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2014年9月12日 (金)

朝日再建の道

 昔は、「ちょう・まい・よみ・にっけい・さんけい(朝毎読日経産経)」を5大紙と称した。多分一時期の発行部数の順であろう。また、朝日はインテリが読み読売はスポーツに強く庶民向きといった評価もあった。産経は関西の経済紙で東京では弱く、安いからといってとる人がわずかにいた程度だった。

 そういった点で、朝日の優越性は抜きんじており、入社試験でも記者志望の優秀な学生はまず朝日を目指したそうだ。それは幾人かの記者から聞いたことがある。今日の各紙紙面は、昨夕行われた朝日新聞の木村伊量(ただかず)社長ほか幹部の謝罪会見で覆われた。

 朝日は、すでに部数で読売の後塵を拝し、社長の退陣も日程に上がるなどこの一件でさらに凋落は免れないだろう。しかしなくなっては困る。権力チェック機能が疑問視される読売・産経に対抗する一方の雄として存在感を増してもらわなくてはならない。

 これまでの誤報や失策の連続のなかに、過去の栄光のおごりが災いしてないか、記者に「無冠の帝王」といわれるような自意識過剰がなかったかどうか、徹底的に病根をえぐり出してほしい。さらに、誤報記事の火の粉を払うのではなく、その火元に飛び込んで新たな権威あるスクープをものすることである。

 以下は、関係のある当ブログ9年前の過去記事である。朝日は過去にも誤報記事の反省を社説で述べているが、一向に改まっていなかってことを示している。当時は「反戦老年委員会」を名乗っており、復刻版を月別ファイルにしてしまったのでリンクしづらく、コピペにした。

DATE: 07/15/2005
仮想定例委員会(議題:従軍慰安婦。出席者:硬・乙・平。権威:ゼロ)

平「朝日新聞とNHKの紛争も元はこの問題だというが」

硬「要は強制連行があったかどうかにあるのだろ。それに差別・人権問題もからんでいる」

乙「戦地に女郎屋ができた。それに朝鮮人の女性が多かったということさ」

平「何ですか?女郎屋というのは」

乙「公娼制度といって一定の資格要件を満たせば、公認の売春宿を経営できたということだ。俺も行きたかったが金のない貧乏学生には無理だったな」

硬「女郎屋の娼婦の人権は一般的に守られていたの?」

乙「江戸吉原のおいらん程じゃあないにしても、そりゃあプライドを持っていたよ。永井荷風の『墨東奇談』などを読んでみなよ。明治32年には名古屋の遊郭で目覚めた娼婦がストライキを起こし、流行歌になったほどだ」

平「どうして公認の制度ができたんだろう」

乙「強姦などなくして、良家の子女を守るというのが口実のひとつ、利用する方にとっては淋病・梅毒、今で言えばエイズだろう、定期検診を受けているので伝染の心配がない。それから鎌倉時代にはじまって江戸時代に全盛をきわめ、日本の芸術文化の一角をなしていたということもあるよな。それが戦後なくなり、売春そのものが禁止された。

硬「では、慰安所はその戦地版か」

乙「目的がやや違うが、戦時体制下国内の風俗営業がやりにくくなったので、業者や娼婦が進出したということはあるだろうな」

平「日本人慰安婦もいたんだ。じゃあ朝鮮人慰安婦は強制連行されたのか?」

乙「徴用や応召と違い政府の行為ではない。民間人がやったにしても、日本の施政下にあったんだから、だましたり強引に拉致すれば刑法にふれる。目にふれないところで不法行為があった可能性まで否定できないが、あくまでも例外的なものだろう」

硬「すると、国の責任を追求するとか謝罪を求めるというのは、筋違いか」

乙「基本的にはそのとおり。ただ日本は戦争を起こし拡大させ、朝鮮人に協力させて被害を与えた、という責任がある。朝鮮人には朝鮮人の見かた感じ方があり、日本人的感覚を強制することはできない」

平「ではどうすればいいのだ」

乙「これは友人に聞いた話だ。終戦当時ボルネオ島で戦線から離れた日本兵数人と朝鮮人慰安婦二、三人が連合軍に追われ、乏しい食糧を分け合いながらジャングルを彷徨し、手をつなぎ負傷者を背負って濁流をわたった。自殺も考えたが、助け合い励まし合って生還できた時は、互いに手をとりあって泣いたという。憎しみあう心さえとければ簡単なことだと思うがなあ」

DATE: 08/31/2005

病弊
 タイトルの「病弊」は、朝日新聞自身が今日付の社説で使っていることばである。社説の題は「虚偽報道 朝日新聞が問われている」で、最近長野総局の記者がかかわった田中康夫知事の動静に関する虚報発覚事件についての反省と誓いをのべている。

