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2014年3月

2014年3月31日 (月)

愚挙、産経世論調査

 産経新聞社とFNNが行った従軍慰安婦に関連する世論調査が31日に発表された。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140331/plc14033112130008-n1.htm

29、30両日に実施した合同世論調査で、慰安婦募集の強制性を認めた「河野洋平官房長官談話」の作成過程を検証する政府方針について「支持する」との回答は50・7%に達し、「支持しない」の31・5%を上回った。また、検証で新事実が見つかった場合、「新しい談話を出すべきだ」との回答が69・8%に達した。

 河野談話をめぐっては、元慰安婦への聞き取り調査のずさんさや、談話の原案段階で日韓両国がすり合わせを行っていたことなどが明らかになっている。このため、政府はすり合わせの実態などを検証する方針を決めている。

 ただ、政府は談話見直しについては「考えていない」(安倍晋三首相)と否定。こうした首相の姿勢を「評価しない」は45・1%で、「評価する」の36・0%を上回った。前回調査(2月22、23両日)では「見直すべきだ」との回答が58・6%に達しており、見直し容認派が依然として多数であることが明らかになった。

 なんと愚かな調査をやったものか。これで安倍内閣は一挙に苦境に立たされる。ネットウヨやヘイトスピーチをやるレベルでは、これに喝采を送るだろう。また、一部政治家は早速政府をゆさぶるにちがいない。

 引用文にあるように、安倍首相は河野談話の見直しはしないという方針を明言した。塾頭もブログを始めて以来、慰安婦問題は、日本として表明できるぎりぎりの線が河野談話であるという立場を取っている。

 その内容をベースにすることで、内容に誤解があったり誇張して取られているようなところがあれば丁寧なに説明と理解を求めるようにすればいいのだ。この問題は情念も絡んでいるので、もちろんそれで納得が得られるとは思えない。

 さらにいうと、世論調査の数字が間違っているとも思わない。またこれを機に再検証してみようという試みまで否定していない。しかし、それで日韓の間にあるいろいろな古傷をめちゃめちゃにして両国に何の利益があるというのだろうか。

 中国・韓国はよく日本の歴史認識をいう。しかし、習主席が南京虐殺30万人説を外国へ行ってまで喧伝するなど、個々の歴史認識は日本の方が正確に分析されているといっていいだろう。韓国が首相の靖国参拝を指弾する。A級戦犯合祀といっても韓国はそれを裁く立場になく、直接関係がないはずだ。

 しかし、日本人としてほとんど意識されていないことがある。韓国は戦前上海に設立された独立亡命政府が、北朝鮮は金日正の抗日パルチザンが、中国は共産党人民革命軍がそれぞれ日本を敵国として戦い、それが現政権の建国の精神的支柱としていることだ。

 それらは、北朝鮮をのぞいて国交回復交渉で解消されたことになっている。抗日・反日で立ち上がった国に、「それはなかったことにしよう」とか「日本はまちがっていなかった」などという考えは、彼らからするとちゃぶ台がえしの「妄言」になってしまうのだ。

 相手の立場に立って考えてみる、相手の痛みに思いをいたすというという度量がなければ外交は成り立たず、世界平和をリードするなど空念仏に終わるだろう。産経グループが衆愚政治先導役を果たそうとしていることに気付くかどうか、まさに安倍内閣の正念場である。

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2014年3月29日 (土)

普天間と横須賀

 今日の毎日新聞(東京・朝刊)は、トップに「米原子力艦30㌔圏自治体」「独自防災計画の動き」と題し、原子力空母ジョージ・ワシントンの母港である横須賀を中心とした自治体や国の対応を調査、3面でも大部分を割いてこれを記事にしている。

 内容は、空母の通過点である浦賀水道から至近距離にある三浦市や対岸の千葉県自治体が他避難計画など対策を考えているのに対し、国は空母停泊点から3㌔という10年前の設定そのままで、福島の教訓は全く無視されている、というものである。

 遅すぎる!!。「今でしょ」ではない。当塾では福島事故が起きてから3か月後、11/6/27にこのことを指摘(「恐怖!東京湾に原子炉2基」)している。都心直下型地震よりは可能性が低いという保証はなにもない。万一の事故が起きれば普天間基地どころではないのだ。

 北朝鮮がノドンらしき中距離弾道弾の発射実験を行った。当たるはずはないと思うが、狙うとすればここが第一番だ。そもそも、原子力空母をここに置いておく戦略的意味はあるのか。前述のバックナンバーでも書いているが、アメリカ人でさえ「どうしてこんな人口密集地に原子力艦基地を許可するのか気が知れない」といっている。

 原子力空母は、燃料補給をしなくても遠距離で長期間、例えばインド洋などで活躍できるメリットがある。ベースとしては、各方面に開けた太平洋内の島嶼の方がいい。日本のために近海に出動するなら、通常型動力の空母で十分なはずだ。

 政府は安保条約、地位協定に関わることになるとアメリカに何も言えなくなる。安く済んで居心地のいい場所から「どけ」とは言いづらいのだろうか。

 軍事オタクでは右にでない石破自民党幹事長どの。本当は反対なのに「集団的自衛権は議論を深めて」など消化不良を起こしそうな逃げをはらずに、政府へ提言を。

 民主党のその道では権威の誇り高い前原誠司くん。「普天間移転にはB案も」だけではなく、横須賀B案の方も野党としてよろしくご検討のほどを。

 ふたりが男を上げるにはこれしかないでしょ。

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2014年3月28日 (金)

『白』三題

白鷺

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コブシ

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白壁

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2014年3月27日 (木)

