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2014年11月17日 (月)

沖縄知事選とマスコミ

 沖縄県紙が最高度の関心を示すのは当然だが、沖縄タイムスは深夜にもかかわらず次のような号外を出した。

第12回沖縄県知事選は16日投開票され、無所属の新人で前那覇市長の翁長雄志氏(64)が36万820票を獲得し、初当選を果たした・知事選は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が最大の争点となり、翁長氏が「辺野古新基地は絶対に造らせない」との立場を主張し、辺野古埋め立てを承認した現職の仲井真弘多氏(75)=自民、次世代推薦=を9万9744票差で破った。得票嶺は50%を超え、普天間の辺野古移設「反対」の民意が明確に示された。投票嶺は64・13%で前回の60・88%を3・25ポイント上回った。

 それに引きかえ、衆議院解散が取りざたされ、沖縄基地の帰趨が大きな争点になるはずのところ、中央マスコミは至って冷静(笑)というか無関心のようにさえ見える。テレビでは唯一BS放送のTBSテレビが開票から3時間の特番を組んで速報したが、あとはいつもの日曜と変らぬ取組だった。

 塾頭は、確定票数を知りたくて5時半に電子版を見たが、沖縄以外では、東京、毎日で見られたほか、朝日、読売では前日からの更新はなかった。確定数はなくても、開票直後すでに判明していた当確で社説は書ける。

 各紙のタイトルは次の通りである。

朝日:沖縄県知事選―辺野古移設は白紙に戻せ
読売:沖縄県知事選 辺野古移設を停滞させるな
毎日:辺野古移設に審判 白紙に戻して再交渉を
日経:いまこそ政府と沖縄は話し合うときだ
産経:沖縄県知事選 政府は粛々と移設前進を

 朝日と毎日は、「白紙に戻せ」で一致している。白紙に戻すはずがないのにこう書くのは、なんとなく”日和見”だ。民主主義擁護のため、これまで言われ続けてきたこと以外に何をなすべきかを突っ込んで論じてほしかった。

 読売は「翁長氏も現実路線に立ち、政府との接点を探ってはどうか」といい、あたかも仲井間路線に回帰せよと言わんばかりで、選挙結果無視が社論とは恐れ入った。沖縄県民愚弄である。産経は「抑止力維持の観点から不可欠であり、見直すことはできない」という俗論と「安全保障に関わる基地移設の行方を決定する権能は、知事にはない」の独断で、立ち止まって考えるということのない同紙「らしい」といえばらしい。

 沖縄の苦悩はまだ続く。翁長氏は、辺野古移転反対を掲げる革新政党以外の本土の各政党支持者からも票を獲得した、自主投票の公明・民主をはじめ、仲井間候補を押した自民の中からの支持は大きい。

 翁長氏が厳しい表情で「沖縄のアイデンティティー確立を目指して戦った」と繰り返す言葉に、本土マスコミはどう答えるのかが見えてこない。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

今回の新聞見出しですが、毎日新聞の西日本版(大阪本社)では第一面に大きく『・・翁長勝利・・大差で』でと10万票の『大差』を強調していましたよ。
他には、中日新聞と赤旗が同じように『圧勝』を見出しに使っている。 ウォール・ストリート・ ジャーナル(WSJ)も『辺野古移設反対派―大差で現職破る』との見出しを使っている
この同じ内容の記事をネット上の毎日新聞の見出しは違っていて、
『沖縄知事選:翁長氏が当選・・・・・』と、随分と大人し目なのです。
選挙戦では終始翁長がリードしていたのですから、今回の『翁長勝利』自体は既定の事実であり、新しいニュースとはいえない
『大差で圧勝』の方がニュースの中身。
ですから、辺野古移設反対派が大差で現職破るとの、 WSJ紙の見出しが一番正確でしょう。

投稿: 宗純 | 2014年11月17日 (月) 09時49分

宗純さま コメントありがとうございました。

こうなると、海外紙の方に関心が向きますね。ニューヨークタイムズとかワシントンポストとか、人民日報は党の機関紙だけど違った意味で。
 
米国紙は一般社会にはあまり影響力がなさそうだが、政界にはどのていど影響力があるのかないのか。

印刷離れというけど、ネトウヨ向けのような雑誌類が本屋に山積みされ、新刊もあとをたたず。それも熱病現象で、いすれは飽きが来るでしょう。進歩がないから。

投稿: ましま | 2014年11月17日 (月) 10時26分

東京新聞は、1面2面3面、社説、社会面と、かなり紙面をさいていましたよ。
那覇市長も自公推薦が敗れ、沖縄の民意が示された形になりましたね。

民主党は、与党時代の辺野古の経緯があるので、表立って移設反対は言えなかったようですが、
結果を受けて、枝野さんが、「県民の選択を真摯(しんし)に受け止めたい」と語り、まるきり民意無視の自民と、差をつけていました。

