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2014年9月 2日 (火)

インド合意の評価、各紙に差

 まず、産経(9/2)記事を引用しよう。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140902/plc14090200150001-n1.htm

安倍晋三首相は1日、東京・元赤坂の迎賓館でインドのモディ首相と会談した。安全保障面では両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置検討で合意、海上交通路(シーレーン)の安全確保に向けた海上自衛隊とインド海軍の共同訓練の定期化でも一致した。経済分野では日印投資促進パートナーシップを立ち上げ、対印の直接投資額と日本企業数を5年間で倍増させる目標を決定。共同声明には両国関係について「特別」との表現を盛り込み、連携強化を印象づけた。

 この言い回しでは、「中国を牽制する目的で、インドとの2+2設置に合意した、大成功!」としか読めない。同紙であることを承知して読めばいいが、他紙との差を見るとほとんど世論誘導に近い。

 読売は、唯一社説を掲げたが、2+2には直接触れず、「高次元の戦略的関係を築こう」と題して、2+2の合意に至らなかったことを暗に認め、次の課題としたい意向のように見えた。

 日経記事には「対中国では微妙な温度差」という標題があるように、2+2隠しはしていない。また朝日は、「日本側が望んでいた外務・防衛閣僚会合(2プラス2)の開催は合意に至らなかった」という点を強調している。

 毎日は、1面で記事のサブタイトルに「2プラス2は先送り」と書き、3面の3分の2を使って「中国警戒に温度差」という大活字のタイトルをつけた。当塾は、軍事優先で覇権主義的な中国に反発を覚えると同時に、「反中、嫌韓は戦争のもと」とも考えている。

 各社の差は、今後日本の将来に深くかかわることとして、注意深く監視していかなければならない。最後に、今こそ味わうべきではないかと考え、明治元勲・伊藤博文の言葉を、歴史の一ページとして付け加えておく。

「満州は決して我が国の属地ではない。純然たる清国領土の一部である。属地でもない場所に、わが主権の行わるる道理はないし……満州行政の責任は宜しく清国に負担せしめねばならぬ」(『外務省の百年』上巻、大杉一雄『日中戦争への道』所載)

 
 この発言は、日露戦争直後の1906年に行われた。彼が、満州のハルビン駅頭で朝鮮人重安根に暗殺されのは日韓併合の前年1909年である。歴史に「仮」は許されないが、彼がその後も長生きをしていたら、今の日中関係・日韓関係もずいぶん変わったものになっていただろう。

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コメント

『両国の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)の設置検討で合意、』とは・・・

『産経らしい』と言えば、それまでですが、
それにしても酷いですね。
読者をわざと誤解の迷宮に誘い込んでいるのです。
これ、普通の注意力なら日印両国が『設置で合意した』と勘違いする。
これでは報道機関では無くて,何かの宣伝広報ですよ。
しかし、今回は『産経だけ』だったのは重要な意味があるかの知れません。
『もしかしたら』ですが、日本国の右傾化が限界まで来ていて、振り子が揺り戻すように健全化して、日本人が良識を取り戻しつつある前兆です。

つい先日ですが、産経新聞の勧誘員が来て、32年前の従軍慰安婦の朝日新聞の誤報をまくし立てる。
我が家は毎日新聞を購読しているので朝日など無関係なのに、
異様に張り切っているのですね。
漫画『裸足のゲン』の図書館からの排除とか朝鮮人強制連行の犠牲者の追悼碑の撤去とか、国会周辺のデモの規制とか、日本ですが・・
右傾化と言うよりも、最早死に至る病気です。

投稿: 宗純 | 2014年9月 3日 (水) 09時58分

共感のコメントありがとうございました。

ちょっとおとなしすぎたかな、と思ったが産経のひどさはこのところ常軌をいっしていますね。非難ではなく歓迎です。

新聞勧誘は読売が多いのですが「つぶれると困る新聞をとっているので」と断ります。また「毎日をとっている」と聞いただけであきらめて帰るという話も聞いたことがあります。

朝日が「つぶれそうなので……」と勧誘に来ないことを願っているのですが。
 

投稿: ましま | 2014年9月 3日 (水) 10時51分

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