 しかし全文を読んで、なにか他人事のような印象を受けるのは私だけだろうか。たとえば「記者をそんな心理にさせたものは何だったのか。取材をチェックする仕組みをどうつくるか。問われているのは、そうしたことを含めた朝日新聞の組織や体質だと思う」というくだり。報道記事では「思う」などのことばは、使えないのではないか。まして自社のことである。

 ここで、JR西日本の事故当時を思い出す。まず、事件の重大さをどこまで認識しているかである。国民にとって、新聞記事が信用できなくなるということは、死者の数や刑事事件云々で比較できない程の損害をもたらしていることである。JR西日本の幹部が他人事のような態度をとったとして、Y紙の記者が暴言を招き非難を集めた。弁明の仕方もまた似ている。運転士が、記者が、組織がではないのである。通り一ぺんの反省や「地道な努力」ではもはや追いつかない。

 社説は論説委員が書く。論説委員は偉い。「下のやつらがとんだへまをやらかしやがって」という、気持ちはないか。社説の一連の反省の中には「傲慢さ」というのがない。「無冠の帝王」などといわれて得意になっているようなところはないか、世間常識から見て不遜なところはないか、を本気で考えてほしい。

 <絶えず朝日を「目の敵」のように批判し、それを売り物にするかのような一部メディアと一線を画してきた>毎日新聞も、今日の社説で「犯罪的行為」とまでいって批判している。よほどのことと思わなければならない。この際これまで批判され続けてきた他の件も含め、記者会見に応じ、一切を公開して「解紙的でなおし」をはかる以外に発展の途はないのではないか。

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コメント

あとは「加藤千洋」という方が朝日新聞記者時代に起こした靖国問題の記事を再考するのかどうかに興味があります

投稿: 玉井人ひろた | 2014年9月12日 (金) 20時45分

日本人ならそうでもいいのでしょうが、永井和氏や吉見氏の研究から、朝鮮人等に関しては「日本軍や日本政府」の一定の関与の元「性奴隷」といわれてもしかたのない実態があったのは事実でしょう。諸外国から単に強制連行があったなかったという側面だけではなく、全体としてどうであったかということから批判されているのですけどね。そういった側面を見ないふりをし続けると、国際的に孤立の一途をたどるだけだと思いますよ。
まあ。もっとも韓国の一部「反日」団体の所業は、「在特会」に通じるところがあって賛成はできないですがね。

投稿: mh | 2014年9月13日 (土) 13時11分

産経新聞がこの従軍慰安婦では異様に張り切っている原因とは、実は産経新聞のドンが慰安婦問題と密接に関係しているからだとの記事もあるが、
攻撃こそ最大の防御とばかりに奇襲攻撃している側面も十分考えられる。
今回の様な例は、日露戦争に反対した萬朝報以外には無いのです。
政府や全てのマスコミにバッシングされた萬朝報は反戦から戦争支持に転向する。
河信基の深読み 2014/9/11(木)の 『“産経のドン”は慰安所設置業務に携わった主計将校だった』では、産経自信の問題であると指摘しています。

日本軍従軍慰安婦問題での問題点ですが、妨害にあって韓国や台湾では成功しなかった民間基金(実体は政府基金)の失敗に全ては収斂するのではないでしょうか。
日本がアメリカや国連に慰安婦問題で謝罪も保障もしていないとの、根拠が無い『言いがかり』を付けられているのは、不思議な反対運動の結果なのです。

投稿: 宗純 | 2014年9月13日 (土) 14時32分

コメントありがとうございました。

性奴隷のような実態は蘭印占領下の白馬事件などはっきりしたものがあり、日本敗戦とともに告発され、戦争犯罪人として処理されています。

そのほか前線などでなかったとは言い切れません。しかし、敗戦直後にどうして告発しなかったのでしょうか。現に在日朝鮮人は敗戦直後、法的な問題の有無にかかわらずさまざまな告発をしたことを知っています。

すくなくとも、日韓国交回復前だったらよかとったかと思いますが、当時は問題化できない理由が何かあったのだと思います。

塾頭が言っているように、性奴隷のような扱いは、国内法違反です。仮にあったとすれば、前線における「なんでもあり」の戦争犯罪です。

戦争犯罪は、軍事法廷で決着をつけたはずです。それ(戦後レジューム)をなかったことにしたい人がいるからことが大きくなる。

それでも道義的な問題は残る。塾頭は、河野談話や、基金が精いっぱいの処置であると思っています。 

投稿: ましま | 2014年9月13日 (土) 17時05分

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