それにしても、bs6、私もチラッと見たのですが、鳩山さんが、今も沖縄に足を運んでいるのを知って、驚きました。沖縄に寄り添いたいという気持ちは伝わってきました。
鳩山さんの心には、沖縄って、棘が刺さったみたいに、痛みとして残っているのでしょうね。
いい人すぎるほどいい人。でも、それで混乱した。官僚に丸め込まれてしまった。
政治家には向いていなかったのが残念です。

投稿: 金木犀 | 2014年11月17日 (月) 12時50分

金木犀 さま
コメントありがとうございました。

産経新聞はかつて大阪の経済紙でした。その東京版で進出し、今では中央紙の顔をしています。

東京も、中日新聞の東京版といった感じでしたが、産経との競争もあり、今では中央紙扱いされることが多くなりました。

その他の有力地方紙は、沖縄と言っても地方選で他県のこととしたのでしょうか。社説などにしたところはすくないようです。

投稿: ましま | 2014年11月17日 (月) 13時15分

鳩山さんのことですがたしか沖縄に「東アジア共同体研究所」を設立、孫崎亨氏などと活動は続けているようです。

純粋な人だけに、他人に利用されるようなことのないよう立派な成果をあげてほしいものです。

投稿: ましま | 2014年11月18日 (火) 08時03分

日本で唯一の地獄の地上戦を経験している沖縄県は、保守と革新の力が拮抗していて、本土復帰の最初の20年間は革新側が勝ち続けた。
米軍占領下では瀬長 亀次郎日本共産党副委員 (当時は沖縄人民党委員長)が那覇市長に当選するぐらいに左翼に対する沖縄県民の支持が強かった。
ところが、最近の20年間は保守が勝っていたが、
これは沖縄も悪い意味で本土並みになっていたのです。
今回も沖縄にユニバーサルスタジオのテーマパークの誘致とかカジノ、縦貫鉄道建設など露骨な何でも有りの札びら作戦。
しかも今回は元自民党県連幹事長の翁長なのに、何と『共産党の候補だ』とのネガティブキャンペーンを選挙戦では行われる。
安倍晋三のブレーンとして知られる岡崎久彦の子分で元外務省情報局長の孫崎 享ですがツイッターで、
『「アメリカの国旗を掲げた右翼は大きな音楽を流し翁長氏演説を邪魔している」。日本の大手メディアのどこか報じているだろうか。それにしても選挙妨害しているのを警察は黙認なのか。』

自民党ですが、これでは負けて当然です。

投稿: 宗純 | 2014年11月18日 (火) 10時39分

>岡崎久彦の子分で元外務省情報局長の孫崎 享――

子分なのに対米感は全く逆。著書の中で吉田茂に対する評価に事実誤認があるなど、元大使とか局長とか、外務官僚の優秀さとはこの程度なのかとがっかりしたことがあります。

投稿: ましま | 2014年11月18日 (火) 11時04分

『アメリカについていけば100年安心』の名言で有名な親米右翼の岡崎久彦ですが、2人も居ても意味が無い。
岡崎一人で十分なんです。
孫崎 享の役目とは、岡崎久彦とは180度反対の位置からの、発言に有ると思っています。
孫崎 享ですが発言の9割以上は護憲左派と同じ意見であり、同じ外務省キャリア官僚出身の天木さんよりも間違いなく左翼に見える発言を繰り返しているので、
護憲左派での信用度は抜群なのです。
岡崎久彦では逆立ちしても出来ないことを岡崎のの子分の孫崎 享が受け持っていると見るべきでしょう。
CIAは死ぬまでCIAだとの諺が有るのですが、間違いなく日本版CIAの孫崎 享にも当て嵌まるでしょう。

投稿: 宗純 | 2014年11月19日 (水) 15時35分

岡崎、いずれにしても胡散臭い。そういう意味で、最初のコメントで資金豊富な鳩山さんに、「利用されないよう」に、と書いておきました。

投稿: ましま | 2014年11月19日 (水) 19時30分

福島県知事選のときと扱いが同じです。なにか裏が有ると勘繰りたくなります

投稿: 玉井人ひろた | 2014年11月20日 (木) 18時48分

諜報機関あるいはその出身者は、墓場まで持っていかなければならないのに、今は第2の人生の飯のタネにしているようです。

それだけにろくでもないことが多すぎ、総じて国益を損じていますね。

投稿: ましま | 2014年11月20日 (木) 19時46分

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