« ”大志”はイスラム国兵 | トップページ | 伊藤博文は「侵略」反対 »

2014年10月12日 (日)

ノーベル平和賞:の反応

 ノーベル平和賞は、パキスタン生まれのマララ・ユスフザイさん(17)と、インド国籍のカイラシュ・サティヤルティさん(60)の2人が選ばれた。これへの反応は、塾頭の見る限り国内主要各紙はこぞって歓迎。紙面は、日本人3人のノーベル物理学賞決定のニュースより大きな扱いとなっているところもある。

 10月11日の「毎日」朝刊は、平和賞に日本国憲法が選外になったことついて政界の反応を次のように伝える。

◆自民党関係者、『受賞すれば改憲の障害になりかねなかった』
◆民主党辻本清美前幹事長代理、受賞が取りざたされたことについて『9条がないがしろにされていることへの危機感だ』
◆共産党小池晃副委員長、『今後受賞すれば、改憲の動きが抑えられる』

◆社民党福島瑞穂副党首、『受賞すれば憲法改悪への批判が高まった。非常に残念』
◆安倍晋三首相、『(同賞は)結構、政治的なんだよね』
◆公明党井上義久幹事長、『受賞に期待感を示していた』

 塾頭の感想は、平和憲法がはずれたことを、福島瑞穂さんのように「残念」とは思わない、むしろよかったとさえ思う。理由はあとでいうが、今回マララさんの受賞を深い感動を持って受け止めた。マララさんは塾頭の孫たちと同じ年代である。

 その年代が学ぶ自由を奪われ、銃弾や原爆に脅かされないようにするためにはどうすればいいか。マララさんの受賞はブログから始まった。ひょっとして弊「反戦塾」も……。それは金輪際ないね(笑)。とにかく、ここは素直にこの先に期待と希望ををつなぐという発想を持ちたい。

 さて、マララさんは、授賞式にパキスタンとインドの首相を招待するという。パキスタン政府は喜んでというか、積極的にこの場を利用したいところだ。マララさんを銃撃した国内のパキスタン・タリバン運動(アフガンのタリバンとは別)武装組織を壊滅させるため、国際的協力を得たいのだ。

 また、そのためには、領土問題を抱えるカシミール地区で、最近も武力衝突を起こしたインドとの和平を実現させたいという願いがある。一方インドの方は、伝統的な階級制度などに端を発する貧富の差が不就学児童を多くしており、あくまでも内政に関する不備が原因だ。表舞台に立つことは、同国の恥部をさらすことになる。

 インド当局は、サティヤルティ氏の受賞に反対はしなくても、授賞式はパスしたいと思うかもしれない。しかし、簡単にボイコットともいかないだろう。仮に両国首脳が出席し、カシミールの歴史的対立を解決するきっかけを作り、両国の核武装放棄にこぎつけるなど、平和賞が裏に潜ませている効果につながれば、平和賞万々歳だ。

 これまで、国民がノーベル賞を受賞した国の対応には3通りある。ひとつは、国民の名誉として歓迎する当然の態度である。その反対に、中国のように、チベットで非暴力による解決を望んたダライ・ラマ14世や民主活動家・劉暁波さんの受賞に対して、「内政干渉」だと反発、国内に報道もしなかっという敵視政策である。マララさんについては、イスラム過激派が同じ態度をとるはずだ。しかしほとんどのイスラム教徒が、女性の地位向上を妨害するような教義はない、と信じているだろう。

 もうひとつが、ミャンマーのアウンサンスーチーさんのケースだ。ほとんど鎖国状態の軍事政権が自宅軟禁を解かず21年後にやっと受賞演説ができたという。受賞を無視したものの、やがて国際常識にそった解決に向かったケースである。

 そこで、冒頭書いた日本国憲法のイフを考えてみよう。受賞者が「日本国民」であれば安倍首相が代表して授賞式に臨まなくてはならない。しかし、集団的自衛権発動を可とする解釈改憲を閣議決定したばかりで、憲法改正を政治的信念とする首相は、チョット行けそうにもない。

 そうすると、中国のように「内政干渉」と決めつけて決定に反対をするのか。あるいは、第3の抜け道をさがすのか。『結構、政治的なんだよね』という彼の評価からすると、そのいずれかに行きつくかもしれない。

 そうなれば、国内に大混乱を招き、あらぬ方向へひた走る戦前のようなことにもなりかねない。平和賞は、総理が晴ればれしい顔で授賞式に臨めるようになり、全国民がこぞって祝福できるようになってからでいいのだ。それができない国民には、受賞の資格がない。 

|

« ”大志”はイスラム国兵 | トップページ | 伊藤博文は「侵略」反対 »

反戦・軍縮」カテゴリの記事

コメント

ばかばかしい。
クソ9条なんかにノーベル平和賞が決まっても、改憲政党である自民党党首の首相がもらいにいくわけ無いだろうに。

平和賞をありがたがるのって、9条信者の「日本にいる市民」という、特殊な人間だけだろ。

投稿: makoto | 2014年10月13日 (月) 03時09分

反知性主義の見本として永久に残しておきたいような立派な『お馬鹿コメント』ですね。
論理や知性が無いだけではなくて、
知性そのものに対する(恐怖の裏返しとしての)憎悪が際立っています。
それにしても、日本にはアンチ左翼としての反知性主義は生まれたが、
とうとう本物の右翼が育たなかったと言うことでしょう。

投稿: 宗純 | 2014年10月14日 (火) 16時40分

レスポンス不能のコメントととして、そのまま展示しておきました。

戦前の大物右翼は、軍を動かす力がありました。戦後は、三島由紀夫の芝居に乗る自衛隊員はいなかった。石原慎太郎や田母神俊雄ではとても無理でしょう。

もっとも、総理が右翼ではその張合いもないということか。ネトウヨは、それらとは全く違う新人類なんですかね。

投稿: ましま | 2014年10月14日 (火) 20時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/57655319

この記事へのトラックバック一覧です: ノーベル平和賞:の反応:

» 今年のノーベル賞に思ったこと [虹色オリハルコン]
9条も村上春樹さんも残念だったけれど、今年の青色発光ダイオードの研究者の皆さんのノーベル物理学賞受賞は快挙でした。 エネルギーの意識レベルを測った時に、「省エネをする」ということも、とても高かったので、消費電力の少ないLEDが普及することは未来につながる...... [続きを読む]

受信: 2014年10月12日 (日) 21時00分

» ノーベル平和賞受賞者(マララさん)の印象と今後への杞憂 [老人党リアルグループ「護憲+」ブログ]
パキスタンの17才の女子学生マララさんが史上最年少で、しかもパキスタンでは初のノーベル賞を受賞したことが、昨日(10日)夕方6時頃の臨時ニュース(字幕)でながされ、下馬評では日本国憲法も有力視されていただけに正直一瞬がっかりしました。 しかしその後すぐ...... [続きを読む]

受信: 2014年10月13日 (月) 09時58分

« ”大志”はイスラム国兵 | トップページ | 伊藤博文は「侵略」反対 »