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2014年10月

2014年10月30日 (木)

70年前の《今》③

【1944年(昭和19年)甲申】

9.28 最高戦争指導会議、「対ソ施策に関する件」を決定。ソ連の中立維持・利用を図る。
9.18 ローズベルト・チャーチル、ハイドバーク協定調印。原爆開発の米英独占・対日使用を検討。
9.30 神道・仏教・キリスト教の宗教家30万人、大日本戦時宗教報国会結成。

10.11 ソ連軍、東プロシアで独国境線突破。
10.12 台湾沖航空戦。大本営、嘘の「大戦果」を発表。
10.18 兵役法施行規則改正公布。17歳以上を兵役に編入。

10.24 フィリピン・レイテ沖海戦開始。空母4隻・戦艦3隻ほか26隻と航空機215機を失い、連合艦隊は事実章壊滅状態。
10.23 農商省、ガソリンの代用品として松根油の大増産を決定。(松根油については塾頭も協力した↓)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post-5e1a.html

11.3 陸軍、千葉県一宮・宮城県大洗・福島県勿来から風船爆弾9300発を放球開始。(和紙とこんにゃく糊で作り、制作工場には公演中止の有楽町・日劇も使われた。偏西風で米大陸を狙ったが戦果は山火事が認められた程度←塾頭)
11.10 南京国民政府主席汪兆銘(蒋介石総統は重慶に。汪兆銘政府は日本の傀儡←塾頭)名古屋で死去。

11.24 マリアナ基地のB29約70機、東京を空襲。以後、日本本土各地への爆撃が本格化。
12.7 東南海地震。大地震と津波で死者998人、家屋全壊2万6130戸。
この月 軍需省、毛皮を飛行服、肉を食用にするため、飼い犬の強制的供出を決定。大は3円、小は1円。

【続編】④以降は来年に開始します。(塾頭)

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2014年10月29日 (水)

70年前の《今》②

【1944年(昭和19年)甲申】

4.1 6大都市の国民学校(昭和16年に小学校を国民学校と改称←塾頭注)で一食7勺の給食を開始(1勺は米の容積で0.18デシリットル・パン・イモ等の代用食も併用←塾頭注)
4.20 東京都内の幼稚園、無期限閉園
この月 軍令部、特攻兵器の回天・震洋を実現。

6.16 米軍サイパン島に上陸。7.7 日本軍守備隊3万人玉砕、住民死者1万人。
6.16 中国成都からの米軍のB29爆撃機、八幡製鉄所を爆撃(B29による本土初空襲)。
6.19 マリアナ沖海戦始まる。太平洋戦争中最大の日米艦隊決戦で、空母3隻・航空機430機を失って惨敗。

6.23 北海道洞爺湖畔で大噴火、新火山(昭和新山)生まれる。
この月 目玉抜きの魚が出回る。大量のビタミンBを含む魚眼を強壮剤にして航空兵等に供給したため。
7.4 大本営、インパール作戦の中止を命令(作戦参加10万人中、死者3万人・戦傷病者4万5000千人)。

7.18 マリアナ沖海戦の敗北サイパン島陥落を契機に東条独裁体制への不満が表面化。重臣・皇族らの内閣打倒工作で、東条内閣総辞職。
7.20 独国防軍によるヒトラー暗殺計画失敗(7・20事件)。(日本で東条暗殺計画もあった←塾頭注)
7.21 米軍、グァム等上陸。8.10 守備隊1万8000人玉砕。
7.22 小磯国昭(陸軍大将)内閣成立。

8.1 家庭用の砂糖、配給停止となる。(海上輸送が困難になり備蓄確保を図ったのか、バイオ燃料原料として着目したのかよくわからないが、北海道産の甜菜糖を甘味料として使うことが奨励された。戦後、なぜか急にコメの代わりとして茶色の粗糖が配給になる。仕方ないからカルメ焼きにして食べた←塾頭注)

8.4 政府、一億国民総武装を決定。竹槍訓練などが本格化。/学童疎開第一陣198人、上野を出発。
8.22 沖縄からの疎開船対馬丸、米潜水艦の攻撃で沈没し、学童738人を含む1508人が死亡。
8.23 学徒勤労令公布。女子挺身勤労令公布。
この月 鹿島組、花岡鉱山で中国人連行者986人を強制就労、死者続出。

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2014年10月28日 (火)

70年前の《今》①

 来年は第2次世界大戦終結後70年で、マスメディアにおける記念特集・特番、記念行事、回顧録などなど、日本だけでなく世界を通じてにぎやかなことになるのだろう。

 しかし、回顧はその1年前から始めても悪くない。その方が立体的になる。そこで、本塾がたびたびお世話になる小学館の『20世紀年表』から、勘所を抜粋させていただくことにした(カラー文字は強調のため塾頭による)。

【1944年(昭和19年)甲申】
1.7  大本営、インパール作戦を認可。インド東北部の攻略をねらう。3.8 作戦開始。
1.20 ソ連軍、レニングラード攻防戦で独軍を撃退。
1.29 『中央公論』・『改造』の編集者検挙。11月、日本評論社などの関係者検挙。45年4月~6月、多数の言論知識人が検挙(横浜事件)。

2.17 米機動部隊、トラック島を空襲。日本海軍、艦船43隻・航空機270機を失う。
2.21 東条首相(陸相兼任)、参謀総長も兼任。軍政両面で独裁体制確立。
2.23 『毎日新聞』の「竹槍では間に合わぬ」に東条首相が激怒。新聞を差し押え、執筆記者を懲罰召集
この月 東京都で増水食堂開設/疎開奨励で、東京旧市内の土地・建物の価格が下落。近郊では価格が暴騰、10年前の1000円程度の家が1~2万円に。

3.7 政府、学徒動員の通年実施を決定。
3.31 米機動部隊、パラオに来襲。古賀連合艦隊司令部総長殉職。
この月 宝塚歌劇団最終公演。ファンが殺到、警官隊が抜刀して整理/警視庁、高級料理店・待合・芸妓屋などを閉鎖。芸者・女給・仲居など1万8000人が転廃業/旅行輸送制限のため片道100Km以上の旅行には旅行証明書が必要となる/松竹少女歌劇団、解散して松竹芸能本部女子挺身隊となる。

【以下次回】 

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2014年10月27日 (月)

中東用語メモ(前承)

 前回の”どうなる「アラブ国」”は、塾頭ペースに過ぎて、”中東用語”濫発で終わった。理解を深めるためには「用語」をどう解釈するかが肝心だ。正確にはWikipediaその他で学問的な定義をしなければならないが、その余裕も能力もないので、ここは「余談ながら」といったことにしたい。

