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2014年3月31日 (月)

愚挙、産経世論調査

 産経新聞社とFNNが行った従軍慰安婦に関連する世論調査が31日に発表された。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140331/plc14033112130008-n1.htm

29、30両日に実施した合同世論調査で、慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」の作成過程を検証する政府方針について「支持する」との回答は50・7%に達し、「支持しない」の31・5%を上回った。また、検証で新事実が見つかった場合、「新しい談話を出すべきだ」との回答が69・8%に達した。

 河野談話をめぐっては、元慰安婦への聞き取り調査のずさんさや、談話の原案段階で日韓両国がすり合わせを行っていたことなどが明らかになっている。このため、政府はすり合わせの実態などを検証する方針を決めている。

 ただ、政府は談話見直しについては「考えていない」(安倍晋三首相)と否定。こうした首相の姿勢を「評価しない」は45・1%で、「評価する」の36・0%を上回った。前回調査(2月22、23両日)では「見直すべきだ」との回答が58・6%に達しており、見直し容認派が依然として多数であることが明らかになった。

 なんと愚かな調査をやったものか。これで安倍内閣は一挙に苦境に立たされる。ネットウヨやヘイトスピーチをやるレベルでは、これに喝采を送るだろう。また、一部政治家は早速政府をゆさぶるにちがいない。

 引用文にあるように、安倍首相は河野談話の見直しはしないという方針を明言した。塾頭もブログを始めて以来、慰安婦問題は、日本として表明できるぎりぎりの線が河野談話であるという立場を取っている。

 その内容をベースにすることで、内容に誤解があったり誇張して取られているようなところがあれば丁寧なに説明と理解を求めるようにすればいいのだ。この問題は情念も絡んでいるので、もちろんそれで納得が得られるとは思えない。

 さらにいうと、世論調査の数字が間違っているとも思わない。またこれを機に再検証してみようという試みまで否定していない。しかし、それで日韓の間にあるいろいろな古傷をめちゃめちゃにして両国に何の利益があるというのだろうか。

 中国・韓国はよく日本の歴史認識をいう。しかし、習主席が南京虐殺30万人説を外国へ行ってまで喧伝するなど、個々の歴史認識は日本の方が正確に分析されているといっていいだろう。韓国が首相の靖国参拝を指弾する。A級戦犯合祀といっても韓国はそれを裁く立場になく、直接関係がないはずだ。

 しかし、日本人としてほとんど意識されていないことがある。韓国は戦前上海に設立された独立亡命政府が、北朝鮮は金日正の抗日パルチザンが、中国は共産党人民革命軍がそれぞれ日本を敵国として戦い、それが現政権の建国の精神的支柱としていることだ。

 それらは、北朝鮮をのぞいて国交回復交渉で解消されたことになっている。抗日・反日で立ち上がった国に、「それはなかったことにしよう」とか「日本はまちがっていなかった」などという考えは、彼らからするとちゃぶ台がえしの「妄言」になってしまうのだ。

 相手の立場に立って考えてみる、相手の痛みに思いをいたすというという度量がなければ外交は成り立たず、世界平和をリードするなど空念仏に終わるだろう。産経グループが衆愚政治先導役を果たそうとしていることに気付くかどうか、まさに安倍内閣の正念場である。

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コメント

その”ちゃぶ台がえし”を安倍首相はやろうとしているわけですよ。
戦後標準となった東京裁判史観をひっくりかえし、むしろ日本は被害者で止むに止まれず大東亜戦争を発動した、ということに。侵略者は欧米であり支那だったということに。
これを世間では歴史修正主義といってますが、まさに今までの通史を修正しよう、書き換えようという動き。これは何も日本だけの動きではなくて、アメリカでむしろルーズベルト政権の背信性、容共性を検証しようとしています。
「永遠のゼロ」という映画がありますでしょ。あれを宮崎駿や是枝監督が口を極めて罵倒したわけです。あの映画が彼らの思想と正反対のテーゼを打ち出したのが癪に障ったのもありますが、何より大ヒットしたのが許せなかったのです。
日本人は既に半ば自虐史観から抜けかけている、それを認めるのが怖い、断じて許せない、認めたら自分の今まで歩いてきた道が無に帰すから。塾頭にも共通する心理がありますまいか?

投稿: ミスター珍 | 2014年4月 1日 (火) 22時37分

ミスター珍 さま
次回のエントリーにさせていただきました。

投稿: ましま | 2014年4月 2日 (水) 11時44分

江戸時代参勤交代時に大名行列が「下にぃ~」と言いながら街道を行進するのはよく知られていますが、一般的には掛け声を「お偉いさんが通るぞ!」程度の認識でしかないようです。。しかしながら実際は大名の顔(籠で隠されてはいるが)を見られないようにする意図があるそうです。ましてや殿様のご尊顔をちらりとも見ようものなら命はないものとの覚悟が必要だったようです。なぜか?標的になることを避けるためです。つまり、今でいう所のテロ防止の一環との意味合いがあったそうです。
テレビドラマでは、現代に合わせて脚色するために、そのあたりの事情を汲むことは難しいようです。
現代人は、現代の常識でもって全てを判断しようとしますが、当時を生きていない我々にとって想像の域をでません。
従軍慰安婦にしろ、存命の方の辻褄が合わないからと言って行為をのものを全否定する大勢のご意見に違和感を覚えます。
少なくとも識字率の低かった当時において新聞広告を読んで慰安婦として応募された方が全体のどれくらいいたのか?想像の域をでませんが、ほとんどいなかったかと思います。
また、募集方法に騙しはなかったのか?さらに、数多くの兵隊さんの性処理をさせるために現地調達(強制性)はなかったのか?
私は日本軍の恥部に対して政府が本気で調査したとは到底思えません。

投稿: どんぐり | 2014年4月23日 (水) 04時50分

どんぐり さま

すみません。4/23日の最新記事を見てください。

投稿: ましま | 2014年4月23日 (水) 11時48分

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