プーチン対オバマ

 3月19日 に「今回はロシアに応援」という記事を書いた。クリミアをウクライナから分離独立させる住民投票の結果がでたばかりで、まだロシアへの帰属は決まっていなかった時期である。その後のロシアの動きは素早い。

 クリミアのロシア移管を素早く混乱なく推進し、他地区への波及は否定。プーチンの支持率もうなぎのぼりで80%を超えたようだ。これに対してオバマの方は分が悪い。欧米が育んできた民主主義を破壊する暴挙、といいEUの経済制裁を強化するようハッパをかけ続ける。

 塾頭がいち早くロシアの肩を持ったのは、無差別銃撃などで混乱したデモと、事実上のクーデターでロシア寄りの大統領を追い出し、議会が暫定的に大統領代行を選出、選挙はまだ先、というウクライナ。

 その反面、個人の願望、住民の意思を投票で選定し、国家の枠組みより優先させる民主主義の根幹がウクライナではなくクリミアの方で実現しているように見えたことだ。それに戦争、武力衝突を自制したのは、むしろロシアの方だと感じたことにもよる。

 オバマは、腰の定まらない経済制裁を声高に叫ぶが、戦争の第一歩は伝統的に経済制裁から始まる。エネルギー依存など経済の結びつきが強いECでは足並みが揃わない。その点、アメリカ自体も決め球をもっているとはいえない。  

 オバマの目的は、もっぱらロシアを孤立させることにある。それでどういう効果を期待しているのか。まず、アメリカ特有の「弱腰」という国内批判をかわすことである。イランとの和解、中東からの撤退、太平洋重視だけでは、持たないということだろう。

 依然として冷戦意識を抜けきらない保守派が多いのは、アメリカと日本だ。2期目をつとめあげるためには、こういった層の支持が欠かせないということか。ただ、オバマの計算と安倍首相の計算では解き方が全く異なることも指摘しておこう。

 塾頭の考えは、どうやら日本でも孤立しているようだ。最後に塾頭の迷いを付け加えておこう。戦争を防ぐことのできる指導者は、強い指導者か弱い指導者かということである。ユダヤ撲滅に走ったヒトラーは、決して強い指導者ではなかったのだ。開戦の日に泣いた東条もまたしかりである。しかし結論はまだ出せていない。

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2014年3月25日 (火)

死ななきゃ直らない、秘匿・ねつ造体質

 塾頭はかつて”脱原発”論者だった。つまり、節約、高負担、代替エネルギー源への投資・開発・普及促進により、一定期間中に原発ゼロを目指すというものだ。それは、福島原発事故の過酷な現実を見て、原子力村の「秘匿・ねつ造体質」が改善するという前提を置いたからだ 。

 民主党時代に経産省や文科省に集中していた安全関連の権限が環境省や内閣府に分散し、透明性が増すはずだった。それが、安倍内閣の原発温存・輸出指向が鮮明になってくるにしたがってどうやら怪しくなってきた。今では、「即原発ゼロ」の反原発派だ。

 今日(25日)付毎日新聞は、新たな内閣府の犯罪的秘匿・ねつ造体質をトップで報じた。それは昨年実施された個人線量計による被曝線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援調査について、当初計画していた結果の公表を見送ったというものである。

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  それだけではなく、通常住民が屋外にいる時間を短く見積もるなど当初設定条件を変更し被曝線量を低減(写真)して発表することになるらしい。同紙は、その動機について「関係者によると、当初の想定より高い数値がでたため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まったため」としている。

 実際の個人線量計計測数値や屋内外の数値に、被曝時間などの想定を組み合わせて調査されるものだが、被曝時間などの値は、安全を見てより高い方を採用するのが常識ではないか。内部から疑問がでて当然である。しかし検討チーム担当者の大半は経産省職員だという。

 この毎日新聞のスクープで、秘匿・ねつ造体質が変わるとは到底思えない。また、秘密保護法案もある。都知事選の細川・小泉構想が水面下に沈んたまま続くようなら、第2の福島事故はいつ起きても不思議ではない。

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2014年3月24日 (月)

ニッポンの3大ONIY

JAPANESE ONIY
Jリーグ浦和、無観客試合
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MONGOLIAN ONIY
君が代、天皇賜杯、→横綱3人
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都構想 ONIY
大阪市民ソッポ
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2014年3月22日 (土)

石油帝国主義の終焉

 当塾のエントリー "今回はロシアに応援"は、前回の記事だが随分前だったような気がする。というのは、その後ロシアのクリミア編入手続きが進みプーチンが調印、全欧安保協力機構(OSCE)、ウクライナにロシアを含む国際監視団100人を派遣することを決めたなどの続報のほか、ウクライナに新政府を作ったデモ隊に、西欧のNGOから2000万円のカネが渡っていたとか、クリミアで無差別発砲で2人殺した犯人がウクライナ人の少年だったなど、こまかな周辺情報が続いているからだろう。

 それに引きかえ、塾頭が気にしていた黒海の石油利権の話がさっぱり出てこない。そもそも、今回の騒動は東側を地盤とするヤヌコビッチ大統領が昨年11月EUとの関係を強化する連合協定の署名を見送り、ロシアとの関係を深めようとしたことに端を発する。

 それを嫌ったデモが発生し、そのデモ隊に誰かがビルの屋上から発砲しデモ隊と規制する警備隊双方に多数の死者をだすという大混乱になり、大統領が政権を投げ出して先月末に逃亡、急ごしらえの暫定政権ができたというものだ。

 これに肩入れしたEUやアメリカと、クリミア独立住民投票後、ロシアの間髪をいれない受入れ体制整備で、勝ったのはロシアというめまぐるしい動きだつた。その中で、背景のにある黒海の石油利権の話が等閑視されていたような気がする。実はこれが発端だったのではないか。