■イスラム原理主義
 もともとは、キリスト教原理主義からきている。したがってイスラム原理主義というのは、新しい造語である。キリスト教の場合、福音書に重きを置くプロテスタントの中でも原典に忠実で、新しい解釈を排し、予言を正しいものとする主義である。それをイスラムに応用したもの。

 当初、エジプトを中心に周辺国に広がるイスラム同胞団や、アフガンにおけるタリバンなどを称した。最近は、その後他の過激派武装組織を含め総称されるようになってきた。もともと、神以外の権威・権力を否定する考えが強いイスラム教にあってサウジアラビアは王族が支配する国である。しかし、聖地メッカを擁し、ムスリムの保護者を認じていることから、戒律も厳しく、その点ではより原理主義に近い。

 イランを原理主義と称することはあまりないが、世俗的なパーレビー王朝を崩壊させたシーア派宗教指導者ホメイニの革命は、原理主義復活の様相を示していた。宗教指導者が政治を上回る権威を保持している点は、タリバンにおけるオマル師の存在と同様である。

■タリバン
 アフガンの内乱に際し、ソ連軍が集団的自衛権を口実に侵攻してきた時、これら対抗したのがイスラム武装集団・タリバンである。さらに義勇軍として、湾岸諸国などの若者が加わった。その中心人物がウサマ・ビンラディンである。

 その彼を背後から支持・援助していたのがアメリカであった。しかしその後、パレスチナにおけるイスラエルの横暴を黙視し、湾岸戦争ではサウジに基地を置いてき、女性兵士で聖地が蹂躙されたなどの理由から、彼がアメリカに敵意を抱くようになる。

 9.11事件の有力な計画犯人と断じたアメリカは、ソ連敗退後タリバンが権力を握った政権を握っていたアフガンに対し、彼を逮捕引き渡すよう求めた。アフガンは熟議の上オマル師の指導もあってこれを断った。コーランには、客人があって、たとえそれが親の敵であっても3日間は歓待しなければならないという教えがある。砂漠の厳しい生活環境がそれを要求する。

 親の敵どころか、ソ連を撃退した恩人でもある。「はい。それでは」というわけにはいくまい。アメリカは、自衛権の発動という理由で、国連の決議をたてに同志国と共にアフガンに攻め入り政権を倒した。それ以来タリバンをテロリストと位置づけ国家の「敵」とすることになった。

 ご承知の通りビンラディンは、パキスタンの隠れ家で、いきなり踏み込んできた米特殊部隊に逮捕され、連行途中の船上で殺害された。パキスタンにとっては、明らかな主権侵害だがそれに抗議する力はない。

 前回、パキスタン・タリバン運動という同国内過激派が分裂し、その一方が「イスラム国」に加担することを決めたというニュースを書いた。その中でただ一つの真実は、アメリカがあれだけの犠牲を払いながら、パキスタン・アフガンともにアメリカに憎悪を抱いても好意をもつ住民がゼロに等しいということだ。

■アルカイダ
 かつて、志願兵などをアフガンで養成・訓練したのが始まりとされる。これまで、世界に散らばった過激派武闘集団やナイジェリア、マリのボコ・ハラムなども当初そういう言われ方をしてきた。しかし、塾頭はいささかそれに疑問を持っていた。

 というのは、ビンラディンがそういった世界戦略があって、集団を指揮命令するような力があると思えなかったからだ。ただし、思想的感化を受ける可能性はある。9.11に彼がかかわったとしてもその程度であって具体的戦術は現場主義だったのではないかと想像する。

 イスラム国はアルカイダから破門されたという。その表現が当たっているかどうかは別として、綿密な計画性が見られるイスラム国とアルカイダは異質な感じがする。アルカイダに、昔の威力がなくなったと評する解説もある。

 塾頭は、当初イスラム国が「国」を名乗ることは原理主義との原則から見て矛盾があるという気がした。しかし彼らはそれを最初から意識して、アルカイダとは違うぞ、という意気込みと力を誇示したかったのではないか。

 それが成功するとも考えられないが、ブッシュ時代の「テロとの戦い」では対応できず、発想の転換を迫られている時代がきたという現実を、世界に突きつけていると見て間違いないだろう。

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2014年10月26日 (日)

どうなる「イスラム国」

 
 朝日新聞デジタル(10/25)によると、エジプト・シナイ半島北部のアリーシュ近郊の軍検問所で24日、自動車爆弾などによる連続襲撃事件があり、治安部隊の兵士少なくとも31人が死亡した。アハラム紙(電子版)が伝えた。シーシ大統領は同日、シナイ半島北部の一部に3カ月間の非常事態を宣言したとエルサレム発で伝える。

 この事件は、速報として各紙で伝えられており、読売はカイロ発でロイター通信などを引き次のように伝えた。

エジプト北東部シナイ半島のアリーシュにある軍の検問所で24日、車を使った爆弾テロが2件発生し、同国軍兵士ら少なくとも33人が死亡した。

同国政府は同日夜、緊急会議を行い、半島北部で非常事態宣言の検討に乗り出した。犯行声明は出ていないが、イスラム過激派組織「アンサール・バイトルマクディス」の犯行の可能性がある。この組織は、過激派組織「イスラム国」との関係が指摘されている。

 塾頭は、この事件に深い関心を持っており後続の情報が待たれる。エジプトでは昨年7月にイスラム系のムルシ政権が軍主導クーデターで倒れた後、軍や警察を狙った過激派の攻撃が相次いでいる。

 前述の朝日記事によると、今年2月におきたシナイ半島で観光バス爆破事件では、イスラム過激派「エルサレムの信奉者」が犯行声明を出したとしているが、本当の犯人は全く見当がつかない。

 この地域は、イスラエルとエジプト(シナイ半島)を挟んだ形でガザ地区(パレスチナ)が存在し、過去の中東戦争の原点といっていい位置にある。それぞれの国境に秘密地下トンネルなどがあり、武器・人員を流出入させているなどとされ、已然として火種をかかえた場所である。

 ガザ地区を支配するハマスや、エジプトで最近まで権力支えていたのがいずれも「イスラム原理主義」集団とされている。またムスリム同胞団は、国境を越えた慈善活動などで民衆の支持があり、誘拐とか残虐に精出す一匹狼的過激派集団とは違う。

 そういった中で忽然と現れたのが「イスラム国」である。イスラムの原点に帰れ、というのは他の原理主義と同じである。ただ大きく違うのは「現実とどう折り合うのか」という点で、イスラム国は妥協を一切排除しているように見えることだ。

