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2014年7月 1日 (火)

閣議決定の世界史的欺瞞

 安倍内閣による、憲法解釈変更の閣議決定が、世論の反対を押し切って遂に行われた。1日17時20分ころの速報である。まさに歴史に残る汚点がここにしるされた。 塾頭は当日付の新聞各紙の社説を当たってみた。悉皆調査ではないが、下記は、いずれも世論に大きな影響力を持つ有力な新聞である。

 中央紙の朝日、毎日、さらにブロック紙、有力県紙に目を通すと北海道、秋田魁、新潟日報、河北新報(26)、信濃毎日、東京(28)、中日、京都(28)、中国(28)、高知、西日本(26)、南日本(26)、琉球新報(28)、沖縄タイムス(28)など軒並みに反対だった(カッコの数字は6月の日付、その他は当日付)。

 ほかに日経は、先月25日以降の社説に見当たらず、賛成は読売、産経の2紙だけ。特に産経は大賛成だった。以前書いたが読売1000万部の影響は大きい。しかし賛成意見はもはや、少数意見となりつつあることを知るべきだ。

 これで、関連法案は与党の賛成だけで通せてしまうのだ。国民が抵抗すべき術は選挙しか残されていない。野党、マスコミそして国民の強い意志・意向を通し続ければ、最後は最高裁がある。国民はそれを信じるしかない。

 閣議決定案の中味は、外務省が主体になって立案したものだろうが、素人から見ても非常に甘い。こんなことで、自公が議論した、それ自体生煮えの未完成解釈であると断ぜざるを得ない。ここに、その一部分を掲げておこう。

自衛隊と米軍が連携して切れ目のない対応をできるよう、自衛隊法第95条による武器等防護のための「武器の使用」の考え方を参考にしつつ、自衛隊と連携してわが国の防衛に資する活動(共同訓練を含む)に現に従事している米軍部隊の武器等であれば、米国の要請または同意があることを前提に、自衛隊法第95条によるものと同様の極めて受動的かつ限定的な必要最小限の「武器の使用」を行うことができるよう法整備をすることとする。(時事)

 こんなケースを考えていただきたい。  日米が東シナ海で共同軍事演習をする。これを中国戦闘機が監視のため自衛隊機に近づいてきた。ミサイルを積んでいる。自衛隊乗務員は非常に危険を感じた。米国からは防護の要請は来ているが、「極めて受動的かつ限定的な必要最小限の『武器の使用』を行うことができる」ケースとは判断できない。

 それなのに、中国機は誤操作か現場の先走りかで発射ボタンを押してしまった。米軍は「集団的自衛権を行使は口先だけと日本に不信をつのらせ、自衛隊員は「政府方針に従ったまで」というだろう。また、もし自衛隊機が中国機を攻撃したら、まちがいなく戦争突入だ。

 戦争には「必要最小限」などという言葉は通用しない。殺さなければ殺される。必要以上のこと、つまり先制攻撃も辞さないしいうのが戦争である。今、内閣は世界に例のないごまかし決定をしたのだ。

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コメント

テロのターゲットにもなる可能性が高くなりましたね

投稿: 玉井人ひろた | 2014年7月 1日 (火) 20時47分

自衛隊がイラクとかシリアとか中東やアフリカのどこかへ行って戦争のお手伝いをすれば、テロのターゲットになりますね。

キリスト教徒やユダヤ教徒は同じ神を信奉する啓典の民ですが、日本人はほとんどが異教徒でそれ以下ですから。

北朝鮮は、すでに拉致という実績を持っています。戦前、「のんきな父さん」というマンガがありました。安倍さんのはげたような顔をしてます。

投稿: ましま | 2014年7月 2日 (水) 07時29分

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