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2014年2月 1日 (土)

コモン・センス

 塾頭高校生の頃、先生から盛んに聞かされた言葉だ。現憲法が発布されて間もない頃で、「もっと常識を持ちなさい」という程度で深くは考えなかった。もともとは、アメリカ建国に際して大きくクローズアップされた考えで、源流は、民衆の支持があってこその王政であるというイギリスの思想だったらしい。

 明治維新、文明開化とともに自由民権が流入してきたのも、この思想によるものだろう。ところがこのところ「ウザイ」とか「ダサイ」といったことを口にし、ことさら他人より優位に立とうとする世相が蔓延している(日本だけではないが)。

 最近はすっかり死語になったのかと思ったら、はやりのマンガキャラクターに使われているらしいが中身は知らない。ただ、あたりまえの人なら当たり前のように持ち合わせている<美徳>が、相当高齢な人まで失われているような気がしてならない。

 どうしてこんなテーマを持ち出したかというと、一連の籾井NHK会長発言を聞いて「コモン・センスのない人だなあ」と感じたからである。従軍慰安婦や強制連行があったかなかたなどということではない。その弁明の幼稚さつたなさである。

 従軍慰安婦発言を「私的な発言」と釈明し、会見が公的発言というなら全部取り消すという無定見。さらに国会質疑で、就任会見で「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」と安倍政権寄りの発言をしたことについては、趣旨は否定せず「赤と白と言うべきだった」と述べた。

 発言の裏には、現政権が右傾化しているという批評に、右・左の例えはまずいと思って赤・白に変えたのだろうが、戦中から戦後にかけて、「アカ」と言えば左翼思想、共産党を言い、「あの人は思想がある」と言っただけで左翼を示す言葉だった。

 今なら、あの人には思想がないと言えば、無知識・無教養にとられるが、戦時中は、「国民精神総動員」のもと、政府と違う思想を持つことが異端だったし場合によれば犯罪だったのである。

 籾井さんという人は、政府の前ではコモン・センスがもともとないか、あってもそれををいとも簡単に捨ててしまえる、無思想の人という感じを持った。どうしてこんな会長に選ぶ人選をしてしまったのだろう。その責任こそ問われろべきだ。

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