 その、現実否定の頑なさが、現実逃避を求める世界の若者を引き付けているような気がする。アメリカ、カナダで個人による殺傷テロが連続して起きた。日本でも北大生のシリア渡航計画が露顕した。身辺取材によると、いずれもイスラム教典やアラビア語はにわか勉強で、どこまでコーランを理解しているか疑問だ。

 どうやら、イスラム国を自殺の聖地と考えたのだろう。一種のブームになっても、世界が心配するような事態にはならないように思う。それより、パキスタン・タリバン運動の一部やアフリカで活動する過激派が、イスラム国と同調するという傾向の方が心配だ。

 さらに、あり得ないと思うがムスリム同胞団や、リビア、ロシア、中国のイスラム勢力などが弾圧を受け、その一部にしろ「イスラム国」になだれを打つよう事態になれば、世界の不安定さが一挙に表面化することになるだろう。

 

 【追補】
 まだ確認した情報ではないが、26日午後7時のNHKTVのニュースで、イスラム国がレバノンに侵攻しヒズボラと戦闘中。イスラム国は、レバノンのスンニ派イスラム教徒の支持を得て、地中海沿岸に拠点を得ようとしている、といった内容のようだった。

 ヒズボラは、レバノン・シリアのシーア派軍事組織で、これまではイスラエルにとって、前述のシナイ半島の反対側に位置する敵対勢力だったが、イスラム国がとって代わろうとしていることになる。レバノンは、キリスト教、イスラムシーア派、同スンニ派3勢力の均衡で保たれた政治基盤のもろい国だ。

 塾頭は、アラブ国空爆などの姑息な手段でなく、アメリカが全力を尽くさなければならないのは、パレスチナ問題解決のためにイスラエルに働きかけ、解決を急ぐべきだとしてきた。

 しかし、下手をするとそれも手遅れとなりかねない。イスラム国自体が自爆して終息するか、中東最終戦争にまで拡大するのか。「神のみが知る」という混とん状態になりかねない様相を呈してきた。

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2014年10月23日 (木)

戦争OKの変な若者

 TVをなんとなく見ていたら 「戦争がはじまってあなたに行け、といわれたらどうしますか」という街録に、若い男性2人が答えていた。一人は「行かない」とはっきり答え、もう一人は「みんなが行けば……」 という答えをしていた。

 「みんなが行けば……」。職場の 団体旅行であるまいし、なんと軽い主体性のない答えだろう。まあ、戦争をその程度にしか考えていないということか。また、今月8日に、”大志”はイスラム国兵、という題で、イスラム国へ兵士志願で渡航しようとした北大生が、その直前に逮捕されたことを記事にした。

 「反戦塾」だから、こういった若い人の考えが気になるのは当然だ。そういえば、”31歳フリーター。希望は、戦争”というのがあった。これもかつて記事にしたが、07年のことだ。古い話で中身はほとんど忘れていた。

 赤木(智弘)さんが投げかけた論考で、「丸山真男をひっぱたきたい」という題名でも人目を引いた。それが、家にもあったはずだが、と思ったが何に載っていたのかを忘れた。しかし便利なものだ。ネットで検索したら、朝日新聞の『論座』2007年1月号だった。

 さらに、ありがたいことにA4で5ページほどの全文が公開されているではないか。早速読み返して見た。それが8年近く前なのに、貧富の格差だとか、右傾化だとか、革新陣営(リベラル)の無為無策・冷淡さの指摘など、今書いたと言われても全く不思議ない内容だ。

 なんと、それは第1次安倍内閣の真っただ中だったのだ。衣食住の確保さえままならなかった塾頭世代から見ると、テレビゲームにも似た他愛のない戦争観だ。しかし、生活への不満、先が見とおせない閉塞感など、軍部の跳梁を招いた戦前の様相を連想させる、かなり危険なアベノミクスの始まりだったと言わざるを得ない。

 「丸山真男をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」(抜き書き、⇒は中略)
http://t-job.vis.ne.jp/base/maruyama.html

平和とはいったい、なんなのだろう?⇒
 北朝鮮の核の脅威程度のことはあっても、ほとんどの人は「明日、核戦争が始まるかもしれない」などとは考えていないし、会社員のほとんどが「明日、リストラされるかもしれない」とおびえているわけでもない。平和という言葉の意味は「穏やかで変わりがないこと」、すなわち「今現在の生活がまったく変わらずに続いていくこと」だそうで、多くの人が今日と明日で何ひとつ変わらない生活を続けられれば、それは「平和な社会」ということになる。⇒

安倍政権は「再チャレンジ」などと言うが、我々が欲しいのは安定した職であって、チャレンジなどというギャンブルの機会ではない。
 そして何よりもキツイのは、そうした私たちの苦境を、世間がまったく理解してくれないことだ。⇒

格差問題の是正を主張する人たちは、高齢者が家族を養えるだけの豊かな生活水準を要求する一方で、我々若者向けには、せいぜい行政による職業訓練ぐらいしか要求しない。弱者であるはずなのに、彼らが目標とする救済レベルには大きな格差が存在するように思える。
 どうしてこのような不平等が許容されるのか。それはワーキングプアの論理が「平和な社会の実現」に根ざす考え方だからだと、私は考える。平和な安定した社会を達成するためには、その人の生活レベルを維持することが最大目的となる。⇒

 会社は安直に人件費の削減を画策し、労働組合はベア要求をやめてリストラの阻止を最優先とした。そうした両者の思惑は、新規労働者の採用を極力少なくするという結論で一致した。⇒

平和な社会を目指すという、一見きわめて穏当で良識的なスローガンは、その実、社会の歪みをポストバブル世代に押しつけ、経済成長世代にのみ都合のいい社会の達成を目指しているように思えてならない。このようなどうしようもない不平等感が鬱積した結果、ポストバブル世代の弱者、若者たちが向かう先のひとつが、「右傾化」であると見ている。⇒

 また、彼らが不満や被害者意識を持っているというなら、なぜ左傾勢力は彼らに手を差し伸べないのか。若者にしてみれば、非難の対象はまさに左傾勢力が擁護する労働者だ。⇒小泉政権は改革と称して格差拡大政策を推し進めたし、安倍政権もその路線を継ぐのは間違いない。それでも若者たちは、小泉・安倍政権に好意的だ。韓国、中国、北朝鮮といったアジア諸国を見下し、日本の軍国化を支持することによって、結果的にこのネオコン・ネオリベ政権を下支えしている。⇒
 
 

