に非難する資格がアメリカにあるのか、といわれても仕方がない。唯一の救いは、こんな秘密文書が堂々と?上院調査委員会の手で公表されるということであろう。ブッシュ政権下のことだからオバマ政権で民主党優位のうちに、という事情があるにしろ、日本の秘密保護法のもとでは、どうだろう。

 このところ連続して取り上げているが、アメリカとはわかりにくい国だということだ。警官による黒人殺害事件が頻発しているが、警官の訴追を白人の多い大陪審などが退けているという。とても人権重視の民主国家に見えない。

 そのような国が、民主主義と自由をもたらすための戦争だと言っても、信用しない国がでくるのは当然だ。もう一つ不思議なことといえば、アメリカ人が好んで使う言葉に「愛国心」がある。塾頭子供の頃は、日本もその全盛時代であった。

 しかし、それとはどうやら日本と質的に違うように思う。天皇や瑞穂の国といったことではなく、開拓魂から来たものだろう。愛国心があるから、特攻隊になったり玉砕するなどという不合理なことはしない。この度の拷問も情報収集はCIA自らの手でなく、民間委託したものだという。

 そういえば、イラク戦線でも正規軍ではなく、外注した雇兵が多く含まれており、それらが民間人殺傷にかわったようだ。しかも、費用の水増し請求やニセ報告などしたい放題。経費・効率の面でも疑問が多くさすがに批判が高まっているようだ。

 こういった、アメリカがかかえる二面性や矛盾はどこからくるのだろうか。ある程度の改善はなされるだろう。しかし、それが国民性に由来するものなら、そう簡単に解消するとは思えない。どうやら、「さわらぬ神にたたりなし」の多神教国では、理解しかねる本質的な部分がありそうだ。

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2014年12月10日 (水)

野菜畑の色

 Dscf4387最近の野菜畑は色が豊富だ。キャベツ、玉菜、ケール、甘藍……。なんと呼ぶのか。食用か観賞用かよくわからない。

 農業の近代化。多分この方が高く売れるのだろう。

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2014年12月 9日 (火)

「名誉ある地位」今がチャンス

 日本の核武装だとか、「核の傘」などといった寝ぼけたことを言っている人がまだいる。それも「次世代」を叫んだり、それに通ずる人の間で多い。やっぱり朝に気付かず寝ぼけている人の姿にほかならない。

 今、ノーベル賞授賞式でスウェーデン・ストックホルムがにぎわっている。マスコミも受賞者を追っかけるのに余念がない。もうひとつ、ヨーロッパで重要な会議があるのだが、この方はあまり報道されない。

 オーストリア・ウイーンで8日から始まった「核兵器の人道的影響に関する国際会議」という長い名のイベントだ。この会合は初会合が去年3月ノルウェーで、2回目は今年2月のメキシコ、そして今回は3回目と矢継ぎ早に開かれている。

 毎日新聞によると、参加国は初回127か国、2回目が146か国、今回は160か国(朝日では157国)とそのたびに増えている。もはや195の全加盟国に迫っていると言っていい程だ。会合の目的は来年4月から開かれる核拡散防止条約(NTP)再検討会議(5年に1回)で、「核廃絶に向けた機運」を高めるためだ。

 この人道問題会議には、NTP上の核保有国、米・ロ・英・仏・中の5カ国は参加していなかった。核保有国は、軍事的優位を手放すことに消極的で「廃絶はまだ早すぎる」といった立場だった。それが、米・英が参加に踏み切り、中国も専門家を派遣してきた。

 あと、ロ・仏だけが残ることになるが、米・英・中もそんなに簡単に廃絶賛成にはならないだろう。これまで、日本はいつも総論賛成、各論反対で、アメリカの意向や「核の傘信仰」から脱却することができずにいたが、唯一の被爆国の立場から米・英・中などの変化をどう受け止めるのか、廃絶に向けた歯車を動かすキーポイント握っていると言えよう。

 NTPは、1968年7月に署名が開始され、1970年に発効した核兵器に関する国際法である。核保有国を当時すでに開発に成功していた5カ国に限定し、その他を非核保有国とした。非核保有国が原発など核平和利用する場合は国連の査察を受け入れ、兵器の開発を断念する。

