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2014年7月 7日 (月)

国民世論は、「難しい」 だ

 集団的自衛権行使の閣議決定について、各新聞社等が世論調査をしているが、朝日、毎日対読売、産経など社論の違いにより自社に都合がよくなるような設問をしているので結果が一様でない。

 また、TVでは市民の声を聴くとして賛否の両方から収録しているが、はっきり「反対」を明言する人以外は、「環境が変化しているから」とか「ある程度は」という消極的賛成か、「難しくて分からない」「関心がない」というのが多い。

 公明党との応酬では、以前、公明党は実を与えても、名(集団的自衛権行使の)をとられないようにすべきだ。実も名も与えてしまいそうだと書いた。どうやらその通りになりかねない。自民側の作戦勝ちだ。難しくして国民から見えないようにするのがねらいだったのだ。

 ただ、TBSのニュースショーである論者が、こうして議論が深まるにつれ、反対論は次第に増えて内閣支持率下降につながるのではないか、とコメントしていた。塾頭も、その風潮に間違いのないとの感触をもっている。産経紙など反対論昂揚に焦りが見え始めているからだ。

 安倍首相が急がさせたのもそのせいだ。追及の手を緩めることなく国会審議につなげることができれば、政府に少なからぬ打撃をあたえることにはなる。しかし安倍首相の狙いは憲法改正だ。集団的自衛権などの歯止めは、中国の脅威が高まるほど乗り越えやすくなる。閣議決定で第一のハードルを越したつもりでいるので、そんなに気にしていないかもしれない。

 反対陣営の失敗は、「自衛隊を海外に派遣するのかしないのか、そこで戦争に加担するのかしないのか」をまっさきに取り上げるべきだった。それを集団的自衛権の解釈論争に振ってしまったから一般国民はわからない。

 「集団的自衛権」は、日米安保条約の前文に明記されており、日本国憲法の範囲内で行使できるのだ。反対陣営は、集団的自衛権を悪者扱いするように、それもはっきりさせなかった。枝葉末節から始めて、最初に問うべきことをしなかった。

 塾頭は以前から、自民党の改憲志向を阻止するためには、野党もそれに対抗する改憲案を持たなければ戦えないと主張してきた。何度目かになるが素人案を再三提示する。

現行9条の2項を改め、3項を追加する。
②前項の目的を達するため、外国の領土・領域における武力行使を目的とする軍隊は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。

③自衛隊・海上保安隊・警察隊・消防隊その他名称の如何を問わず、公務員が外国の領土・領域内で平和維持その他の国際協力を行う場合の手続きならびに装備等は、法律によりこれを定める。

 社民党、共産党は改憲そのものに反対で口をふさいでいる。公明党は加憲といっても環境権をいうだけ。民主党は枝野私案が同党の矛盾や混乱を告白しているようなもの。レベル以下の案だが、党としての案を持っているのは自民党だけである。

 どこかの党で、塾頭私案のようなものが公表され、自民党案とどっちがいいですか、という選択肢があれば国民はわかりやすく力になったはずだ。また、集団的自衛権論争などで迷路に踏み込むこともなく、安倍改憲への一里塚とする謀略は成り立たなかっただろう。順序が違っていたのだ。

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コメント

自民党に言わせれば「解釈変更じゃなく、解釈の整備」だそうですが・・・
この‘解釈変更’、今は“ほとんど報道しなくなった”TPP交渉のカードになっているようにも感じられるのですが、違いますかね?

いずれにしても、反日を掲げる韓国も一応はアメリカを介しての同盟国ですから、有事の際は戦闘参加となるのでしょうか?

どう見ても、アメリカオンリーワンにしか対象国家が見えないですよね。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年7月 7日 (月) 21時25分

「解釈の整備」とは、また難しいいいかたですね。そのつもりで、どんどん中身を追っていくと、やっぱり難しくしておいて相手が答えられないすきに、「だからこう」と我田引水の答えにしてしまうようです。

疑問点はあいまいのまま残しています。

日本では、北朝鮮・中国は共産国で日本・韓国が自由権だからアメリカは当然日本を守ってくれるという一種の信仰があります。けっこう若い人の間でも。

従軍慰安婦でアメリカ議会が賛成して……などというニュースが入りますが、地方議会などは、アメリカ国籍を持つ朝鮮人・中国人の票が当落を左右するほど強い。日本人にはそれがない。

昔は台湾支持だったけど、今はそうする合理性がない。朝鮮人だって北出身の人もいれば戦争になってほしくないという人が大部分でしょう。

だから、日本人の勝手な思い込みが強すぎると思いますよ。アメリカが日本と同盟するメリットは、世界一安い基地が存続できること、軍事技術共同開発で日本の高い技術が取り入れられることなどで、日本の思い込みは「違う」といいづらい。

本当は、集団的自衛権などでなく中韓とウマくやっほしいということではないですか。

投稿: ましま | 2014年7月 8日 (火) 07時13分

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政治家なんて大したことはないとずっと思っていた。思わない限り反骨のジャーナリストなんて勤まるわけがないと考えていたし、じっさい私生活で絡んだ奴もいたが基本的に軽佻浮薄 ... [続きを読む]

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