細川と小泉
細川元総理が小泉元総理の支持が得られれば、東京都知事選に出馬するかも、という報道が流れている。ふたりにはどういう関係とか共通点があるのだろう。「小泉があればその先に細川が流れる」というのは駄洒落。総理になった順は逆である。
ふたりのよりどころは、脱原発だというが、民主党が申し出た細川出馬はキッパリことわった。自公は舛添支持しか選択肢がなく、民主も次々と要請を断られて、舛添相乗りを検討していた。
当塾は旧臘、「舛添要一、フウー」と題する記事を書いているが、こんなことで自公民相乗りの舛添が有利とされるようなら、宇都宮候補が当選は無理でも大接戦に持ちこんでほしいと思っていた。
そこで、細川ならどうかということになる。塾頭は、細川、小泉ともに政界を完全に引退、権力の座が恋しくなったと思えない。原発にしろ、外交にしろ、秘密保護法にしろ現在の安倍内閣の世論無視の大独走に、じっとしていられない危険を感じたのではないか。
安倍は小泉の弟分である。そして、靖国参拝で波乱を巻き起こしたのも小泉が先輩格である。その小泉が安倍に見切りをつけ、細川と新たな風を巻き起こそうとしている可能性はあるだろうか。
塾頭は、同じ靖国問題でも安倍、小泉では全く異なる印象を持つ。安倍は前首相の時代靖国参拝をしなかったのは「痛恨の極み」といっているが、小泉からはそんな執念のようなものを感じない。
政界引退後も毎年せっせと参拝を重ねている様子はないし、首相在任中も皇室典範改訂による女性天皇を考えたり、靖国から離れた戦没者慰霊施設を検討させたこともあった。
昨日、こんなニュースも入ってきた。
米ワシントンを訪問中の日米国会議連の中曽根弘文会長らは8日、アーミテージ元国務副長官と会談した。安倍首相の靖国神社参拝について、中曽根氏らは首相の談話を渡して説明。アーミテージ氏は「首相が選挙の公約を果たしたということだ。もう終わったことだ」と述べた。
アーミテージは、ブッシュ大統領時代のタカ派ブレーンとして知られている。当時、小泉が訪米した際アメリカに弁明し、アメリカもそれを了としたことを思い出したのではないか。つまり、小泉の思想信条から出たものではないということで、中国の説得もできるふんでいたのだ。
そんなことから、安倍路線に危険を感ずれば、細川の都知事擁立に手を貸し、国政を間接的にコントロールしようとする意図が働いてもおかしくない。その辺の思惑が細川と一致するなら、外交にも影響力を持つ細川都知事の誕生も悪くない。
かりに宇都宮が立候補辞退でもすれば、浮動票は細川にこぞってなだれを打つことになるだろう。その結果、自公だけでなく民主も面目を失うことなにり、次の国政選挙に大きな転機をもたらす可能性が出てくる。
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コメント
塾頭は安倍首相に同調したりそれをチェックする能力を持たない、そういった風潮に背筋を寒くしてます。あまりにも昭和初期にそっくりだからです。
これは、中国・韓国の反日行動にも大きな責任がある。正直、いい加減にしてほしいと思う。つまり、安部応援団をやっているようなもの。
だから、いろいろ過去に問題のあった人でも、現状に危機感を持つ元首相たちが、空気を換えようとする緊急行動にでるのなら理解します。
投稿: ましま | 2014年1月13日 (月) 20時02分
小泉の動機は安倍首相への嫉妬根性でしょ?
1年以上も高支持率が続いてやきもち焼いてるんですよ。自分も高支持率だったけど真紀子解任で1年もたたずに急落、訪朝で持ち直すまで危なかった。
加えてこの人の宿痾ともいうべき大衆迎合体質。
靖国参拝も反原発も根っこは同じ、ウケると踏んだ事案に1点賭けするんですよ。持ち前の勝負勘で。
今回もその病気が再発したというわけ。
しかし今回は担ぐ神輿がボロ過ぎる。5000万円もらって辞めた人の後釜に1億円もらった人がなるの?というのもありますが、最大の難点は細川の力量。
自分が誠実に応対すれば相手もわかってくれるだろうという甘ちゃんぶり、言葉の軽さ、追い込まれると弱音を吐いて簡単に投げ出す無責任ぶり。
一言で言えば鳩山に似たタイプの人間。鳩山も応援の意思があるようだから票減らしに貢献しそう。
さらに今や国民的嫌悪感の両横綱ともいうべき菅・小沢が全面支援とのことですから、惨憺たる結果になるのではないですか?