 石油危機後、イギリス・ノルウェイの北海油田、ロシアの黒海油田がそれぞれのドル箱として機能していることは知っていた。今回あらためて調べてみたところ、次のようなことが分かった。

 黒海は、南から時計回りでトルコ、ブルガリア、ルーマニア、北端がウクライナでそこからロシア、2月6日付で当塾記事にしたアブハジア、そしてグルジアと続く。沿岸の距離が最も長いのがトルコで、ロシアからグルジアまでの東側がこれに次ぐが、急に深海となり石油探査や採掘は困難で、開発途上にあるといっていい。

 一番取り出しやすいのは、「大陸棚」と称する陸地から遠浅で続く海底である。その大陸棚の面積がもっとも広いのがウクライナで、沿岸が短いもののルーマニアとブルガリアがこれに続く。クリミアがロシアに編入されるとなると、単純に見てウクライナの大陸棚は半減し、ロシアのそれは3倍程度増えるのではないか。

 Dscf4140 カットの写真『石油帝国主義』は、第一次大戦後の1927にルイズ・フィッシャーが原典を書いたものだ。表紙裏にはカスピ海、黒海、イラク、ペルシャ(イラン)それに樺太(サハリン)を加えたイラストが描かれている。「石油帝国主義戦争」の引き金となる産油地帯に擬せられていたのだ。

Dscf4147  その後世界一の産油国としてアメリカ本土が躍り出し、世界の石油支配を実現したが需要の伸びで石油輸入国に転じた。しかしその後もサウジアラビア産原油でそれを補い、バスク・アメリカーナの地位を守った。

 最近、石油中心のエネルギー事情がすっかり様相を変えている。アメリカはシェールガス開発の進展でエネルギー輸出国復帰を視野に入れており、EU・ヨーロッパもエネルギーの30%をロシアの天然ガスに頼っているが、ウクライナのシェールガス開発にも注目している。

 今、80年前に予言された「石油帝国主義」の火薬庫に火がつくだろうか。武力を背景に資源産出国を支配し市場を支配するという構図は、分かりやすいだけに現在の中国やロシアを「資源帝国主義国」に擬す向きが多い。

 しかし、黒海の現状は全く違う。前述したとおりウクライナの石油利権は大幅にロシア側線引きし直される可能性がある。その利権は、探鉱権、採掘権、のほか、投資、共同事業参加、資金・技術提供、パイプライン使用、販売先その他さまざまな利権が絡み合い、失敗による危険を避ける意味からも1国だけの開発の例は珍しい。

 ウクライナ沖でいうとガス田が多いが、既存のものは1970年代ソ連時代に開発されており、ウクライナの分離独立後同国側とロシア側に分割された。これがクリミア半島ロシア編入に伴い再分割されることになるが、これまでも両国の共同事業のように一体化して運営されており、両国の話し合いなしで分割が強行されるとは考えにくい。

 また、クリミア半島南東側深海の鉱区はヤヌコビッチ大統領が、アメリカノバナコなど4社のJVに07年に与えた。その後この決定に同国首相が反対し、裁判にまで発展、現在のデモ、政変にまでつながっている。

  この利権話には中国への売り込み話もあり、中国自体の国有石油会社を牛耳る大物が習政権の汚職追及を受けていることなどから急に進む話ではない。いずれにしても、ウクライナはロシアの協力なしに資源の維持管理は困難で、新政権がロシアと対等な交渉をするまでには時間がかかるだろう。

 ロシア自体はどうか。JVの相手先としてアメリカのシェブロン、共同開発計画にエクソン・モービル、さらに開発プロジェクトへイギリスのBPが予定されるなど、欧米諸国というよりグローバリゼーションの進んだ国際企業との連携に力を入れている。資源を一国だけの占有物とし、独占的利益を得ようとする「資源帝国主義」はもう古い、ということを知っているかのように見える。

 今日の報道からは、アメリカやEUなどが、ウクライナのロシア派高官とロシアの石油利権に関連する高官の銀行口座閉鎖、さらにロシア銀行の封鎖など、セコイ経済制裁を続発しているが、プーチンは自分の口座がないのでロシア銀行に口座を開設するよう指示した、という西側を茶化したようなニュースが印象的だった。利害は国家から利権に群がる個人のレベルに引き下げられたようだ。

【参考ウエブ】
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3696/201011_069t.pdf
http://be-spo-hirarin.blogzine.jp/weblog/2014/03/post_2300.html
http://blogs.yahoo.co.jp/yada7215/62169888.html

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2014年3月19日 (水)

今回はロシアに応援

 帝政ロシアにしろ拡張主義ソ連にしろ、塾頭があまり好きになれない国である。ただ、今回のクリミア独立に対するプーチンの動きには(今のところ)肩をもちたい。

 現地に立ってみないと本当のことは分からないが、好戦的な言動をを繰り返しているのはウクライナ暫定政権でありオバマ・アメリカなど欧米諸国である。ロシアの軍事的強圧があったのはたしかだったとしても、銃をつきつけてあれだけ多数の住民が賛成票を投じたわけではなし、平穏な住民投票の中で決まったと見ていい。

 一方暫定政権の方だが、以前からネオナチや民族主義者、左派までさまざまな勢力からなり、それはいいとしても、きっかけの動乱がスナイパーを雇いデモ隊や警官隊に発砲させ、デモが過激になるきっかけをつくったという噂があり、直近のニュースでもクリミア内部で銃撃さわぎがあり1人が死んだという。