戦争は悲惨だ。
 しかし、その悲惨さは「持つ者が何かを失う」から悲惨なのであって、「何も持っていない」私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる。
 もちろん、戦時においては前線や銃後を問わず、死と隣り合わせではあるものの、それは国民のほぼすべてが同様である。国民全体に降り注ぐ生と死のギャンブルである戦争状態と、一部の弱者だけが屈辱を味わう平和。そのどちらが弱者にとって望ましいかなど、考えるまでもない。⇒

 かつて思想犯としての逮捕歴があった丸山は、陸軍二等兵として平壌へと送られた。そこで丸山は中学にも進んでいないであろう一等兵に執拗にイジメ抜かれたのだという。⇒一等兵にとっては、東大のエリートをイジメることができる機会など、戦争が起こらない限りはありえなかった。⇒一方的にイジメ抜かれる私たちにとっての戦争とは、現状をひっくり返して、「丸山眞男」の横っ面をひっぱたける立場にたてるかもしれないという、まさに希望の光なのだ(後略)。

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2014年10月22日 (水)

アメリカのあきれた敵塩

【AFP=時事】英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は21日、シリア北部の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)を防衛するクルド人部隊に向け米軍が投下した武器の一部が、同町への攻撃を続けるイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の手に渡ったと発表した。

 米軍は19日夜、コバニを防衛するクルド人部隊を支援するため、武器や弾薬、医療品が入ったパラシュート付きの箱を投下していた。

 シリア人権監視団によると、イスラム国は投下物資のうちの1個を入手。さらに2個目も手に入れた可能性がある。一部の情報筋は、2個の物資がイスラム国の手に渡ったとしているが、ミスに気付いた米主導の有志連合の戦闘機がうち1個を破壊したとの情報もある。

 中東の米軍部隊を指揮する米中央軍(US Central Command)は20日、投下した27個の物資のうち1個が予定とは違う場所に投下されたが、イスラム国に奪取されるのを防ぐために米軍の戦闘機によって破壊されたと発表していた。http://www.afpbb.com/articles/-/3029531?ctm_campaign=txt_topics

イスラム国の攻撃にさらされているクルド人部隊に武器などを支援するため、米軍機が投下した物資が誤って相手のイスラム国側の手に渡ってしまった(写真あり)。さらに追加して敵の手に渡るのを防ぐため、その1個を戦闘機が破壊したという。

 書いてはないが、破壊されたのは無人機だったかもしれない。そこに有志連合機がいたとすれば、シリア上空でないことも考えられる。アメリカは、このばかげた攻撃で一体何万ドル損をしたのだろうか。お人よしのアメリカ人もさすがに我慢はできまい。

 このところ、ずーと中途半端なオバマの先が見えてくる。こういったわけのわからない戦争に協力させられかねないのが、安倍内閣の集団的自衛権発動の閣議決定だ。この方もいずれ先が見えてくるだろう。

追記
[ワシントン 27日 ロイター] によると、 米国防総省は27日、過激派「イスラム国」に対する戦費が1日当たり830万ドルに増加し、8月8日から10月16日までで5億8000万ドルに達したことを明らかにした。100円/$として8億3000万円/日、これが続けば月に約250億円となる。

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2014年10月21日 (火)

経産役人高笑い

 小渕経産大臣と松島法務大臣のダブル辞任となった。井戸端会議では、「小渕さん可哀そう」「うちわぐらいはいいけど、松島さんの会見にのぞむにやけた顔がいや」だそうだ。原発再開問題をかかえる経産省で、素人の小渕さんは「これから勉強」ということだったらしい。

 経産省役人は、彼女の人気で地元の説得を……と考えていたようだが、それより政治資金疑惑が障害となって原発再開が遅れるようなことがあっては困る、と考えていたはずだ。そういえば、民主党内閣時代にも、鉢呂吉雄経産大臣の辞任騒ぎがあった。

 原発事故被災地視察のあと 「まるで死の街同然」といったり、防護服のままの姿で記者にふざけて「放射能を分けてやるよ」といった、という法律以前の問題で辞任させられた。今度の宮沢洋一新大臣も、宮沢喜一氏などそうそうたる血統を受けついでいるが、やはりこれから勉強だ、ということらしい。

 大蔵官僚の経験もあり、政策通だそうだが、原子力村役場のような資源エネルギー庁のご進講を丸呑みしてもらえるのではないか、と経産役人の高笑いしている姿が見えるような気がする。エネルギー問題は非常に奥深い。Dscf4306_2

 例をげると、日本は海底に眠っているメタンハイドレードで資源大国になれるかも知れない。そんなことも含めて原発一本やりでない脱原発論者のご進講も、しっかりと受けてほしい。カットは江戸時代のメタン利用例。(入方村火井の図(葛飾北斎画)『北越奇談』)

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2014年10月20日 (月)

小渕大臣と死せる孔明

 小渕経産大臣辞任の記者発表があった。自らの政治資金の私的使用はなかったと弁明したが、講演会の収支報告については、参加者全員からの会費入金は証拠書類コピーを提示したものの、その収支記帳はあったりなかったりで不明朗のまま、小渕大臣にも理由が分からず、第三者による調査委員会を設け調査するという。

 そうすると、この事件は監督責任のある小渕氏は別として、講演会幹部に大きく疑惑がかかってくるわけだが、会見の冒頭で「講演会の皆様にも大変お世話になっており、心からお詫びを」などと言って気配り優先だ。

 会見場の雰囲気は、安倍内閣で将来総理候補にもなれる、優秀で若い女性議員ということからか、一敗地に塗れた負け犬という追及の有様ではなかった。この先頑張るだろうが、残念ながら議員としてはすでに死に体である。

 そこで、やや遠い比喩になるが「死せる孔明、生ける仲達(司馬懿の字)を走らす」という『三国志演義』の文句を思い出した。テレビでは見せ場の映像がとれる会見だが、特番とするなど大騒ぎする内容ではない。

 蜀を支えた天才的軍師・諸葛孔明の死を隠し、木像を積んだ車を戦場に向けたところ、それを恐れた魏軍が攻撃をやめて散りぢりになってしまったという故事だ。記者は、後援会のあり方を含め、原発再開やTPPなどもっと安倍内閣の今後に関する影響についても追及すべきだった。

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2014年10月19日 (日)

出てこい出てこい池の鯉

ぼくちゃんが手を叩くと寄ってくる。

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2014年10月18日 (土)

靖国、断固反対に断固反対

2014.10.17 「産経ニュース」

安倍晋三首相が靖国神社に「真榊」を奉納し、超党派の議員連盟が参拝したことに関して「中国は、靖国神社に関する日本国内のマイナスの動向に対して、重大な関心を表明し断固反対する」との談話を発表した

