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2014年5月22日 (木)

第2次冷戦待望?

 このところ外電を見ていると、どうも第2次冷戦が近づいているような気がしてならない。第1次冷戦はソ連の膨張主義に端を発するが、第2次はロシアより中国の方だ。アメリカは、ロシアには神経質なほど露骨な反応を示すが、中国の膨張主義には関心が薄い。

 当塾がクリミアの帰属について、「今回はロシアに応援」という記事を書いたのは3月19日である。それは、住民の圧倒的多数が公正な投票で独立の意思を決定し、ロシアが冷静な対応をとることを前提としたものである。

 事態は、その後ウクライナ東部の親露派の破壊活動や、暫定政権の大統領選挙などに移ったが、アメリカが一方的にロシア制裁をアピールする反面、ロシアは親露派の説得を試みたり国境からロシア軍の撤退を宣言するなど、塾頭の予測通り冷静な対応に終始している。

 アメリカがアジアでの領土問題に対し「関与しない」と繰り返すのに、ウクライナではどうしてこうも違うのであろう。安倍首相なら、NATOと日米同盟の集団的自衛権の違いだ、と言いたいだろうが、どう見ても二重基準だ。

 NATOを出したついでにいうと、最近のニュースによく出てくるのがCICAだ。全くなじみがなく、Wikipediaをさがしても出てこない。日本語では「アジア相互協力信頼醸成会議」といい、今回中国の上海で習主席を議長として開かれた。その報道をひとつあげておく。

【上海時事】中国の習近平国家主席は21日、上海で開催されたアジア相互協力信頼醸成会議(CICA)首脳会議で、「アジアの安全はアジアの国民によって守られなければならない」と述べ、「米国抜き」のアジア安全保障の枠組み構築に向け主導権を握る意向を示した。米国中心の価値観への対立軸を構築し、その勢力拡大を図ることが狙い。「アジア支配」の野望をあらわにし、日米や周辺国との摩擦が深まるのは必至だ。

 この会議はカザフスタン・ナザルバエフ大統領の提案で始まったというが、活動がはじまったのが1993年と意外に古く、日本でいえば細川内閣が発足した年だ。加盟国は東アジアから中東の一部で中国、ロシア、インド、韓国、ベトナム、イラン、トルコ、エジプトなど26カ国に上り開催は4年に1回と少ない。

 日米はオブザーバーとなっているが、日本はアジアに入っていないようだ。そのかわりロシアが入っており、NATOの対抗組織といわれるSCO(上海協力機構)との関係が深い。もともとNATOは、アメリカが加わる反ソ軍事同盟として発足したのだから、冷戦終結後解体すればよかったのだ。

 温存したため、アフガンなど集団的自衛権でいくつかの戦争につきあわされ、ウクライナからは加盟したいと言いよられる破目になった。そこでCICAの話にもどるが、加盟国にはベトナムや韓国も加わっている。習議長の「アジアの安全はアジアの国民によって守られなければならない」発言ほど空虚で矛盾に満ちたものはない。また、プーチン大統領には来年、対日独戦勝70周年祝賀行事をするよう要請したという。

 人の足を踏みつけておいて「気をつけろ」と言っているのと同じだ構図だ。日本に勝ったといっても、蒋介石政権そしてソ連もアメリカの日本攻撃で尻馬に乗っただけ。アメリカだって決していい気はしないだろう。プーチンもどこまで乗り気になるか疑問だ。そういった意味で、文字通り加盟国の「相互協力信頼醸成会議」なのかも知れない。

 これで「第2次冷戦」を望んでいるのが誰なのかよくわかることになる。

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コメント

オバマ大統領ですが、選挙を経ていないしネオナチにも近いウクライナの暫定政府に肩入れするなら、
日本の安倍政権が右翼だからと毛嫌いするのはダブルスタンダード。
しかもウクライナは同盟国ではないが日本はれっきとしたアメリカの同盟国ですよ。
安倍晋三の様な冷戦の発想では、アメリカのこの謎(二重基準)は解けない。
石破さんは唐突にアンザスの名前を出したが、NATOと共にこれは西欧キリスト教国の宗教的な結束でしょう。
旧ソ連が解体して、すぐさまなNATO入りしたバルト三国は何れも東方正教では無くてカトリックかプロテスタント。
ウクライナの西部もカトリック圏で、東方の正教とはキリスト教的には敵対関係にある。
対テロ戦争は一神教のイスラムとの身内の争いで、ロシアをウクライナで制裁するのもキリスト教内部の身内の争い。
日本が冷戦の復活だと勘違いして、係わるべきでは無い。痛い目に合います。

投稿: 宗純 | 2014年5月22日 (木) 14時37分

そう、NATOの存在が大きいですね。冷戦終結とともにNATO解消と書きましたが、当時の共和党が絶対許さなかったでしょう。

またEUが軍事組織を持つことを検討していたが、その後どうなったのやら。現在、中間選挙で右派の茶会が活発化するのをオバマは警戒しているようです。

YesIcan でなくなったのです。 

投稿: ましま | 2014年5月22日 (木) 17時18分

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