« 集団的自衛権と民主党 | トップページ | 美しい日本、敦盛と直実 »

2014年5月20日 (火)

尖閣危機キャンペーン

 産経新聞社とFNNは、17、18両日に西沙)諸島近くの海域で起きたベトナム船と中国公船が複数回にわたって衝突した事件について世論調査を実施した。それによると、同様の事態が尖閣諸島のある東シナ海でも起きることについて、91.8%が心配していると回答。心配していないは6.3%だったとしている。

 選択肢が、その2択であれば、塾頭も心配することなので91.3%の方に入れるが、集団的自衛権議論が瀬戸際に差し掛かっている時だけに、ややいかがわしい調査のように思える。設問が、尖閣で危機が起きると思うかどうかであればNOに入れるし、結果も50%を切るのではないか。

 問題は中国の真意が測りかねることである。中国は大きな国である。北朝鮮と違って情報源も非常に多岐にわたり、信頼すべきものが見えないので次のいずれかのケースで考えてみる。

①習主席の意向が反映されている。
②軍中枢の意向が反映されている。
③共産党外交部がリードしている。
④海警など末端の勇み足、または石油資本などがからむ権力闘争である。

 全てがあり得るのだが、最近の国交回復のための草の根交流が試みられていることや、昨日、国連の潘基文事務総長に、国際的な問題を解決する上で武力の行使に反対するとの考えを示していることなどから、①の線は薄いように思われる。ベトナムについては④を考えてもよいのだが、週刊誌が書きたてるような、日本にとって切迫した事態とはなっていない。

 それにもかかわらず、偶発的な原因から間違って戦争引き込まれるケースがあり得る。日本の大戦突入もそうだ。塾頭は、尖閣侵略を防ぐため自衛隊の整備・沖縄配備を高める必要があると考る。アメリカが小さな無人島を守るため、米兵を犠牲に供することなどあり得ない。ここは日本が守らなければならないところだ。

 寸土も侵させないという固い日本国民の決意があってこそ、中国が高い犠牲を払い国際世論を敵に回してまで奪取しようという野望を封じ込めることができる。非武装中立論は、鍵のかかってないところだから入り込もうという、膨張主義者に野望を抱かせることになる。

 この身近な教訓は、宗主国・清を後ろ盾と考え自主性をおろそかにした朝鮮が、日本の介入を招き、遂には併合に至った経緯を見ればわかる。もうひとつの教訓は、その余波を拡大し、中国大陸へ侵入した帝国陸軍がどういう結果をもたらしたか、ということである。

 結論はこうである。
・集団的自衛権はあってもなくても同じ、むしろない方がいい。
・専守防衛で外国で武力行使をしない強い自衛隊。ただし命にかかわらない安全な所にしか行かない自衛隊ではだめだ。
・侵略戦争否定の憲法9条強化補完。

 これだけあれば、どこの国も攻めてこない。安倍首相がいうどこの国も一国だけで国を守ることができない、というのはウソである。国連加盟国は集団的安全保障で守られている。石破は、将来国連の多国籍軍としてアメリカなどと一緒に海外で戦えるようにしたいとしているが、そんな義務は国連憲章のどこにもに書いてない。

 中国の脅威にそなえるために集団的自衛権。順逆取り違えである。

|

« 集団的自衛権と民主党 | トップページ | 美しい日本、敦盛と直実 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

本当に産経は悪質ですね。
この問題では軍事オタクの石破幹事長が『両方が白い船(海洋警察)だけを出している。今後どちらかが最初に青い船(軍艦)を出したとすれば、大問題になる』
石破さんですが、青い船を最初に出す側は、世界から非難される(負ける)と警告しているのですね。
尖閣ですが、自衛隊が出る幕はありません。
と言うか、相手よりも先に手を出しては駄目。最初に青い船(自衛隊)を出した側が負けなのです。

投稿: 宗純 | 2014年5月20日 (火) 11時59分

軍事オタクで右へ出ない石破は、装備や兵器の性能、戦端の開始から戦闘の実態、用兵、終結に至るまで安部と違って熟知している。

だから、本音は集団的自衛権反対なのだと塾頭は推測してます。戦争が始まっても自分が前線に立つことなどあり得ない。

つまり、おたくから一歩も出ないところが彼の彼たる所以です。

投稿: ましま | 2014年5月20日 (火) 13時17分

近頃何かと言えば世論調査がはやるが、設問の仕方で如何様にも誘導出来る。
産経や読売の世論調査では集団安保に7割が賛成で、
同時期の毎日や朝日調査では正反対に5割以上が反対していた。
集団的自衛権と言う憲法の根本にふれる大問題なのに、流石にこれではマスコミの世論調査の権威が丸つぶれなので、産経と朝日が、『違いの原因』なるものを分析する記事を書いているのですが、大笑いですね。
朝日が指摘する、産経の手口は、賛成反対の単純な二択では無くて三択にしているが、賛成1に対して反対は2なので、迷った人は自働的に賛成に数える。
しかも読売・産経の設問では『必要最小限』という文言があり反対しにくくなるように設定していた。
逆に産経側の言い分ですが、
『朝日新聞は「憲法解釈を変える」という設問をしている。
(朝日のように賛成か反対か)二択の質問では、全面的容認には抵抗感がある「限定容認論」の人々も反対に回った可能性がある。』と反論するが、これは無理筋。
一番単純な二者択一にするか、三択なら、賛成反対以外の3番目の選択肢は『どちらでも無い』が正しい。

投稿: 宗純 | 2014年5月22日 (木) 13時04分

マスコミ世論調査でまずまず信用できるのは支持政党率だけです。
これすら、調査日の設定、電話番号の無作為抽出と利用方法。質問と回答の方法や順序などで差を生じるでしょう。
利用価値があるのは、同じ方法による前回との比較や傾向を見る程度ですかね。

投稿: ましま | 2014年5月22日 (木) 16時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/56255279

この記事へのトラックバック一覧です: 尖閣危機キャンペーン:

» 漫画「美味しんぼ」を日本政府が事前検閲、特高(政治警察)化する環境省 [逝きし世の面影]
『原子力ムラの避難ムラ(仮設住宅)だった環境省』 極悪利権集団の原子力ムラの巣窟だった経済産業省、安全・保安院が解体されて生息場所を奪われた5000人のムラの住民たちは一斉に環境省に移動したらしい。 今回、とんでもないことが発覚する。 『美味しんぼ』を...... [続きを読む]

受信: 2014年5月21日 (水) 09時46分

« 集団的自衛権と民主党 | トップページ | 美しい日本、敦盛と直実 »