 「範囲を限定して経済制裁をする」「G8をやめ、G7にしてロシアを仲間外れにする」など、「住民の意思を尊重する」というロシアに対してなんともせこい対応だ。「投票がウクライナ憲法に違反しているから不法」など、他国が干渉すべき問題ではないし、むしろアメリカ流の民主主義を忠実に実行した結果といっていいのではないか。

 クロアチアのユーゴスラビアからの独立、NATOが軍事介入してまで独立を果させてボスニア独立など、ロシアから明らかなダブルスタンダードではないのかと言われても反論できないのではないか。困ったのは日本と中国である。

 ロシアに近づきたい安倍首相か、「自由と民主主義」のためにロシア制裁に加わらないといってプーチンを応援すれば立派だが、アメリカのポチから抜けだす勇気はとてもないだろう。

 中国の方は、今朝のテレビで「軍事力をかさに尖閣を奪える口実になるからロシアに賛成する」などと発言した評論家がいたが、ロシア流で台湾やチベット独立が合法化される方がよほど怖いはずである。バカかも休み休みに言ってもらいたい。

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2014年3月17日 (月)

春の光

◎東京スカイツリー遠望
◎オオイヌノフグリ

ふたつは何の関係もありません。

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2014年3月16日 (日)

愛国者諸君に問う②

 以下は前々回のコメントに対するレスポンスですが、長くなりすぎたので本文とさせていただきます。
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makoto さま
こんにちは
 以前、「あげあしとりのようなコメントには答えない」と書いたことがありますが、今回は「愛国者諸君に問う」という題なので、逃げが利きません。よく読んでいただければ makoto さまと意見が異ならないような点などをのぞき、答えさせてください。

 まず「敗戦はくやしい」の安倍発言です。これは安倍晋三『美しい国へ』文春文庫(2006年)78ページにでてます。

 (前略)いま世界中の人びとが日本につどい、日本人選手がその前で、胸のすくような活躍を見せる――敗戦のくやしさと、戦争を始めたことへの後悔をバネにかえ、強い精神力で生き抜いた世代にとっては、それは誇らしく、もっとも輝かしいときだったにちがいない。

 前回の東京オリンピックを指す部分です。安倍さんは当時小4で、「くやしい」と思った世代は塾頭などと言うことになりそうです。余計なことだが、それをいうなら戦後まもなく水泳で活躍した古橋広之進さんや橋詰四郎さんの方が適当だった。

 ともあれ、「くやしい」感覚は、終戦の詔勅を聞いた一瞬だけで、一カ月もたたないうちに「戦争に負けてよかった。もし勝っていたら軍部がどんなに威張り散らし、より悲惨な目にあうところだった」に変わりました。

 これは、終戦直後東久迩内閣が「一億総ざんげ」声明を出して国民から総反発を受けたことや、この前都知事選に立候補した細川さんのお父さんで近衛文麿の秘書だった細川 護貞『情報天皇に達せず 細川日記』などに書かれている終戦前の民情、戦争幕引きのための東条排除工作など調べればわかります。

 軍部の横暴は塾頭の周辺でも体感できました。具体例は大阪のゴーストップ事件など、Wikipediaでも調べられます。また、安倍首相の考えのもとにあるものを、前掲書から引用しておきましょう。(25ページ)

 たしかに軍部の独走は事実であり、もっとも大きな責任は時の指導者にある。だが、昭和十七、八年の新聞には「断固、戦うべし」という活字がおどっている。列強がアフリカ、アジアの植民地を既得権化するなか、マスコミを含め民意の多くは軍部を支持していたのではないか。

 それは、現在と同じと考えているからです。すこしでも戦争に批判的なことを書けば、用紙の配給を停止されてしまいます。現に廃刊にいたった雑誌は数多くあります。マスコミの置かれた立場や条件を考えず、それを民意ととる短絡的な発想は、安倍氏だけでなく戦後生まれの史家の中にも見られます。

 いま、戦後生まれと言いましたが、安倍晋太郎、江藤淳などは塾頭と同世代ですが、意見は全く違います。ただ、戦争指導者を目指していたため、「敗戦はくやしい」で固まってしまった人たちだろうと思います。

 そろそろ疲れてきましたが、makoto さまは塾頭が「世界最強の専守防衛の自衛隊を作る」と書いているのを見落としていませんか。どうして憲法を改正し「軍隊」にしなければならないのですか。海外で戦争をする能力を持つのが軍隊と普通は考えます。また、法律も一般市民とは違う法律のもとに置かれます。

 昔は、国には戦争をする権利があるという考えがありました。国連憲章には自衛や集団的安全保障に加わる権利があっても、戦争の権利があるとは書かれていません。日本国憲法九条②の「国権としての戦争」を認めてないのは、これに起因します。

 前回、戦争は侵攻・侵略を伴い、相手政府転覆を目指すと定義しました。専守防衛は戦争ではありません。本塾は「自衛隊は海外で武力行使をしない」とう一項を加えた改憲案を持っています。冷戦が終わり、アメリカ一国支配が終わり米ソが弱体化、中国の勃興という世界の転換期に差し掛かっているように思います。

 愛国者諸君は一時代前の常識を捨て、今こそ国連憲章の持つ平和志向追及に目を向けるべきだと思うのですが。

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2014年3月15日 (土)

物分りがよ過ぎる

……のと違いますか。当局&マスコミさん。

 常識に反するようなことが立て続けに出てきた。 
 世界的に権威のある「ネイチャー」誌に載った新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」と、その筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子氏のことである。

 テレビ報道などによると「採用したデータが違うことがわかったのであとで取り換えるつもりだった」、とか「幼稚さがあって、他の論文のつぎはぎが悪いことだと気がつかなかった」などといういいわけである。