 核保有国は、非核保有国を核攻撃せず、核兵器削減が義務付けられるという内容になっているが、すでに5か国以外にインド、パキスタン、イスラエルが核保有を実現しており、北朝鮮やイランがNTP体制に抵抗し続けているなど、規制そのものが形骸化しているといってもいい。

 こういった危機感は、上記のように国連参加国のほとんどが共有するようになってきた。また、これらの会議には、2000年には地方自治体を含め2000を超えるNGOが参加、日本からも60団体が加わって会議に大きな影響力をもたらすようになってきた。

 川崎哲氏は、その著書『核拡散』岩波新書、で11年前すでにこのように述べている。

 核抑止力への依存とは、相手を殲滅しうる物理的な力を維持することが自らの生存に不可欠だという思想の反映なのである。
 
 この地球上に単独の優位を打ち立てようとするアメリカは、それゆえに、地球を消滅させることの可能な核兵器を手放すことができず、無理にでもその存在理由を見つけ出そうとし続け、ついには宇宙戦争の次元(ミサイル防衛システムをいう→塾頭注)にまで乗り出しかけている。このような破滅的な力に政策上も思想的にも「依存」することが安全保障だというのは、前世期のうちに私たちが卒業しておかなければいけなかった時代錯誤の発想である。日本社会を束縛しているこのような幻想は、世界各地にも伝播し、生存を脅かされていると感じた「南」の国々の間では拡散の危険な歯車が加速しつつある。

 米ソ二極対立は終わり、国家、民族、宗教、歴史の多様性に向き合う時代が来たというのなら、今こそ平和共存の原則と方法論を確立すべきである。日本が核抑止力依存を脱皮できない理由の一つに、隣国が人権侵害を繰り返す戦時独裁国家であり、政治環境が成熟していないことが挙げられることが多い。しかし、戦時国家に対して核の圧力を加えることは、矛盾を激化させるだけである。逆に日本が「核の傘」からの離脱を宣言することで、北東アジアの準戦争状態の根幹を覆すことができる。軍縮イニシアティブに打って出ることによって、旧体制を地域大で転換するのだ。

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2014年12月 6日 (土)

反戦塾乗14/12/6

■「安倍はちっぽけな男」と批判した五十嵐恵の逮捕
Yahoo!ニュースが載せた韓国ハンギョレ新聞(12/6)の記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141206-00018977-hankyoreh-kr

 最高指導者を非難すれば処罰を受ける、韓国でも日本でも! 
 今月3日、日本の社会を驚かせる事件が発生した。(以下略)

 当塾は「日本の社会」に入らないのか、チットも知らなかった。なにかネットとの世界だけのことのように思える。逮捕容疑は、性器の形をまねた作品を展示したことが猥褻物公然陳列にあたるということだ。

 日本では、縄文・飛鳥から江戸時代に至るまで得意技だったのにねえ。永井荷風作『四畳半襖の下張』が1972年に摘発を受け、裁判になるなど、マスコミでも大騒ぎになった。なぜか今のマスコミはお行儀がよすぎる。

■民主党はやはり分党すべきだった
 恒例の毎日新聞による衆院選候補者アンケート結果が発表された。それによると、本塾が最も関心を寄せる憲法9条改正、特定秘密法案、集団的自衛権、原発依存の4つについて見ると民主党候補者の中で賛成者はいずれも10%あるかなしだ。

 それならば、9月に党代表者選で政策を問い、少数意見は追い出すべきだった。その上でなら、共産は無理にしても、社民・生活・無所属、場合によれば自民や維新の一部を含めた再編の展望が見えてきたかも知れない。

 自民圧勝を覆せなくても、明確な反自民(安倍)の受け皿があれば、国民世論の趨勢から見ても、投票者がまちがいなく増えるであろう。今となってはないものねだり。海江田代表とリベラル指向議員がその責を追わなくてはならない。