 安倍首相をはじめ保守政治家たちもさることながら、中国外務省もすかさず判でついたように「断固反対」声明を出した。こういうばかなことは、いいかげんやめてほしい。首相の公式参拝に断固反対したり、A級戦犯の分祀などを考えるのは日本人がする。

 現に小泉首相の参拝後には、日本国内でそういった議論が沸騰し、いい線まで行っていたのだ。それが最近下火になって消えかかっているのは、敢えて言えば中国などの内政干渉的態度に一半の責任がある。

 ことあるごとに、靖国神社が宣伝をかねた記者発表をする。それを競ってマスコミ各社が賛否のいかんにかかわらず報道する。そうして中国などの反応を見てまたこれを書きたてる。中国では考えられない言論の自由が跳梁する世界だ。

 それを自国の基準で、多分国内向け効果も計算した上のことだろう。しかし、中国外務省の断固反対声明で最も喜ぶのが日本の右翼だ。度重なる反日声明で、ますます日本の批判勢力が委縮してしまう現状を考えているとは、とても思えない。

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2014年10月17日 (金)

拉致問題の政略化

 まず最初に、全く同じ事柄を扱った二つの報道記事を見ていただきたい。最初が毎日新聞で次が時事通信だ。

[毎日]家族会からは「代表団派遣は茶番で、北朝鮮のペースに乗せられるだけだ」「調査が不十分な状態で行く必要はない」などの意見が噴出。「現段階での当局者の訪朝は、日本が(再調査)結果に責任を持たされる危険がある」として、派遣を当面見送るよう求める首相あての文書を山谷氏に手渡した。

[時事]会合を欠席した飯塚代表のメッセージを代読。飯塚代表は訪朝を「拙速だ」としながらも、「勝算につなげる覚悟」があるのなら、認める意向を示した。同時に、訪朝団は最小限とし、北朝鮮との交渉は行わず、示された情報は持ち帰って日本で分析するよう求めた。

(中略)家族会には訪朝への慎重論が根強い。家族会は16日夜に開いた集会で、「訪朝は拉致被害者に関する報告を聞ける段階まで待つべきだ」とする申し入れ書を山谷えり子拉致問題担当相に手渡した。

 塾頭は最初に毎日の記事を見て驚いた。「遺族は高齢化し、残された時間は限られている。一刻も早い解決を」というのが、致被害者家族の悲痛な叫びだと思っていた。しかし、これではまるでけんか腰だ。

 北朝鮮当局の発言を一切信用しない、というなら進展する手掛かりもなく、問題は永遠に解決しない。要は、相手の説明がどこまで納得できるかどうかにかかっている。時事の記事を見ても、家族の中で人、立場によって微妙に意見が違う。

 帰還を果した蓮池透さんは「家族会に多様な意見があっていいと主張し、互助会的なものと考えていたが、見事に圧力団体、政治団体に変身してしまった」とツイッターで発言、同会から追い出されるようにして退会した。

 塾頭は、齢からすると横田滋さんに近い。このブログに書いたことような気がするが、塾頭の叔父の戦死公報が信用できず、葬儀はもとより、墓も仏壇も用意できなかった叔母の心境をよく知っている。そのようなけじめがつけられないまま、一生を送らなければならないとすれば、こんな悲惨なことはない。

 北朝鮮に対しては、「憎っき犯罪国」から「いずれは国交へ」まで、国際関係の認識の差、被害者家族の年齢、被害者が親か子か兄弟かまた、女性か男性か、おかれた境遇などでそれぞれに微妙な差があると思う。

 それらを、単純化し政治問題に仕立てた責任の多くは、安倍晋三にあると考えざるを得ない。家族会が外交上のテクニックに口出し、文書まで出して手足をしばるのは逆効果ではないか。政治家・安倍がそう仕向けてしまったとすれば、一種のブーメラン現象といえそうだ。

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2014年10月16日 (木)

太陽光発電に冷水

 原発に変る自然エネルギーのチャンピオンだった太陽光発電が、政府・電力会社の消極姿勢により早くもその座を脅かされている。九州電力など大手五社が送配電網の容量不足を理由に買い取り手続きを相次いで中断したためである。(以下、東京新聞2014年10月15日 夕刊)

経済産業省は十五日、有識者による新エネルギー小委員会に、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の新規の認定を凍結するなど、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の抜本見直しに向けた素案を示した。年内に一定の結論を出す。再生エネの拡大に貢献してきた制度は、準備を怠ってきた国と非協力的な電力会社の姿勢により二年余りで破綻、大幅に見直すことになった。再生エネ普及の象徴として各地に建設されてきたメガソーラーだが、計画の練り直しを迫られる可能性が出てきた。(後略)

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度> 太陽光、風力、中小規模の水力、地熱、バイオマスの5種類の発電を、国が決めた価格で買い取る制度。民主党政権時の2012年7月に導入され、国の第三者委員会が採算がとれる価格を設定することで再エネ事業者の参入を促してきた。買い取りにかかった費用は「賦課金」として電気料金に上乗せされ、家庭や事業者などすべての電力利用者が負担する。4月からの買い取り価格は、企業などが設置する大規模な太陽光発電は1キロワット時当たり32円、風力は22円などとなっている。

 なにか、政府・電力会社は新エネルギーを目の敵にしているような感じがする。

 塾頭の所論だが、大規模太陽光発電を電力会社が買い取らないのなら、その分で水を電気分解し、電池として水素を作っておいたらどうか。水素は保管しておけるし運搬も可能だ。中学の理科の実験でもできる簡単な原理でコストは限りなくゼロに近い。

 来年には水素を積んだ燃料電池車が発売されるはずだ。車の中で酸素を反応させ再び電気に戻してモーターで走る。ただ、そう簡単にはいかないというのは、水素の容積を小さくするための圧縮や液体化、保管容器の腐食を防ぐ工夫などが必要になる。また、電気に転換するためには、高価な白金触媒を使わなければならない。

 しかし、これらは着々と克服される機運(下記参照)にあり、白金触媒のかわりにカーボンアロイ触媒を使う研究も進んでいる。これらの開発コストや設備費など、安全な新原発を作るための負担とは比較にならない額で済むはずだ。

 なお、水素は爆発するから危険だ、などという反対論者の発言をTVで聞いたが、気体の軽さから言えば、水素、都市ガス、空気、プロパンガスの順で、福島原発建屋のように洩れたガスが密閉された天井に滞留しない限り、爆発の危険は最も少ない。

