« 太陽光発電に冷水 | トップページ | 靖国、断固反対に断固反対 »

2014年10月17日 (金)

拉致問題の政略化

 まず最初に、全く同じ事柄を扱った二つの報道記事を見ていただきたい。最初が毎日新聞で次が時事通信だ。

[毎日]家族会からは「代表団派遣は茶番で、北朝鮮のペースに乗せられるだけだ」「調査が不十分な状態で行く必要はない」などの意見が噴出。「現段階での当局者の訪朝は、日本が(再調査)結果に責任を持たされる危険がある」として、派遣を当面見送るよう求める首相あての文書を山谷氏に手渡した。

[時事]会合を欠席した飯塚代表のメッセージを代読。飯塚代表は訪朝を「拙速だ」としながらも、「勝算につなげる覚悟」があるのなら、認める意向を示した。同時に、訪朝団は最小限とし、北朝鮮との交渉は行わず、示された情報は持ち帰って日本で分析するよう求めた。

(中略)家族会には訪朝への慎重論が根強い。家族会は16日夜に開いた集会で、「訪朝は拉致被害者に関する報告を聞ける段階まで待つべきだ」とする申し入れ書を山谷えり子拉致問題担当相に手渡した。

 塾頭は最初に毎日の記事を見て驚いた。「遺族は高齢化し、残された時間は限られている。一刻も早い解決を」というのが、致被害者家族の悲痛な叫びだと思っていた。しかし、これではまるでけんか腰だ。

 北朝鮮当局の発言を一切信用しない、というなら進展する手掛かりもなく、問題は永遠に解決しない。要は、相手の説明がどこまで納得できるかどうかにかかっている。時事の記事を見ても、家族の中で人、立場によって微妙に意見が違う。

 帰還を果した蓮池透さんは「家族会に多様な意見があっていいと主張し、互助会的なものと考えていたが、見事に圧力団体、政治団体に変身してしまった」とツイッターで発言、同会から追い出されるようにして退会した。

 塾頭は、齢からすると横田滋さんに近い。このブログに書いたことような気がするが、塾頭の叔父の戦死公報が信用できず、葬儀はもとより、墓も仏壇も用意できなかった叔母の心境をよく知っている。そのようなけじめがつけられないまま、一生を送らなければならないとすれば、こんな悲惨なことはない。

 北朝鮮に対しては、「憎っき犯罪国」から「いずれは国交へ」まで、国際関係の認識の差、被害者家族の年齢、被害者が親か子か兄弟かまた、女性か男性か、おかれた境遇などでそれぞれに微妙な差があると思う。

 それらを、単純化し政治問題に仕立てた責任の多くは、安倍晋三にあると考えざるを得ない。家族会が外交上のテクニックに口出し、文書まで出して手足をしばるのは逆効果ではないか。政治家・安倍がそう仕向けてしまったとすれば、一種のブーメラン現象といえそうだ。

|

« 太陽光発電に冷水 | トップページ | 靖国、断固反対に断固反対 »

ニュース」カテゴリの記事

東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/57703832

この記事へのトラックバック一覧です: 拉致問題の政略化:

« 太陽光発電に冷水 | トップページ | 靖国、断固反対に断固反対 »