 まるで、万引きをして見つかり、「後で棚に返しておくつもりだった」とか、「幼稚で万引きが悪いとは知らなかった」というのと同じだ。

 言葉が過ぎる、とは思わない。こんなブログでさえ、引用先、出典に気を使い、引用が本文より長いようなら「著作権侵害」、何十ページもコピペをすれば「盗作」になると日頃自戒しているし、物を書いたり出版したりする経験があれば、ごくあたりまえの常識である。

 ましてはマスコミ。30歳の若い女性だから甘くしたとは思わないが、世界トップ・クラスの日本の科学者全体が疑念をもたれ、歴史と権威を誇る天下の早稲田大学の博士論文がコピペだった、という前代未聞の名誉棄損をしでかしたのだ。

 「幼稚さ」という口実は、中学生でも今時は通用しない。同時に「研究者の競争が激しい」という申し訳が立つわけがない。それでことを済まそうと当事者が思っているなら、日本の学界の病根は相当根深いというべきであろう。

 もうひとつが、『アンネの日記』破損事件である。警視庁捜査1課は14日、東京都小平市の無職の男(36)を容疑者として逮捕した。真相追及に手がかりを得たことはそれなりに喜ばしい。捜査や証拠調べは依然として続いており、どこまで進むのかに関心が向く。

 ところが気がかりなことがある。早い段階から、容疑者が時々意味不明なことをいっており、刑事責任が問えるかどうか、精神鑑定の必要も、という情報が流されている。容疑者は犯行の動機として「アンネ自身が書いたものではないことを批判したかった」などと言っているようだ。

 また、リトアニアの領事館につとめていた杉原千畝外交官がユダヤ難民に大量の日本通過ビザを発行して苦境を救った。この史実を書いた本もアンネに直接関係のないのに破られている。ユダヤ迫害に関しては、特別の知識、それも一方的な知識を持っていることがうかがわれる。

 また、犯行時には指紋を残さぬよう手袋を用意し、証拠隠滅の動きもあったようだ。都心西部や神奈川県で38か所もの図書館で犯行に及んでいる。塾頭も地域図書館にはよく行くが、必ずしもわかりやすいところにあるとは限らず、事前に地理をよく調べておくとか、カーナビの世話にならなければ自転車で気軽に出向くというわけにはいかない。つまり、計画的だということである。

 以前にも書いたが容疑者の周辺情報は、さっぱり表に出てこない。「魔がさした」程度ではできない犯罪だ。わけのわからないことをいうだけで、刑事責任が問われず、不起訴になるようなことがあれば、これも国際的にスッキリしないものを残すことになるだろう。

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2014年3月13日 (木)

愛国者諸君に問う

  本ブログのアクセス解析というのがあるが、アクセスの年代別では40台が約半数、30台を加えると70~80%になるとある。男女別で女性が10%未満というのと同様、塾頭はほとんど信用していない。

 日本の「右傾化」は言葉としてすっかり定着したが、それを支える階層がかりに30台40台で、都知事選では田母神候補に投票し、改憲志向を強めている安倍政治やそれにすり寄ろうとする維新・みんなの党の支持者が多いということになると、この先の日本を担っていく階層であるだけに、その世代の「愛国者」諸君に改めて問い正したいことがある。

 中国は攻めてくるか
 焦点は尖閣の問題である。中国の執拗な領海侵犯、挑発は目に余る。最近の振舞は、毛沢東時代の覇権主義批判・民族自決などの国是とは全く逆で異質なものである。

 尖閣については、当時尖閣は「人民中国のもの」というとんでも論文を書いた階級闘争至上主義の東大の先生を、そのまま援用しているのだから奇怪である。先占の事実も実効支配の証拠も山ほどあるのだから譲る必要は毛頭ない。

 そこで、愛国者君に聞きたい。「中国は本気で戦争をしかけてくるか」。
 答え。「半々では?」
 塾頭の答え。「外交では日本より上手。90%ない」
 「ただし、軍事衝突の可能性は残りの半分5%以下」
 「戦争に至るのは、そのまた半分の2.5%以下」

日本は戦争に勝てるか
 日本は平和憲法のせいで卑屈になり、言いたいことも言えず中国にやりたい放題のわがままを許しているから、憲法を変えて軍事的に対抗できるようにすべきだ。集団的自衛権を認めて、日米同盟による世界一の戦力で対抗する。

 これまでも言ってきたとおり、これが愛国者の本音なら「日本は勝てない」。ただし、これは後から言うが、覚悟次第では「負けることもない」というのが塾頭の持論である。

 前項で「戦争」と「軍事衝突」を分けて書いた。戦争は相手が降伏するまで戦うが軍事衝突は交渉で解決することができる。現在、国連憲章や不戦条約で「戦争」は禁止されているはずだが、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争などとほとんどが戦争と称される。

 航空機やミサイルの発達した現在の戦争は、それだけでは終わらない。民衆の抵抗を排除し、首都を制圧する。指導者を追放か殺害した上傀儡政権で治安を回復する。したがって相手国に侵攻・占領することが前提となる。しかし、それで戦争に勝ったと思えるケースはひとつもない。

 一時的な優劣はあるだろうが、宇宙スパイ衛星、ミサイル、核、地上兵力、いずれをとっても国土が広く人口がが多いほど有利で、都市集中が進み標的にされやすい国ほど弱い。

 太平洋戦争開始の時、一般市民は勝つと確信していなかった。政治家や軍人などプロでさえ懐疑的だった。それを「日本は有史以来一度も負けたことのない神国」「大和魂」「神兵」「天皇の御稜威」「一億一心」で乗り切ろうとした。