投稿: ミスター珍 | 2014年1月13日 (月) 17時29分
呉越同舟でいこうではないか
「脱原発」のうねりをつくることが最大の急務のはず。
きっかけを選択できる余裕はない。
無論、人を選ぶことも。
機を逃せば「脱原発」はならない。
裏にどんな化け物が隠れていようとも原発推進を止めなければならない。
呉越同舟けっこうではないか。
呉越同舟でいこうではないか。
そんな度量は・・・・・??
投稿: えちごや智 | 2014年1月11日 (土) 23時23分
コメントありがとうございました。
宇都宮さんは、日弁連の会長だったそうですが、弁護士というのは、被告の有罪がさけられないとと判断すれば、作戦を切り替えで情状を強調、執行猶予をねらうとか、機敏な判断をするのが仕事のはずですがね……。
橋下某のようにずるがしこいまもどうかと思うが……。
投稿: ましま | 2014年1月11日 (土) 11時03分
「脱原発」のうねりを!! 2007年の轍を踏むな
報道をみれば顔ぶれは見えてきた。
都知事選はすでに始まっている。
が私には既に終わっているようにも見える。
社会を変えるエネルギーを感じない。
今の図式では社会は変えられない。
今回の選挙は東京という一地方の首長を決める選挙ではない。
議員の皆様なら当然その認識と思う。
東京をテコにして国を変える、
怪しげな方向に走り始めている反動的な動きにストップをかける、
東京電力大株主の地位を利用し、脱原発への道筋をつける -------
これがあればこそ、この選挙のために奔走されておられるはずだ。
しかし「脱原発」を訴える事が目的というような人はこの時点で舞台から降りていただきたい。
選挙の目的は「脱原発」を訴える事ではない。
「脱原発」を成し遂げることだ。
少なくともその第一歩を確実にすることだ。
確かに負け戦を承知で訴えねばならぬ時もある。
そういう選挙戦をしてきた政党には心より心より敬意を表したい。
しかし潮時を読めぬようでは政党ではなく、たんなるサークル活動でしかない。
天王山の戦に「我が道の正当性」を主張し続ければ迷惑するのは市民であろう。
2007年の都知事選。敗戦の弁を語る吉田万三氏に強い憤りをおぼえたのは私一人ではないだろう。
「結果には満足しています」 ???? 冗談はやめてくれ 何を寝ぼけたことを言うか!!
敗れたことを悔しく思え!! 残念に思え!! 歯を食いしばり涙を流せ!!
何のための、誰のための選挙だったのか。
党勢が拡大できればそれでいいのか!!
全国の人間が様々な形で支援し、かたずをのんで見守っているにもかかわらず、
反動的な石原都政を止めることもできず「満足」とは何事か!!
結果的には石原の当選を助けることになった選挙のありかたは猛省しなければならない。
しかし吉田氏を推した党だけが責められるべきではない。
統一候補を立てられないさまざまな要因(私はただの言い訳としか思わないが・・・)を払拭できないことが問題だった。
市民の願いよりそちらを優先していたのでは社会は100年経っても変えられない。
統一戦線をはればあの選挙は勝てたはずだ。
議員を送ることと首長を決めることは違う。
市民の最も切実な願いのために統一候補を立てられなければ政党人の器量を疑う。政党の本質も怪しくなってくる。
「統一候補」を立てるということはあの天敵と呉越同舟ということである。
それがどうだというのか。脱原発は今日の最重要課題だ。待ったなしだ。議論をしている余地などない。
天敵のいう「脱原発」が本心なら連携して事に当たるべきだ。
海千山千の言うことだ。裏事情もあるかも知れない。脱原発利権も当然視野に入っていよう。
それだからといって原発推進に手を貸すようであってはならない。
今のままいけば善戦はしても原発推進を止められはしない。
過去の数字をよく見てみることだ。
戦前の軍部じゃあるまいし、「やってみなければわからない」が通用しないことが理解できないはずはなかろう。
脱原発派の票の合計が自公票を上回っていたら笑い話ではすまない。
もう地球はもたない。これ以上海を暖め続ければ異常気象で人間社会は壊滅する。
原発推進にブレーキを!! 最大にして最後のチャンスだ。心して対処していただきたい。
失敗すれば志位、吉田両氏が腹を切ればいいだけのことではないか。
選挙の目的は「脱原発」を訴える事ではない。
「脱原発」を成し遂げることだ。
投稿: えちごや智 | 2014年1月11日 (土) 10時16分