 なお、塾頭のもう一つの関心事、沖縄の普天間移転先について、「地元への受け入れに賛成か反対か」になっている。これでは、米軍基地撤廃の共産党、安保容認・海外移転派、さらに辺野古移転賛成派も、すべて同じ「反対」の答えとなる。

 辺野古移転は賛成か反対かを問うべきところ、それを省略したのは設問の大欠陥だ。どうして中央マスコミは”辺野古”3文字をここまで敬遠するのだろう。不思議。不思議。

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2014年12月 5日 (金)

国連とアメリカ

 下記は最上敏樹著『国連とアメリカ』岩波新書からの抜粋である。やや長文の引用となるが、これを12/1付当塾エントリー「モンロー主義」の締めくくりとして読んでいただければありがたい。

 ここでいう「多国間主義」は、国連優先主義とも言いかえられる。モンロー主義は、本来多国間の干渉の外にあることを望んだものだ。しかし、2度の大戦により、超大国となったアメリカは、理想的な平和主義構築を主導するというジレンマを背負うことになった。

 アメリカは、「世界の警察官としてアメリカの価値観を普及させる」というフロンティア精神と、自由と民主主義を旗印とする星条旗のもとに団結し、孤高をつらぬくという二つの理想どう調和させるのか。多様性を理由に引きこもり、という選択肢は許されないお国柄だ。

 二一世紀初頭のいま、われわれは単独行動主義のアメリカを目撃している。国連という枠組みから半ば離脱したかのような、つまり多国籍間主義を意に介さぬようなアメリカである。

 だが、反多国籍主義的なアメリカが唯一のアメリカなのでもない。この国にも多国間主義の理想に燃えていた時代、あるいは多国籍間主義を活用しようとした時代はあった。いや、今後もまたあるかも知れない。アメリカと国連の関係を考えるときにまず理解しておくべきは、そもそもアメリカと多国間主義の関係にはかなりの振幅があるということである。極度の親和の時代もあれば、極度の敵意の時代もあった。

 ただそれは、時代によって一方から他方へと振れ、時代が変わればまた元に戻るしいう、単純な振り子運動の関係でもない。むしろ、一定の振り子運動はあれ、長期的な趨勢で見るなら、おおむね多国間主義から反多国間主義へとゆつくり動いてきたのだと言えるだろう。また、多国間主義に帰依したかに見える場合でも、そこに見られる多国間主義はやはり格別の大国のそれであり、例えば国連における北欧諸国やカナダといった「国連中心主義の」中級国家のそれとは質的に異なるように思われる。

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2014年12月 4日 (木)

無関心選挙

 いつもの選挙だと各選挙区の情勢だとか、候補者ごとの選挙公約のチェックもするのだが、今回はあまりその気がしない。関心があるのは、投票率と共産党の躍進具合といったことしかない。

 「アベノミクス解散」と名付けて記事を書いたのは、先月15日だ。そもそも空中楼閣のような言葉で国民の信を問うこと自体が間違っている。安倍首相はわが名をつけた「アベノミクス」を恥じらいもなく連呼している。与党はもちろん、野党までが「アベノミクス」こそ争点とばかりそれに呼応する。

 野党もこぞって安倍首相の名をとなえ、宣伝に一役買っているというおかしな選挙戦だ。一般国民はアベノミクスが何なのか、そんなことは分からない。失敗をいうより、「成功させる!」と言ってる方がよさそうに聞こえる。勝負は最初からついているのだ。

 そんな選挙に関心が向くわけがない。しかし、しかし白票を投じても棄権だけはしないでほしいと願っている塾頭だ。

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2014年12月 2日 (火)

続・辺野古隠し全盛

 衆院選は今日公示される。当塾では、先月27日に「辺野古隠し全盛」という記事を書いた。すでに記者クラブなどの主催で党首討論が展開されいる。沖縄の普天間基地の移転先を辺野古とすることに正面から反対しているのは、5大公約の一つに掲げている1党が目立つ程度だ。

 辺野古隠しが何故いけないか。それは、あらゆる角度から証明された沖縄県民の意思と逆行する政策を、国家権力が抹殺しようと動いているからである。一地方の民意が一顧だにされなくてもいいのかどうか、主権者たる国民の意向をうやむやにしようというのが辺野古隠しの真相だとすると、民主主義の破壊に手をかすことになるからだ。