【日本経済新聞 2013/8/8  記事】
水素を液体化、体積500分の1に 千代田化工建設の新技術を聞く

岡田佳巳・千代田化工建設技術開発ユニット技師長
 ――「SPERA(スペラ)水素」と商標登録された新技術の中身を説明してください。

 「有機溶剤のトルエンと水素を化学反応させメチルシクロヘキサン(MCH)という化学物質にして水素を貯蔵・輸送する技術だ。MCHは修正インクやボールペンのインクなどに日常的に使われている。例えばガソリンなどと同じようにためたり運んだりできる」

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2014年10月14日 (火)

台風一過

NHKが、各地の放送局を通じて14日午前6時現在でまとめたところ、台風の影響で鳥取で男性1人が死亡したほか、静岡と愛媛で男性2人が行方不明になっています。

Dscf4296_3   行方不明のうち1人は、仲間と岸壁に釣りに行って高波にさらわれた中国人らしいです。内陸の人で海や高波を軽く見たのでしょうか。痛ましい限りです。

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2014年10月13日 (月)

伊藤博文は「侵略」反対

 本塾は、いわゆる「歴史認識論争」を、第一次世界大戦以降について論ずべきだという主張を持っている。別に今年が同戦争の100年目に当たるからなどではなく、それ以前に際限なくさかのぼっても、問題の本質から遊離し論点をあいまいにするだけで益がない、と思っているからだ。

 塾頭は、明治維新からの現代史に対して、皇国史観でもなく、唯物史観でもなく、自虐史観でもないものがないかという目で史資料判断したいと心がけているつもりだ。第一次大戦以前は、国策として大陸侵略を考えていなかったということで、これには、当然反対意見がある。

 このブログでは、2014年7月12日の「潮目の第一次大戦」でそれを書き、以後「第一次世界大戦年表」をシリーズとして書いたが(カテゴリINDEX参照)、論考としてはずさんの謗りを免れ得るものではない。

 今回も、伊藤博文の事績、発想を補足として上記に付け加えることで、お許しいただくとして、内外ともにそういった論争のスタートラインを、いずれは確定されるよう願っているのである。(下記はいずれも大杉一雄『日中戦争への道』所載)

【日清戦争・山縣有朋召還事件】
第一軍司令官・山縣有朋は朝鮮における戦勝に乗じ、大本営の意向に反して、満州の山海関攻略ひいては首都北京までも陥れようとした。これに対し伊藤博文首相は戦争の長期化、列強の干渉誘発などを憂慮する高度の政治判断によりこれに反対、明治天皇に勅令を奏請し、病気静養の名目でなお粘る山縣の更迭を行った。

【日露戦争直後の満州問題】
06年(明治39年)5月「満州問題に関する協議会」において、伊藤博文韓国統監が児玉源太郎参謀総長等に「満州は決して我が国の属地ではない。純然たる清国領土の一部である。属地でもない場所に、わが主権の行わるる道理はないし、……満州行政の責任は宜しくこれを清国に負担せしめねばならぬ」とたしなめた(以下略・『外務省の百年』上巻)

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2014年10月12日 (日)

ノーベル平和賞:の反応

 ノーベル平和賞は、パキスタン生まれのマララ・ユスフザイさん(17)と、インド国籍のカイラシュ・サティヤルティさん(60)の2人が選ばれた。これへの反応は、塾頭の見る限り国内主要各紙はこぞって歓迎。紙面は、日本人3人のノーベル物理学賞決定のニュースより大きな扱いとなっているところもある。

 10月11日の「毎日」朝刊は、平和賞に日本国憲法が選外になったことついて政界の反応を次のように伝える。

◆自民党関係者、『受賞すれば改憲の障害になりかねなかった』
◆民主党辻本清美前幹事長代理、受賞が取りざたされたことについて『9条がないがしろにされていることへの危機感だ』
◆共産党小池晃副委員長、『今後受賞すれば、改憲の動きが抑えられる』

◆社民党福島瑞穂副党首、『受賞すれば憲法改悪への批判が高まった。非常に残念』
◆安倍晋三首相、『(同賞は)結構、政治的なんだよね』
◆公明党井上義久幹事長、『受賞に期待感を示していた』

 塾頭の感想は、平和憲法がはずれたことを、福島瑞穂さんのように「残念」とは思わない、むしろよかったとさえ思う。理由はあとでいうが、今回マララさんの受賞を深い感動を持って受け止めた。マララさんは塾頭の孫たちと同じ年代である。

 その年代が学ぶ自由を奪われ、銃弾や原爆に脅かされないようにするためにはどうすればいいか。マララさんの受賞はブログから始まった。ひょっとして弊「反戦塾」も……。それは金輪際ないね(笑)。とにかく、ここは素直にこの先に期待と希望ををつなぐという発想を持ちたい。

 さて、マララさんは、授賞式にパキスタンとインドの首相を招待するという。パキスタン政府は喜んでというか、積極的にこの場を利用したいところだ。マララさんを銃撃した国内のパキスタン・タリバン運動(アフガンのタリバンとは別)武装組織を壊滅させるため、国際的協力を得たいのだ。

 また、そのためには、領土問題を抱えるカシミール地区で、最近も武力衝突を起こしたインドとの和平を実現させたいという願いがある。一方インドの方は、伝統的な階級制度などに端を発する貧富の差が不就学児童を多くしており、あくまでも内政に関する不備が原因だ。表舞台に立つことは、同国の恥部をさらすことになる。

 インド当局は、サティヤルティ氏の受賞に反対はしなくても、授賞式はパスしたいと思うかもしれない。しかし、簡単にボイコットともいかないだろう。仮に両国首脳が出席し、カシミールの歴史的対立を解決するきっかけを作り、両国の核武装放棄にこぎつけるなど、平和賞が裏に潜ませている効果につながれば、平和賞万々歳だ。

 これまで、国民がノーベル賞を受賞した国の対応には3通りある。ひとつは、国民の名誉として歓迎する当然の態度である。その反対に、中国のように、チベットで非暴力による解決を望んたダライ・ラマ14世や民主活動家・劉暁波さんの受賞に対して、「内政干渉」だと反発、国内に報道もしなかっという敵視政策である。マララさんについては、イスラム過激派が同じ態度をとるはずだ。しかしほとんどのイスラム教徒が、女性の地位向上を妨害するような教義はない、と信じているだろう。

 もうひとつが、ミャンマーのアウンサンスーチーさんのケースだ。ほとんど鎖国状態の軍事政権が自宅軟禁を解かず21年後にやっと受賞演説ができたという。受賞を無視したものの、やがて国際常識にそった解決に向かったケースである。