 昭和天皇は「日本に科学する心がなかったのが敗因」といい、アメリカの最近の論調を見ると、アメリカの国益を犠牲にしてまで日本に肩入れする気がないことが明らかになりつつある。こういったことは、愛国者諸君、どうお考えか。

 「侵略の定義は決まっていない」といって日本利の大陸侵略をぼかしたり、「敗戦はくやしい」(安倍著『美しい国へ』)と公言する総理がいて、再び戦争に向き合える軍隊を作ろうとしている。そんな国が美しいと感じる外国はあるだろうか。

 愛国者諸君は、そうなった場合戦争に協力するため競って志願兵となって第一線に出る。外国まで行って多くの同僚が戦死する。その何十倍何百倍の民間人が死ぬ。えっ、歳が?……。それはないでしょう。孫・子に戦争の悲惨さを押しつけようなど、愛国者ならそんな卑怯なことは言わない。

威張れる国へ
 敗戦後理想的と言われる憲法を護り続け、戦争で一人も殺していない。これからも外国で一切軍事行動はとらない。平和な日本国を誇りに思い、世界最強の専守防衛の自衛隊を持つ。さらに世界平和に貢献する施策を積極的にとり、核・大量破壊兵器廃絶、軍縮・環境保全の先頭に立つそんな「威張れる国」を目指したらどうか。尊敬されている国へ攻め込んでくるく無謀な国などないはずだ。

 愛国者諸君!!。失われた10年、20年を取り戻すため活況を取り戻すのは、政治家の遠吠えのような強がり発言やオリンピックだけではない。世界に胸を張れる「威張れる国へ」突き進むことだ。

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2014年3月11日 (火)

梅みる角度

 

梅は桜のように名木があるからそこへ行って見る、というより、塀越しなどで意外な角度で見る梅が美しい。3・11まで極寒続きだったがやっと翌日から暖かくなるという。

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2014年3月10日 (月)

マレーシア航空疑念

 下の報道はmsn 産経ニュースに載った共同電で、ほかではあまり見かけない。ソースが香港情報で裏をとる必要があるということと、撃墜した、というニュースではないことによるものだろう。

 香港の人権団体、中国人権民主化運動ニュースセンターは9日、北京行きのマレーシア航空機が消息を絶ったことに関連し、中国の最高指導部が8日、軍に対し、北京中心部に近づこうとする不審な民間機があれば撃墜するよう緊急命令を出したと伝えた。

 同センターは、マレーシア航空機に爆弾を持った人物が搭乗し、北京上空で乗っ取って中国の権力の中枢「中南海」に突っ込む予定が、発見されて爆破した可能性があると指摘している。根拠は不明。

 北京では全国人民代表大会(全人代=国会に相当)が開会中で、厳戒態勢が敷かれている。マレーシア航空機には、盗難パスポート(旅券)で搭乗した疑いのある乗客が複数いたことが確認されている。(共同)

 
 これを見てピンときたのは、30年あまり前の大韓航空機撃墜事件である。ニューヨークからアンカレッジ経由で韓国ソウルに向かっていた大韓航空機ボーイング747型機が運行上のミスもあって、ソ連のカムチャツカ上空を侵犯した。

 スクランブルをかけたソ連戦闘機が警告や警告射撃をしたが気付かず、そのまま飛行を続けた。ソ連側は民間機を装ったスパイ機と見なし、これを撃墜、269人の全員が死亡した。

 今回の場合はどうだろう。中国戦闘機が中国南部の空港に緊急着陸するよう警告を発したが下手な英語のため聞き取れない。そのうちマレーシア機の正面に進路を妨害するように戦闘機がでてきた。機長はとっさに危険を感じ急降下急旋回した。

 これを逃亡と見なした軍用機は、ためらわずミサイルを発射、マレーシア機を撃墜した。この間、10秒とかかっていないだろう。普通ならベトナムの管制が中国機も感知するはずだが、ステルス機ならわからない。

 こういった行動をとるのは、最高指揮官の指示を受けた軍人なら当然なこと、もし見逃して祖国に損害をもたらしたら、軍法会議で死刑もやむを得ない。塾頭は、陰謀論を含めやたらに妄想を逞しくしたわけではない。軍隊というのはそういったものだということを言いたかっただけだ。
 

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2014年3月 8日 (土)

士農工商穢多非人

 タイトルで書いたようなことは、学校で教えるのだろうか。最後のエタ、ヒニンは漢字転換ででてこなかったので、今でも多分タブーなのだろう。新憲法で人権意識が定着した今、改めてこのことをきちんと教えてもいいのではないか。

 最近、関西で「部落」というと朝鮮人居住区をいうようだが、もとは違う。穢多は動物の屠殺(とさつ)や関連の職業にたずさわる人、非人は犯罪者として社会から排斥された人を第5の階層として差別、そういった人々の住む部落を指したものだ。

 塾頭の親の時代、すくなくとも祖父母の時代には、子供が好きあって結婚したいと打ち明けると「相手は士族かね、平民かね」と問題にする人が多かった。「平民」とは「士」以外を指す。塾頭もある戸籍謄本に「士族」と書いてあるのを見たことがある。

 話は変るが、安倍首相が「国のために尊い命を捧げた人に尊崇の念」で靖国に参拝するそうだが、明治維新、徴兵令が敷かれるまでは戦争に参加するのは武士だけで、国民の大多数である平民は無関係だった。

 その武士も、国ではなく藩の殿さまのため命をささげ、靖国に祀られない代わり、子子孫孫までその身分や録を保障された。維新後、平民の身分はそのまま、兵役の義務だけ余分なものが付け加えられたので、死んだら靖国へといわれても、とても合わない。