 マスコミはどうか。2日付「毎日新聞」は、社説でないものの「論説の目」という形で、1面の約3分の1を割いて佐藤千矢子記名入りの記事を出した。また、投書欄でもその趣旨のものを採用している。他の新聞では、沖縄では当然のことながら、外に北海道や中国など地方紙の論説に散見できる程度で、ネットで見る限り中央紙の動きはにぶい。

 以下、佐藤記者の書きだしからその一部を引用する。

あれだけ明確に移設反対の民意が示されたにもかかわらず、衆院解散・総選挙で中央政界では沖縄問題の影がすっかり薄くなっていることに違和感を覚える。知事選の結果をどう生かしていくべきか、改めて考えたい。

 以下、政府の強硬策には説得力のある理由に乏しいことにどをあげ「柔軟な発想で」再検討する方向を示している。

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2014年12月 1日 (月)

モンロー主義

 「モンロー主義」、アメリカを語る時必ずと言っていいほどでてくる言葉である。それが、いい意味であったり悪い意味であったり、使う人により位置によってそれぞれ変わってくる。すでに死滅した歴史的用語として引き出しにしまっておればいい、という意見もあるが、塾頭はそうは思わない。

 オバマ大統領が、変転する世界情勢の中で迷走気味にみえるが、よしあしは別にして、アメリカにモンロー主義が建国以来生き続けている証拠のように見えるのだ。半世紀以上ひとことも変わっていない「日米安保条約」、その同盟の相手方に対し、集団的自衛権容認などを言う前に、そう長くはないアメリカの歴史を熟知しておく必要がある。

 モンロー主義といわれるのは、建国後ほぼ半世紀を経た1823年に、第5代大統領・ジェイムス・モンローが、ヨーロッパの権力政治から切り離した民主主義に立脚するアメリカの西半球大陸を築くためとして、ヨーロッパ諸国の干渉を避けることを目的に、同盟、密約などを一切排除し孤高を保つ「モンロードクトリン(教書)」を発表したことによる。

 これは、その時に始まったのではなく、建国の祖ジョージ・ワシントンが大統領退任演説で「世界のいずれの国とも恒久的な同盟を締結しないことこそが、我が国の真の方針である」といっている。日米同盟はこれに反しているわけだ。

 その後、第一次世界大戦でモンロー主義を固守していたウッドロウ・ウイルソン大統領は、ドイツ潜水艦による米国旅客船攻撃で大量の米国民の死者が出るに及び、中立国に対する違法行為を見逃せないとし、戦争を終わらせるため、なくするためのやむを得ない措置として参戦する。

 第二次大戦も、真珠湾への不意打ち攻撃が「悪を殲滅する」ための対日宣戦布告となり、3日遅れて、独・伊も対米宣戦布告した。この戦争も末期に至り戦争再発を防ぐ国際機関再建が議論されるが、第一次大戦後のウイルソンの意向を受けついだものだろう。

 しかし、大戦のあとのソ連による「革命の輸出」が警戒され、朝鮮戦争・ベトナム戦争など米ソ対立の代理戦争が続発した。自由・民主主義を国是とするアメリカは危機感を強め、防共包囲網として日米同盟やNATOの結成により、モンロー主義終焉を思わせた。 

 ソ連圏の改革・解放が進んだのちも、ジョージ・W・ブッシュが始めたテロとの戦い、ならず者国家などという言辞のもとの中東紛争への介入、そして、行き場を失ったようなオバマの世界戦略が続く。「世界の警察官」という発想は、モンロー主義主張の一環として「米州大陸の警察官」位置づけで生まれたものだ。

 今のアメリカは、混迷の国際政治からモンロー主義の原点に立ち戻り、平和の維持発展、自由と民主主義を立国の根幹に据えた立国の理想をこれからどう再構築するか、模索の時期にさしかかっているように見える。

註)ワシントン演説は、西崎文子『アメリカ外交とは何か』より。

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