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2014年2月23日 (日)

大雪と五輪報道の影で

 あとからでは取り返しのつかなくなるような施策が続々と先行している。いずれも安倍首相の改憲に向けての執念からきているように見える。戦前の治安維持法にも擬せられる秘密保護法案は、すでに議会を通過した。

 集団的自衛権の解釈変更も、閣議決定の日程まで取沙汰されている。大雪と五輪報道が目くらましとなって、平和日本が危機に瀕する可能性を持つ施策がどんどん進んでいる。マスコミも、野党も、与論も関心の高まりは見えない。都知事選以後の自民は、安倍首相周辺の放言に動ずることもなく、たしかに勢いづいている。

■原発維持
 エネルギー基本計画で、相次ぐ事故のため中断していた高速増殖炉もんじゅの核燃料サイクル研究を復活させるよう、近く閣議決定する。冷却水の代わりにナトリウムを使い、放射能性核廃棄物処理と大量のプルトニウムを取り出す「夢の原子炉」と言われた研究だが、実現性に疑問があり、世界でも研究断念が主流になっていた。

 福島事故後、すでに1兆円もの資金を浪費してきたもんじゅ計画の断念は当然視されていた。ところが、使用済み核燃料の困難さを見て原発ゼロを打ち出した小泉元総理が支援する細川候補が都知事選に敗れると見るや、堂々ともんじゅ計画復活を打ち出してきた。

 事故前の原発推進計画は、この成功を前提としている。核兵器製造の「機微技術」維持が目的、という憶測は信じたくないが、仲間内で固める安倍政権の元では、どうしても否定しきれない。さらに、福島では汚染水タンクへの開閉弁3か所が何者かにより開かれ、高濃度汚染水100tがオーバーフローするという看過できない事故が発生した。

 これは、ベントによる大気中放射能放出に次ぐ重大事故の発生で、しかも、ミスかどうかもわからない人為的事故である。こんなことが解決されないまま、停止中原発の再稼働に向けて審査を急ぐため、要員や日程設定の動きが活発になっているのだ。

■武器輸出禁止3原則
 これまでは原則禁止で、輸出できるケースに細い道(国際紛争の当事国またはその恐れの無い国)が開けられていた。それを「原則として禁止しない」という前提で、下記のような新たな3原則を設け政府の国家安全保障会議(NSC)の判断で輸出できるようにする。公明党・太田国交大臣の軟化を見込んで3月にも閣議で決める。

 
新たな3原則(案)
・国際的な平和及び安全の維持を妨げることが明らかな場合は輸出しない。
・輸出を認め得る場合を限定し、厳格審査。
・目的外使用及び第3国移転について適正管理が確保される場合に限定。

 秘密保護法案同様、厳格とか適正など実体を伴わない形容詞だけで、判断は政府がするということだ。アフリカで、イラクで、シリアで住民を虐殺している武器は、中国、アメリカ、ロシア製であることを忘れてはならない。

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