 その不満が大爆発したのは日清、日露戦争後で、平民から多くの戦死者を出したことによると思う。国民として四民平等なはずだ、どこが違うという思いだ。平民新聞が発刊され、日比谷焼打ち事件が起き、コメ騒動が起き、軍の工廠はもとより、娼妓の組合までストライキがはやった。

 これらが、つかの間の大正デモクラシーのあだ花を咲かせたのだろう。おじい様(岸信介氏)より前の時代にまで思いを馳せることのできない首相に、戦中戦後の「歴史認識」を言っても無理なのではないか。

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2014年3月 7日 (金)

『アンネ』&『黒い霧』

 柏の通り魔事件は、わずか2日あとに逮捕者がでた。どこかの国のように、すかさず「犯人はウイグル族……」と決めつけてしまうのもどうかと思うが、このところ防犯カメラなどのおかげで行方不明事件や放火事件など、統計はどうか知らないが検挙率が高まっているように思う。

 これに対して不思議に思うのは、『アンネの日記』破損事件である。あれだけ大々的に取り上げられ、新聞論調は一様に「不気味な事件だ。一刻も早い真相解明を」の一色に染まった。

 当時○○に詳しい識者などが「図書館は公衆に開かれたところ、犯人検挙に時間はかからないでしょう」などと言っていた。ところが一週間たった今、単純な周辺情報も一切マスコミから消えてしまった。被害図書館などのコメント、証言なども目にしない。どうしたんだろう。

 当ブログは2月27日 の「アンネの日記破損犯は……」で、早い解決をと書きながら、迷宮入りのいやな予感も書いておいた。あまり続報がないので、まさか、とは思うがかつて占領中にあった「日本の黒い霧」がちらちらしはじめた。

 松川事件、下山事件などなど。当時は、「ソ連を利する左翼労働運動から民心を離反させるため、CIA自作自演の陰謀」という解説だったが、今度はどうだろう。同盟国を「失望」させ、対立するロシアにすり寄る右翼勢力を失脚させるため……だったら。

 いかに安倍退陣を願う反戦塾であっても、外国の干渉・謀略は反対である。断乎排除しなければならない。明日、ニュースを見て「な~んだ」という結果になってほしい塾頭である。:警視庁捜査一課より、県警○○署の方が優秀、とはならないよう願ってやまない。

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2014年3月 5日 (水)

軍事お××、安倍首相

 安倍晋三首相は4日の参院予算委員会で、集団的自衛権の行使容認に関する有識者懇談会の検討状況として、アフガニスタン戦争を例に「実際に戦争に参加するのではなく、そこに医薬品や弾薬を運ぶことができるかどうかを議論している」と明らかにした。紛争地で活動している他国部隊への武器などの輸送を実現したいとの考えを示唆したとみられる。(東京新聞電子版)

 終戦前年頃、こんな唄がはやった。

♪腰の軍刀にすがりつき
連れていきゃんせどこまでも
連れて行くのはやすけれど
女乗せない輸送船

♪さらばラバウルよ
また来る日まで
しばし別れの
涙が浮かぶ
……

 南方占領地などに対する、武器・弾薬・医療品・食料・兵員の海上輸送とそれへの護衛は、海軍の重要任務だった。敵に制空権を奪われ、輸送船が次々に撃沈されたため補給ができず、島々が自滅、日本は負けたのだ。

 陸軍は輜重(しちょう)兵。車も通れない悪路を重い荷物をかついで泥水をすすり足をとられながら何千里も行軍。敵から見てこれを絶てば勝ち。物陰から敵に狙撃されて死んでも戦功とは縁がない。塾頭はこれにだけはなりたくなかった。

 運ぶこと、即、戦争であることを知らない人が最高指揮官では、とても勝ち目がないね。

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2014年3月 4日 (火)

安倍さんに捧ぐ

 

2月27日、岸田外務大臣インタビュー)AP通信ケン・モリツグ記者(仮訳)
(外務省HPより)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/p_pd/ip/page4_000388.html

 
日本の外務大臣は,第二次世界大戦に関する最近の右派的な発言は「遺憾である」とし,日本政府の見解と違うと述べて,これらの発言から距離を置こうと試みた。
 AP通信とのインタビューで,岸田文雄外務大臣は,域内における中国の軍事力の増強は懸念事項であると述べたが,脅威と呼ぶまでには至らなかった。

 最近,NHK経営陣の一人が南京大虐殺を否定し,また他の一人が第二次世界大戦中の性奴隷であるいわゆる「慰安婦」の利用を軽視したことで批判を巻き起こした。
 これらの発言は,中国と韓国から怒りの反応を招き,また多くの者から,日本政府が右傾化している証拠であると見なされることとなった。

Dscf4111上記報道に関し、毎日新聞3/4東京朝刊

(前略)穏健な保守主義者が多いとされる派閥「宏池会」を率いる岸田氏。周辺からは「これまで何も言わなすぎた」との声も出ている。【竹島一登】

 

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2014年3月 2日 (日)

集団的自衛権は慎重審議で崩壊②

今入ったニュース。

【NHKオンライン】
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて国連の安全保障理事会では先ほど、1日夕方、日本時間の2日午前6時すぎから、急きょ公開での協議が始まりました。

協議では冒頭、ウクライナのセルゲーエフ国連大使が発言し「ロシア議会の上院はウクライナでの軍事活動を承認したが、すでにロシア軍は時間を追うごとに部隊を増強しており国際法に明らかに違反した侵略行為が行われている。安保理はロシアの暴挙を止めてほしい」と訴えました。
これに対してロシアのチュルキン国連大使は「そもそも混乱の原因は、ウクライナで起きた暴力的な反政府運動を欧米各国が支援したことだ」としたうえで、「ウクライナの暫定政権がクリミア半島の治安を不安定化させていることから、クリミア自治共和国からの要請を受けてロシアは行動している」と述べ、クリミア半島での軍事活動を正当化しました。

