« 侵略に定義はないという安倍流 | トップページ | 韓国船没事件報道に思う »

2014年4月29日 (火)

この総理にしてこの文科大臣あり

 「侵略に定義はないという安倍流」、前回はこれを書いた。その中に「村山談話は、戦後50周年記念式典に際して、内閣総理大臣の村山富市が、閣議決定に基づき発表した声明である」と説明した。

 ところがなんと、安倍総理教育改革の右腕(右は右翼の意)・下村文科大臣が、村山談話は閣議決定していないと国会で答弁していたのである。うかつにも、塾頭はこのことを知らなかった。

 これを報道したのは、朝日新聞だけらしく、知ったのは昨日「週刊金曜日」989号を本屋で立ち読みした時である。そのつもりはなかったが「それは大変」とばかり買ってきてしまった。知らない人も少なくないとと思うので早速引用しておく。

 驚きの発言が飛び出したのは、3月26日の衆議院文部科学委員会。今年1月に改訂された教科書検定基準で「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解」がある場合には、それに基づいて記述する、とされたことに関し、下村博文文部科学大臣は、共産党の宮本岳志議員の質問に対し、村山談話は閣議決定されたものでなく、「政府の統一的な見解」には当たらないと答弁した。同議員の再度の問いに対しても「私は事実関係を申し上げているわけでありまして、閣議決定されていないということは、これは事実であります」と断言した。

 塾頭は、同談話が自民党閣僚も加わった閣議決定だったことは常識だと思っていたし、前回記事の参照に用いた2005年発行の本も、そのことを明記している。まさに驚天動地発言だ。果せるかな、4月4日に文科政務官が下村答弁に事実誤認があったと申し出て陳謝した。

 続く9日の同委員会で、この件を追及され、事務方から上がってきたペーパをそのまま読んだ「うっかりミス」と弁明した。それにしては前回2度も確信に満ちた断定答弁をしている。読み違いやプリントミスの類ではない。

 それに事務方といえば、同省のエリート官僚で複数のチェックも受けているはずなのにどうしてこんな単純ミスを犯すのか。何か史実を変え、既成事実を作ろうとして故意が働いたのではないかとさえ思いたくなる。

 さすがにこの間の不自然さが黙視されていいはずがない。辻本清美議員が18日付で質問主意書を政府に提出した。その答えが同議員のHPにでている。そこで彼女は「答弁がわかりづらいので、整理して掲載します。」とことわりを入れているが、それでもわかりにくい。

 菅・野田首相時代なら何度も首が飛ぶような発言だ。安倍首相のお友達なら何を言っても言いどく、どうかすると勲章になる。教科書検定のおおもとが、この程度の歴史認識なのか、戦争を知り、戦後を作ってきた先輩への侮辱なのか、旧聞であっても黙視できない。

|

« 侵略に定義はないという安倍流 | トップページ | 韓国船没事件報道に思う »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

自民党の野中元幹事長のように80代の本物の大日本帝国を知っている政治家では例外なく今の日本国と帝国とが、当たり前ですが『違っている』事実を理解している。
ところが肝心の、安倍総理とか下村文部科学大臣とか5~60代の現役の政治家の問題点は、この現在の日本国と、無謀な戦争の末に滅んだ大日本帝国とを、如何も混同しているらしいのですよ。
この人たちですが困ったことに日本国=大日本帝国だと信じていて、少しも疑問に思っていないのです。
同一視でないと『自虐史観』などの不思議な言葉は生まれてきません。

投稿: 宗純 | 2014年4月30日 (水) 15時50分

ため息がでますね。単純なことなのに。これでは、中学程度の日本史も合格点がとれません。

何を勉強して大臣にまでなったのでしょう。多分歴史修正学者の論文のつまみ食いです。つまみ食いでなく全体を勉強すれば、そんなことにならなかったはずです。

あるいは、マンガ史学か?

投稿: ましま | 2014年4月30日 (水) 16時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/55983377

この記事へのトラックバック一覧です: この総理にしてこの文科大臣あり:

» 5月2日(金)★通算100回目★ 再稼働反対! 首相官邸前抗議、                   その他 -原発関連デモ集会情報- [政治Ⅱ]
首相官邸前抗議は残念ながら100回目を迎えてしまいました。 この残念な気持ち、更に強く訴えていきたいです。 4月27日(日) 茨城県の東海第2原発を廃炉に!東海第2原発バルーンプロジェクト(茨城) 脱原発高槻アクション(大阪) 4月28日(月) 福島原発告訴団、「深刻化する汚染水問題」ふくしま集会(福島) 4月29日(火・祝) 原発いらないコドモデモ!(京都) 5月...... [続きを読む]

受信: 2014年4月30日 (水) 11時58分

« 侵略に定義はないという安倍流 | トップページ | 韓国船没事件報道に思う »