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2014年5月11日 (日)

習近平さん、それは通用しません

 あなたが言わなくても、外交部や人民日報・環球時報などなどてやたら目にする言葉があります。

 核心的利益、第1、第2列島線、9段線、などなど。塾頭がこれを聞くと「我邦利益線の焦点は実に朝鮮に在り」とか「満蒙は日本の生命線」という「線」のつく言葉、さらにエスカレートして大東亜共栄圏などを思い出します。

 アジアでは、山縣有朋が明治中ごろに言いだしたのが最初ですが、もともとは帝国主義戦争のさ中にあった西欧列強の間で唱えられた概念で、いま、それが中国で復活するとは驚きです。

 それが軍事国家としての日本でひとり歩きし始めたのは、日清・日露で勝利を収め、第一次大戦で日本が大国扱いされてからです。しかし、民度や、軍艦の数などはまだ差をつけられており、大陸侵略でその差をつめて野望を果そうとしました。

 貴国も最近、自らを「大国」というようになりましたね。我国には過去の「侵略」を認めようとしない安倍首相などがいますが、大半の国民はそう思っていません。ところが彼がそこそこの支持を受けているのは、尖閣問題などで国民が貴国に脅かされていると感じているからです。

 そしてベトナム沖・西沙諸島近辺で貴国の石油探査を巡ってベトナムとの間に衝突が起き、フィリピン近海では貴国のウミガメ密漁船が逮捕されました。これらに対しても、貴国外務省報道官は例の調子で口汚く相手国をののしります。

 貴国の主張するいわゆる「線」は、国際法上通用する線ではありません。貴国に遠慮して取り上げなかったASEANもついに耐えかねて、共同宣言で懸念を表明しました。尖閣の時と同じような船舶体当たり映像が、各国の危機感を相当高めましたね。

 アメリカも懸念していますが、貴国のような口汚いものではありません。大国が近隣の小国を武力で脅し、利益や権益を守ろうとして失敗した中南米の例は、ご存知でしょう。あまり人のことはいえない立場です。

 「反面教師」というのは、たしか毛沢東先生のお言葉ですよね。この際、日本やアメリカを反面教師として外交戦略を改め。貴国のさらなる発展を期してほしいと願うものです。

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コメント

中国ですが、何千年も『教えてやる』立場だったので、どうも日本のように『教えてもらう』立場が苦手なのでしょう。
アヘン戦争から最近までは、力がないので仕方なく『教えてもらう』で辛抱していたが、今ではGDPが日本のに倍以上の経済大国に成長したので自信を取り戻す。
経済的に膨張している中国ですが、強引なやりかたがアメリカにどんどん似てきています。
しかし、アメリカは台頭する中国を押さえるよりも、表面上は日本の同盟国だが、
先の日米首脳会談でのオバマは、尖閣の主権の存在を認めないばかりか、中国では無くて、日本を名指しで重大な誤りと叱責する有様。オバマはアメリカと中国とで世界を仕切る心算なのでしょうか。

投稿: 宗純 | 2014年5月12日 (月) 09時46分

アメリカにとって日本の利用価値はどんどん減って、唯一メリットを感じるのは、米軍基地費用の肩代わりや武器開発費の分担をしたがっている安倍首相を利用すれば、削減したい軍事費予算が組みやすいということだけでしょう。

その点、消費材市場、投資先としてはインドや中国の方が魅力的です。一番恐れているのは、日・中・韓でユーローのような新通貨ができることでしょう。

ものづくりもダメ、資源や食糧輸出もダメとなれば金融で稼ぐしかない。ドルが世界の基準通貨でなのなる日がこようものなら、アメリカはまた世界の片田舎になってしまう。

気に入らないパートナーでも、付き合っていかざるをえないのが、習さんのところではないですか。

投稿: ましま | 2014年5月12日 (月) 13時08分

最大時には700億ドルだった日韓通貨スワップが2012年に30億ドルに。2013年7月3日には日韓通貨スワップ協定の満期を理由にして終了しています。
中韓両国のほうの通貨スワップは2008年に38兆ウォンで成立。2011年10月26日に64兆ウォンに拡大。このほかにチェンマイイニシアチブによる40億ドル相当の相互スワップ枠がある。
肝心の日韓の通貨スワップですが、日本側には経済的にほとんどメリットがないが、
脆弱な韓国を助けるとの経済援助の側面があった。
ところが、慰安婦問題なと日韓が正面衝突して、日本としてはある種の経済制裁としてスワップを止めるのですが、
韓国の方でも弱みを見せられないので、すんなりと終わって仕舞う。
今の自民党の安倍政権ですが、アジア共通通貨どころの話ではなくて、逆方向に動いています。

投稿: 宗純 | 2014年5月12日 (月) 15時40分

習さんは、明が倭寇で滅んだみたいなことを言ってますが、あれは、日本人を装った中国の海賊商人が塩の取引利権をめぐって争いが起きた経済問題でしょう。

五島や対馬を根拠にした倭寇は、中国をひっくり返すほど強くありませんね。買いかぶりです。

投稿: ましま | 2014年5月13日 (火) 09時19分

明(中国)が滅んだ原因ですが、矢張り日本(秀吉)の朝鮮出兵の影響が大きい。
日本軍ですが朝鮮と明の連合軍に敗北するのですが、明の負担は大きくて、国力を大きく損傷する。
朝鮮王朝も衰退して、これも和寇の攻撃などで、結果的には滅んでいます。
和寇が明を亡ぼした訳ではないが、国力を大きく消耗したのは事実です。
明の大軍は、東北の少数民族である満州族のヌルハチの騎兵に負けてしまうのですが、これは健康な人なら何とも無いが、体力が無いので死亡する院内感染の様な話です。

投稿: 宗純 | 2014年5月14日 (水) 16時24分

習さんが明が滅んだ……とは言っていない。勘違いでした。訂正します。

投稿: ましま | 2014年5月14日 (水) 20時12分

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