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2014年8月25日 (月)

プーチンの腹のなか

Dscf4251_2 塾頭は、新聞の大見出しより10行未満のいわゆる「ベタ記事」に案外真相が隠されているというようなことをよく書く。写真左上端の3件が、今日25日付の毎日新聞国際面のベタ記事で、それぞれ時事、共同、AFP時事の通信社発である。

 一番上がアブハジア自治共和国で大統領選が行われたということ。2番目は、リビア首都トリポリの国際空港を、イスラム系制圧か、という記事である。前々回、イラク・シリアで国境を越えた「イスラム国」設立宣言のことを書いたが、カダフィーなきあと、ムスムスリム原理主義連携がこの地に及ぶか、という関心はあるものの、続報がない限り即断はできない。

 塾頭が関心を引いたのは、アブハジアの方である。この国名を聞いても、大半の人が「聞いたことがない」というだろう。塾頭も実は知らなかった。知ったきっかけは、[ab]Abkhazianというれっきとした国別ドメインのアクセスが本塾にあったことによる。それを調べた詳細は、↓を見ていただきたい。
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-2116.html

 さて、記事の内容は、電子版に見当たらないので次に全文を紹介する。

■グルジアの親露派地域で「大統領選」
 グルジア北部の親ロシア派分離独立地域「アブハジア自治共和国」で24日、大統領選の投票が行われた。25日に暫定結果が出る。野党指導者ハジンバ氏(56)ら元軍人4人が立候補しているが、現状維持を望むロシアのプーチン政権の意向もあり、ロシア編入は争点となっていない。

 アブハジアはロシアなど数カ国を除いて国際社会からは国家承認されていない。【時事】

 くわしくはWikipediaなどで確かめていただくとして、6年前に現在のウクライナと全く同様な状況がグルジアにあり、ロシアの大統領がメドヴェージェフ氏(現首相)であったことと、ロシア軍の侵攻がより露骨であった点以外は全く同じと言ってもよさそうだ。

 本塾は早くからプーチンにウクライナ東部に対する領土的野心はないと観察していた。東西両陣営の情報合戦で、アメリカ・ウクライナの執拗なプロパガンダがあっても、プーチンに余裕が感じられるのはその証拠を握られていないということと、87%にも達する高い国民の支持率のもと、軍隊を完全に掌握できているという自信だろう。

 プーチンにとっては、この期にいたり、旧ソ連圏から紛争含みの土地を国内に組み入れることは、早い話「有難迷惑」だということではないか。

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コメント

2008年のグルジア紛争と今のウクライナの紛争が非常に似ているのは事実ですが、
記事中の、
『ロシア軍の侵攻がより露骨であった』
は新聞記事の意識的な誤報(悪質なプロパガンダ)ですよ。
確かに紛争の発生当時のグルジアのサーカシビリ政権が『ロシア軍が侵攻した』と発表して、当時のアメリカも同じことを主張したことは事実ですが、
ところが、事実は正反対。
プーチンなどロシア側首脳が北京オリンピックで留守にしている隙を突いて、グルジア軍が協定によって駐留していたロシアの平和維持軍に対して奇襲攻撃している。
グルジア軍側が一方的に先制攻撃した事実は、サーカシビリ大統領自身が認めています。
イスラエルやアメリカなどの最新式の武器でロシア軍に勝てると勘違いしたのですが、
腐っても元超大国のロシア軍に人口数百万人の小国のグルジア軍では歯が立たなかったのです。

投稿: 宗純 | 2014年8月25日 (月) 16時41分

「露骨」というのは、たしかに誤解を受ける言葉でしたね。しかし、協定であろうが条約であろうか、自国以外の所へ軍隊を派遣駐留させることは、盧溝橋事件のように尻尾をつかまれても仕方がない状況を生むことになりますね。

ウクライナでは、尻尾をつかまれないよう、ロシアは巧妙にたちまわっており、この点グルジアとはやや様相を異にするようです。

沖縄の米軍駐留でも、将来さまざまな危険をはらむことがないしは言いきれません。とにかく本塾は、どの国であろうか武力を持っての海外派兵、越境派兵には反対する立場です。

投稿: ましま | 2014年8月25日 (月) 17時26分

日本軍の侵略と、民族浄化を阻止する目的の平和維持軍とを混同しては駄目です。
このロシア軍部隊は民族間の武力紛争を阻止する目的で、EUなど世界的な要請と承認の元に駐留していた。
もちろんアメリカも賛成していますし、グルジア政府も認めたもの。
アブハジア紛争ですが、そもそもグルジア本国とは民族や言語が違っている。
日本の様な大陸と200キロも離れた島国とは大きく違い、地続きの国では、国境付近には中央とは大きく違う外国系の国民が多く住んでいるのは当然なのですね。
特にコーカサス地方は世界文明の十字路の様な地域であり、色々な歴史を持った民族や宗教が複雑に共存したり争ったりしていた。
『グルジアが独立したから』との理由で、固有の民族を否定したり母語を禁止すれば必ず大騒動が勃発するのは当然なのです。
『ロシアが扇動した』は大きな誤解か、為にするプロパガンダの類。冷戦思考から一歩も抜け出せていないマスコミの宣伝です。
グルジアですが、日本の様な近代国民国家とは別次元の話ですね。
日本では『アイヌはいない』と主張する議員まで生まれているが、確かにこのおばか議員が主張するように過酷な同化政策でアイヌ民族(アイヌ語を母語とする民族集団)がほぼ完全に絶滅している。
日本の場合は、アイヌ人の人口が圧倒的に少ないから同化政策が成功した。
アイヌの同化政策と同じことを、日本より歴史が古いし人口も比較でき無い程多い朝鮮人に対しても行ったが、
こちらの方は大失敗して、70年も経っているのに今だにしつこくに文句を言われています。
グルジアですが、グルジア語を話すグルジア人だけでは無いし、アイヌ人の様な小数でもない。
その他の言語の別民族が3割近くもいれば、本来なら連邦制による地方分権しか道が無いが、強引な中央集権のグルジア化は当然猛烈な反発を呼び、旧ユーゴやウクライナのように武力紛争に発展する。

投稿: 宗純 | 2014年8月26日 (火) 09時06分

民族浄化だからとかジェノサテドだから、またナチズムだとかテロリズムだだからといって、それらを「絶対悪」に位置づけ、何をしても許されるという考えに疑問を持っています。

いずれも昔はなかったことです。西欧主体の国連は、今、人類唯一の世界基準になっていますが、万能ではありません。

争い(戦争)をなくするには、どうしたらいいかを、これからは考えたいと思います。

投稿: ましま | 2014年8月26日 (火) 09時32分

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どうも一定の人々は権力のどんな矛盾に対してもまったく疑問を感じないか、まったく無関心であるらしい。佐賀県に対しての小野寺君の説明で納得できる人がいるとすれば、自分がぼ ... [続きを読む]

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