« 大雪と五輪報道の影で | トップページ | さよなら原発 »

2014年2月26日 (水)

集団的自衛権、石破は反対?

 石破茂『日本人のための「集団的自衛権」入門』(新潮新書)という本が発売された。本塾にとっては格好な教材。塾頭には珍しく、書店に出向き即入手。帯には”あらゆる疑問、懸念に正面から答える。冷静な議論のために――。”とある。

 集団的自衛権解釈の理論的教典、あら探しのうえ本塾の記事にするのが目的だ。なにしろ、自他ともに認める軍事オタクで自民党防衛族歴任の現職党幹事長である。反論の核心がつかめるか、とワクワクしたのだが、結果は……。

 解説は塾頭の考えとほとんど同じ。中には「その通り!」と喝采したくなるものもある。「だから~、”反対”」となるのだが、石破本ではなぜか「賛成」となってしまうのである。

 そのところの過程がよく分からない。子供の喧嘩の例をだしたり、反対論に対し「私はすべて反論できます」と言うだけで納得できるようなものはない。冒頭の「はじめに」で「自衛隊をきちんと憲法に書きたい、そして集団的自衛権の行使を法律で可能にしたい、というのは、私の政治家としての信条です」(太字は塾頭)と書いている。

 安倍首相の考えているような集団的自衛権行使をするためには憲法9条改正、あるいはその存在を前提にして適用区域を定めている安保条約の改定が先になるべきだが、しかしそれは容易ではない。

 そこで「政治家としての」とわざわざ断っているのは、もしかして、政治家でなければ集団的自衛権行使に反対なのではないか、と勘繰ってしまう。また、集団的自衛権の行使を「法律で」と断っているのも、閣議ではなく国会の議論を経てということになる。すくなくとも、帯に書かれたように「冷静な議論のために――」が目的というのは確かだ。

 石破のキャリア、軍事知識から、実効が疑わしい姑息な集団的自衛権合法化の結論が引き出せるのか、付箋をつけて繰り返し読んだか納得できるような中味がないので断念した。そのかわり、安倍流集団的自衛権など意味をなさない、といわんばかりの一節を紹介しておこう。

 アメリカの力は相対的に落ちている。それを日本が補う。そのことによってアジア太平洋地域におけるアメリカの権益も確保される。そういう構造をつくっておけば、有事の際に、アメリカの納税者も納得するでしょう。逆にいえば、さうしておかなければ見捨てられる可能性はあるのです。

 奇妙なことですが、アメリカに巻き込まれることを警戒する人の中にも、「でもアメリカは同盟国なんだから何かあれば助けてくれる」と考えている人がいるようです。なぜそこまでアメリカを無邪気に信用できるのか、私には理解できません。

|

« 大雪と五輪報道の影で | トップページ | さよなら原発 »

安保」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/55141523

この記事へのトラックバック一覧です: 集団的自衛権、石破は反対?:

» 公約違反になる安倍の解釈改憲戦略&自公からも反発強まる+真央が森をいなす [日本がアブナイ!]
頑張ろう、東日本&ニッポン!今年は、さらなる前進を。o(^-^)o  よろしければ、1日1回、2つのランキングの応援クリックをしてくださいませ。m(__)m 【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】 昨日、閉会式に出ていたソチ五輪の選手たちが、チャーター機で帰国した。 <閉会式の四輪→五輪パフォーマンスは、「やるな~」って感じでしたね~。(・・)>  浅田真央ちゃんは、外国人特派員クラブに招かれて、会見。日本人記... [続きを読む]

受信: 2014年2月27日 (木) 09時15分

« 大雪と五輪報道の影で | トップページ | さよなら原発 »