 そこで、冒頭書いた日本国憲法のイフを考えてみよう。受賞者が「日本国民」であれば安倍首相が代表して授賞式に臨まなくてはならない。しかし、集団的自衛権発動を可とする解釈改憲を閣議決定したばかりで、憲法改正を政治的信念とする首相は、チョット行けそうにもない。

 そうすると、中国のように「内政干渉」と決めつけて決定に反対をするのか。あるいは、第3の抜け道をさがすのか。『結構、政治的なんだよね』という彼の評価からすると、そのいずれかに行きつくかもしれない。

 そうなれば、国内に大混乱を招き、あらぬ方向へひた走る戦前のようなことにもなりかねない。平和賞は、総理が晴ればれしい顔で授賞式に臨めるようになり、全国民がこぞって祝福できるようになってからでいいのだ。それができない国民には、受賞の資格がない。 

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2014年10月 8日 (水)

”大志”はイスラム国兵

 「少年よ大志を抱け」。クラーク博士は泉下で泣いているだろう。明治維新、日本開拓の原点に立っていた北海道大学。少年の「大志」はイスラム国兵士志願。そして、軽率かつずさんな準備の果てあっさり御用。

 北海道大学の男子学生(26)=休学中=が、イスラム過激派組織「イスラム国」に戦闘員として参加するためシリアに渡航しようとした事件で、男子学生が最近、イスラム教に入信していたことが関係者への取材でわかった。学生が8月にもシリアへの渡航を計画し、断念していたことも判明。警視庁公安部は、学生がイスラム国の思想に傾倒し、シリア渡航に強くこだわっていたとみて詳しい経緯を調べている。(毎日新聞より)

 当塾は、「イスラム国」がマスコミをにぎわすようになってから、下記の通り数本の記事を書いてきた。イスラム教の歴史、教義、現状、戦争など様々だが北大生の信じられないような行動で、まともに書くのもばかばかしくなった。

・神・仏と正義を考える- 14/09/26 記事
・イスラム国に将来があるか- 14/09/23 記事
・イスラム国空爆は失敗必至 -14/09/16 記事
・米、イスラム国打倒へ- 14/08/23 記事

 彼は、現地に行ったにしても改宗は認められず、兵士採用では合格点が得られず、せいぜいでスパイ容疑で逮捕され、首をちょん切られる役を果たすのが精いっぱいだろう。クラークだけではない。北大まで出してくれた親の嘆き、日本国民の迷惑。26歳の命を犬死させなかったこの結末は、アッラーの神に感謝しなければならない。

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2014年10月 6日 (月)

常任理事国入り?夢でしょ

 やや旧聞に属するが先月26日、安倍首相は国連で常任理事国入りを期待する演説をした。「京の夢は大阪の夢」ということわざがあるが、その程度の話なので取り上げる気もしなかったが書きかけがあつたので続ける。

 読売新聞は、社説で次のようにいう。

国連安全保障理事会の改革は、関係国の利害が複雑に絡むため、実現が難しい。だが、「国連重視」を掲げる日本は率先して取り組むべきだ。
   
 安倍首相がニューヨークでの国連総会で演説した。国連創設70周年の来年に向け、「21世紀の現実に合った姿に国連を改革し、日本は常任理事国となり、ふさわしい役割を担いたい」と表明した。

 (中略)常任理事国入りを目標とする日本、ドイツ、インド、ブラジル4か国(G4)の外相はニューヨークで会合を開き、来年の改革実現に向けて、全加盟国に協力を求める共同声明を発表した。

 今、全加盟国が念願しているのは、第2次世界大戦戦勝クラブから脱却した、時代にそぐう国連改革である。常任理事国だけが拒否権を持ち、しばしば機能不全に陥る安全保障システムではない。前世期の遺物、大国支配意識こそ問題なのである。

 日本は前大戦の敗戦国であり、国連結成間もなく、その理想を骨格にしてできた憲法を70年近く守り続けている。またそれを堅持するという決意があればこそ、新たな国連のありかたを提案できる貴重な資格を持つことになる。

 常任理事国入りでなく、国連改革の旗手になるというのなら、必ず耳を傾けてくれる国があるはずだ。同じ「夢のまた夢」でも、「断固反対」の現常任理事国が1か国ある限り常任理事国入りは無理だ。日本はG4をセットにすればなんとか、と思っているかもしれないが、断固反対国は「ほかの3カ国はよくても日本だけは駄目」というだろう。

  その他の各国も、他の3カ国とは違って「アメリカの票が2票になるだけ」と思うに違いない。いかに途上国へ金をばらまいても、日本の外交はその程度のものだ。集団的自衛権があれば、外交に強くなるどころか、切り札がアメリカしかないようでは、逆の効果しかないことを知るべきだ。

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2014年10月 5日 (日)

香港、そして60年安保

 香港の大規模デモが始まって1週間がたった。数万人規模のデモが続く。以下は日本の60年安保の年。(『20世紀年表』小学館より) 

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・5/14 10万人が国会請願デモ。請願署名1350万と社会党発表。
・5/19 自民党、衆院安保特別委で質疑打ち切り強行。衆院議長清瀬一郎、警官500人を導入、社会党議員を排除し本会議開会。

・5/20 未明、新安保条約を討論なしに自民党単独で可決(以後国会は空転状態で連日国会デモ)。
・5/26 空前の国会デモ(17万人)。

・6/4 安保改定阻止第1次実力行使(国労など早朝スト、全国で560万人参加)。
・6/15 安保改定阻止第2次実力行使580万人参加。右翼、新劇人などのデモに殴り込み60人負傷。全学連主流派(反共産党系)、国会に突入し警官隊と衝突、東大生樺美智子死亡

・6/19 午前0時、33万人が徹夜で国会を包囲する中、新安保条約成立。
・7/15 岸内閣総辞職。
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ボクちゃんの独白

――お爺ちゃんはエライ。中国当局に全然負けていないもん。ボクちゃんもマネしようっと!。
 

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2014年10月 3日 (金)

歴史精査が「朝日」の課題

 朝日新聞の従軍慰安婦や福島原発の事故対応に関する誤報騒ぎがあって、ほぼ3週間たつ。「週刊文春」や「週刊新潮」などは、世間に行き過ぎという声があるのをよそに、毎号あきもせず朝日バッシング見出しを広告の中心に据えている。