……▼塾頭注
・ウクライナの国連代表:ヤヌコビッチ大統領を追放した革命政権を代表している。
・クリミア自治共和国;かつてロシア領であったこともあるが、現在はウクライナの一部。

 ソーラ来た。「集団的自衛権」だ!!(アンダーライン)

 先月の 6日、 「アブハジア」という記事を書いた。
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-2116.html
また、オリンピックの会場ソチやウクライナ、アブバジア、すべて黒海沿岸だということも書いた。

 アブアジアはグルジア内戦でロシアが介入、その結果ロシア側について独立国になったばかりの国だ。承認国はベネズェラなど数か国に過ぎない。早くも、それと似たことになるのではないか、という声が出ている。

 ウクライナとしては、ロシアの介入で国が分割されたのではかなわない。当然然るべき対応をとるだろう。ウクライナはEUやNATO加盟の希望を持っていた。もしすでに加盟していれば、当然集団的自衛権だ。これがぶつかれば正面衝突で第3次世界大戦にもなりかねない。

 戦後ベトナムやアフガンで似たようなことが起きたが世界大戦にはならなかった。冷戦中国連が機能しなかったことがたびたびあるが、国連加盟国の増大、2大国の相対的地位の低下などで、国連の果たす役割がこのところ際立ってきた。

 プーチンはすでに国連に電話を入れており、オバマも長時間にわたる直接協議に入っている。そう、小国にとって集団的自衛権は意味をなさなくなっている。小国は大国の利害の影で自国をどう有利に導くかに専念することが、安全保障の中心課題になっているのだ。

 さて、今日の本題は前回の続きだ。前回はみんなの党の集団的自衛権解釈変更賛成案を批判した。今日は同じく、日本維新・清水貴之氏の「国際社会の変化に合わせて(憲法解釈を)見直すべきだ」である。

 「国際社会の変化に合わせて」というからには、前回塾頭が解説した国連憲章創設当時の解釈・理念は認めているということになる。では、その後の変化というのは何なのだろうか。集団的自衛権の解釈なら、上に書いた通りだ。

 石破茂著『日本人のための「集団的自衛権」入門』に書いている、憲法でいう「必要最小限度の文化的生活」にクーラーを使うことも認められた、などという比喩は、国の安全とクーラーを同列に置く不躾なもので論評するに値しない。

 それでは、中国の脅威増大をいうのであろうか。専守防衛のための自衛力が不足するなら、それを補えばいいので、平和憲法改正や集団的自衛権を云々するより、アメリカが希望する善隣友好を図る方が最大の安全保障となる。それが国際社会の現状ではないか。

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2014年3月 1日 (土)

集団的自衛権は慎重審議で崩壊

 ここへきて、安倍首相の閣議決定による集団的自衛権の解釈変更は迷走を始めた。敵は本能寺、公明党はもとより自民党総務会からも疑義が噴出、石破幹事長も慎重議論派だ。

 安倍首相は国会閉会後の内閣改造人事権を振りかざして乗り切る心づもりがあったかもしれないが、さすがに無理を悟ったのだろう、閣議決定を先にする前言をひるがえし「国会の要望があれば」などと言い始めた。

 積極的応援団は、むしろ野党のみんなの党と日本維新だ。長らく中断していた参院の憲法審査会が先月26日に再開したが各党の態度が次のように表明された。(毎日新聞による)

 みんなの党・松田公太氏:国連憲章で国家の権利として(行使が)認められている。政治が責任ある解釈をすべきだ

 日本維新・清水貴之氏:国際社会の変化に合わせて(憲法解釈を)見直すべきだ

 民主党・小西洋之氏:憲法9条に解釈変更の余地はない。憲法規範の存立に関わる問題であり、絶対に許してはいけない

 共産党・仁比聡平、結いの党・川田龍平、社民党・福島瑞穂各氏:解釈変更に反対

 自民党・丸川珠代氏:憲法解釈を変えることが憲法の規範性を変えるとは思わない

 公明党・西田実仁氏:環境権などを加える「加憲」を訴え、解釈変更の是非には触れない

 みんなの党と日本維新の主張は、石破氏の賛成論でも見られるが、慎重審議する過程でそのような論理が成り立たないことが明らかになるだろう。まず、みんなの党・松田公太氏の、国連憲章至上論。憲章をよく読めばそんな意味でないことが分かるはずだ。

国連憲章 前文

われら連合国の人民は
われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、
基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小国の同権とに関する信念をあらためて確認し、
正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、
一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、
並びに、このために、
寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、
国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、
すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、
これらの目的を達成するために、われらの努力を結集すことに決定した。(以下略)

  ……▼塾頭注
 第1次大戦後の不戦条約では「國家ノ政策ノ手段トシテノ戰爭ヲ卒直ニ抛棄」とあるが、”自衛”のための戦争は例外という解釈があったため、国連憲章では前文の「戦争の惨禍」と後段で「第2次世界戦争」という固有名詞以外に「戦争」という文言を一切使わず、「武力行使」に置き換えた。

国連憲章 第51条[自衛権]

この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当たって加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。 

 ……▼塾頭注
 緊急避難の権利は(自然権として)あるが、集団的自衛権を行使する権利があるとは読めない。なお、集団的自衛権という言葉はここに初めて出現するが、当時締結されたばかりの米州機構参加国のうち、常任理事国の拒否権にあって自衛力発揮が史実上不可能な小国のため、アメリカの要求で追加されたものである。

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