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2014年8月 4日 (月)

経済制裁→経済封鎖→戦争

 今、アメリカが音頭をとってロシアに対する経済制裁をたきつけている。「要人の海外口座の封鎖」など、腕力を使わない”いじめ”の一種だ。NATO諸国や日本は、ガキ大将からにらまれないよう、いやでもそれにのってしまう坊ちゃんだ。

 いじめでも間違うととんでもないことになるのは、ご承知の通り。それがさらに発展すると「経済封鎖」になる。必需品のすべてを輸入できないようにしよう、ということで、臨検やルートの破壊で軍事力がかかわり事実上の「戦争」が始まる。

 中東のガザがまさにその状態といわれるが、ひるがえって日本は……。政府のだした集団的自衛権行使の閣議決定に関連して示された文言、なかにし礼の「平和の申し子たちへ!」から表現を借りると、「禍々しい」限りの前提条件を見てみよう。

あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置

 これで、ホルムズ海峡に敷設された機雷除去という軍事行動を合法化しようという。また戦闘状態が起きれば逃げるんだという。そんな戦争などあったためしがない。第一、アメリカはそんな共同作戦に乗るだろうか。

 前述の前提条件はあまりにも抽象的概念すぎて、「禍々しい」というより、あほらしくて笑っちゃう。旗揚げしたばかりの「次世代」さんたちがよく言う。太平洋戦争は、ABCD(米英中蘭)の包囲網で石油輸入のルートが途絶えたことによる。開戦の責任はアメリカの方にあるのだそうだ。

 もとは学者が言ったのかもしれないが、「よくもまあ……」といった感じだ。最初に「援蒋(蒋介石)ルート」を絶つといって仏印(ベトナムなど)へ出兵、中華民国の経済封鎖をしたのは、誰だったけ。石油輸入がゼロになる、今なら確かに大混乱になる。

 世界から孤立すれば別だが、今、ホルムズ海峡が閉鎖されたぐらいではゼロにならない。また太平洋戦争突入当時は、自家用車などほとんどなかった。また電力は豊富な水力がウリで、火力は石炭だった。次の表を見ていただきたい。

石油製品配分計画(内閣企画院)単位千bl
――――――――――――――――
1942(昭和17) 1943   1944
――――――――――――――――
陸軍  5700   6300   7600
海軍 17600   15700  15700
民間 12600   12600  12600
――――――――――――――――
合計 35900   34600  35900

 ほぼ3分の2が軍用で、「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態」などはなく、「根底から覆される」のは帝国陸海軍だけだったのである。終戦間際には急速な食糧難に陥るが、これは徴兵・徴用で農村の働き手が欠乏したせいでもある。

 肝心なことは、経済制裁、経済封鎖などが、「戦争したがる人間」にとって、いつも開戦の口実に使われるということである。

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