 多分それが最大の販売促進策なのだろう。それで気分がよくなる人がいるとすれば、昔の「カストリ雑誌」、今でいえば「脱法ハーブ雑誌」ということになる。天下の文春、新潮など名門は、そのような記事を連綿と続けることはなかった。

 言論の自由だから、それに文句を言う筋合いはない。買って読むのも自由だが、元朝日新聞の勤め先の学校を脅迫したりする自由はない。当塾が、朝日新聞の「病弊」を書いたのは9年も前の05年7月、それからまったく改善されておらず、先月12日に「朝日再建の道」を書いた。

 塾頭は朝日新聞をとっていないのでわからないが、その後抜本的な体質改善策が示された様子はない。そこで、余計なお世話だが、昔の権威復活をひたすら願う塾頭から、ひとつの提案をさせていただく。それは同紙自身が行う「歴史の洗い直し」だ。

 今、中国からも韓国からも「歴史認識」が云々されている。たしかに、安倍首相や右翼を中心に歴史を国粋主義的な観点から見直そうという動きがある。かといって、その両国の主張が100%正しいとはとても言えない。「尖閣」や「姓奴隷」などには、偏見に満ちたずさんなもの、といってもいい内容が多く含まれている。

 一方、朝日新聞はどうだったか。従軍慰安婦を例にとってみよう。この記事が出た頃は、同社役員や幹部は、塾頭と同じ世代か少なくとも戦後生まれではなかったはずだ。まず、強制連行だが、塾頭小学生の頃には在日の友達もたくさんいた。

 大人の間には隠れた差別意識があったことは否定できないが、小学校教育は「同じ天皇陛下の赤子、仲良くしよう」だった。一種の皇民化かも知れないが、創氏改名にもそんな意図があったかも知れない。強制された、というが、張くんも金くんも李くんも名前はそのままだった。

 かつては台湾人同様、朝鮮人にも兵役務がなかったが、終戦間際になると労働力不足で国内の女子学生まで工場に動員する有様、「人的資源」だけが頼りの政府は、どうしても日本人と同様、一億一心になってもらう必要があった。

 そんなわけで、塾頭は、朝鮮人の反感をかう「強制連行」などするはずがない、という印象を持っていた。戦後生まれの一線記者がニセ情報に引っかかったとしても、幹部はなぜ疑問を持たなかったのだろう。「ちょっと変だ。調べ直せ」とならなかったのだろうか。

 「女子挺身隊」の名称は、日本国内でも一般的に使われた。もちろん慰安婦なんかではない。塾頭らは「常識」と思っていたのに朝日の幹部は知らなかったのだろうか。もしそうなら、直近の「歴史」を全く勉強していなかったか、無関心だったということにほかならない。

 「性奴隷」についても言える。日本の公娼制度が、あたかも「性奴隷制度」であるかのような印象が国外だけでなく国内にもある。キリスト教の禁忌をうけない日本の売春の歴史は長い。その間に、公娼制度が発展をとげ、太夫の地位もあこがれの的になるほど洗練されたものになった。

 明治になって法制化されたが、それには「性奴隷」化しないよう種々の規制・配慮がちりばめられている。また、奴隷どころか、絵画、文学、演劇、音楽のなどの分野で芸術的精神文化として扱われることも少なくなかった。

 公娼制度が全廃されたのは昭和33年(1958)で、そんなに昔のことではない。しかし、現在の若者には全く理解できない存在だろう。だから、「姓奴隷」を全否定しろとは言わない。韓国の元慰安婦が「私の存在そのものが証拠だ」と言うのを、「それはウソだ」という資格が誰にあるだろうか。

 何度も書いているが、たとえ証拠はなくとも、前線の軍管理下では何が起きても不思議のない狂気の世界だ。東京裁判でもとりあげられた戦争による人道上の罪に相当する。それを消去しようとする試みは、歴史に対する反逆行為だ。

 朝日新聞は、河野談話の背景や外交措置としての適否も含め、以上のような歴史の検証を徹底的にしなければならない。またそれを忠実に世界に発信していくことを直ちに始めなくてはならない。

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2014年10月 1日 (水)

沖縄知事選、混迷の元凶

 10月に入り、30日の沖縄県知事選公示へ1カ月を切った。当初名乗りを上げた自民党県連が推す仲井真弘多現知事と、同じ保守系ながら辺野古移転反対を強く打ち出す那覇市長・翁長雄志氏のYes、Noを決める一騎打ちかと思った。

 翁長氏は、市議会自民党議員や共産・社民・連合など革新系も一致してこれを支え、公明は自主投票を考えるなど、名護市長選や県内の政治情勢からみて、翁長氏の絶対有利と伝えられていた。

 そこへ、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏が加わった。下地氏の公約は辺野古の問題は県民投票で、というもので、前の2人の決戦で決まるのに「なんで……」という感じがしていた。そしてここに来て、民主党県連代表の喜納昌吉氏が突如名乗りを上げた。

 出馬の理由として、翁長氏は、仲井間知事の辺野古埋め立て認可を取り下げると公約しないから、それを公約とするためにという。喜納氏は沖縄出身の有名なミュージシャンで過去参院議員にも当選していた。

 しかし、民主党本部はかつて鳩山首相の首とひきかえに「すくなくとも県外」という公約を撤回したいきさつがあるため喜納氏の公約を認めるはずがない。喜納氏の方は、「翁長氏の反対には根拠がない。たとえ除名されても反対の立場を貫く」と意気軒高である。

 マスメディアから放逐され、小沢一郎氏をブログで応援したりしている植草一秀氏が早速沖縄に乗り込んで喜納を持ち上げている。これを一番喜んでいるのは、いうまでもなく仲井間陣営である。

 自民党の菅官房長官は、「辺野古沖埋め立てはすでに過去の問題である」と、一見涼しい顔をしている。知事が誰になろうとも、当初計画の変更はないという態度の表明であろう。たしかに、一度認可した埋め立て許可を取り消すとか取り下げるなどということが、法的にできる可能性は薄い。

 民意の決定を理由に裁判に持ち込んでも敗訴になるという弁護士もいる。翁長氏がそれを越えてどう反対を具体化するかが見えないところを突かれた。また、それらに呼応するように、雑誌『WILL』や『正論』などで評論活動を展開する江崎孝氏などによる翁長氏追い落とし活動も活発化している。

 こうなると、スコットランド独立投票を横目に、沖縄独立投票も視野にいれているというう下地氏の路線「沖縄人の将来は沖縄人が決める」という論理が、にわかにまっとう味を増してくるのである。沖縄の知事選がこれ以上混迷の深みに落ち込み、沖縄の人々を翻弄しないよう祈るばかりである。

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