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2013年12月25日 (水)

韓国軍「銃弾、貸して!」

 この件で、最もみっともない姿を国際的にさらしたのが韓国政府と日本政府である。韓国政府の声明は、「こともあろうに日本の自衛隊から借りることは」いう国内批判を気にしてか、「間に合っていたけど予備に」あるいは「要請したのは国連であって日本ではない」など、感謝ではなく弁解しか聞こえてこない。

 日本政府は、武器輸出3原則などから批判が出る恐れがあることも気にしてもたもたしたようだが、早い決断と、遅まきながら「今回限り」という結論をだしたことで、ひとまず「合格」としておこう。

 その理由をあげておこう。現地、南スーダンからの報道を総合すると、紛争の絶えなかったこの地域の情勢も、一旦落ち着いて平和構築に進んでいた。住民投票も経て独立した同国が、ここへきて大統領と副大統領がそれぞれ違う民族を率い、産油地帯を争奪の内戦になったということである。

 避難民も膨大な数にのぼり、韓国軍の受け持ち地域では武器使用がないと避難民や自軍事態も守りきれないおそれがでたようだ。その要請に基づいて現地自衛隊のとった措置は正しい。

 戦闘地域における現地の緊急判断は何よりも優先する。それが戦争というものだ。同じ国連の旗の下でPKOの任務に就いている他国軍が危険にさらされた場合、それを助けなければ、自隊にも危険がおよぶ恐れがある。

 だから、そんなところに自衛隊がいることがそもそもの間違いなのである。南スーダンは、国連決議抜きでブッシュ政権が先導したイラク進攻とは違う。平和維持を目的とするPKOの派遣も国連安保理の決議があり、自衛隊もそれに参加したのだ。

 しかし、いかに国連決議があろうとも、日本には憲法9条がある。戦争をしている場所、戦闘地域には行く必要もなく義務もない。行くとどうしても一方に加担するようになったり、敵視される事態を招いたりする。最終的にはそこの住民の意に反する結果にもなりかねない。

 南スーダンは、治安の悪化ではなく正に内戦である。自衛隊の次の正しい措置は、違憲状態(定数是正判決でよく出てくる言葉だが……)解消のため、任務を返上して帰国することである。利権とか地下資源等を理由に地域紛争に干渉することは、決して国際貢献ではない。

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コメント

銃弾ですが消耗品でありアメリカではカラシニコフ用の7・62㎜弾は20円以下、自衛隊御用達の値段が不明だが、住友重機の機関銃のはなしから、多分国際価格の数倍もする超高価格品ですね。
それでも大した金額にはなりません。
これ見よがしに発表した、今回の日本政府が可笑しいのですよ。
ちなみにロシア太平洋艦隊の艦船と日本の海上自衛隊と合同訓練する為に舞鶴港に入港した話など誰も報じない。
銃弾を現地で融通したなど、これこそ特定機密として最低限部隊が帰国するまで内緒にするべき話ですよ。
今回、韓国政府が怒るのは当然です。まさに士気に係わります。
共同通信によると、朝鮮日報は25日、日本政府が南スーダンで国連平和維持活動(PKO)を展開する韓国軍への銃弾提供を『政治的に利用している』として、韓国政府が外交ルートを通じて日本に強い遺憾の意を伝えたと報じた。
韓国政府高官は『国連を通じて銃弾を迂回支援してもらっただけなのに、日本が軍事的役割の拡大につなげようとしている』と不快感を示した。

投稿: 宗純 | 2013年12月25日 (水) 17時00分

隠しておきたかったのは韓国の方。日本の現地司令官は武器密輸の疑念を持たれないため積極的に公開した。そして韓国現地司令官は感謝の意を表した。国連との絡みもあり韓国政府の言い分は、日本非難に結び付けること以外に妥当性のかけらも認められません。

投稿: ましま | 2013年12月25日 (水) 19時47分

政治とは、最低限でも三手先を読むことですよ。
ましまさん、今回、もしも韓国政府が『自衛隊に感謝する』との声明を出したとしたら、その後どうなったかを想像して下さい。
内閣総辞職程度で済めばよいが、多分それ以上の大騒動に発展する。
今回の韓国政府の、
『言い分は、日本非難に結び付けること以外に妥当性のかけらも認められません。』
ですが、根本的な勘違い。
今回の韓国政府の発言ですが、物事の正誤とは別に、これは(ことが公になれば)最初から分かっていたことですよ。
韓国の国民感情を考慮すれば、他の弁解は無理なのです。
この発言しかない。
ところが日本政府は、一手先の利益を優先して、憲法の解釈改憲目的での集団的自衛権で『政治的に利用している』(韓国政府の見方)のです。
日本政府よりも、今回は韓国政府の見解の方が、政治的に正しい。

投稿: 宗純 | 2013年12月26日 (木) 10時54分

集団的自衛権問題はアメリカとの間にあるもので、韓国に直接関係ありません。憲法も他国から指図されるものではなく国内問題です。

投稿: ましま | 2013年12月26日 (木) 13時55分

『集団的自衛権問題はアメリカとの間にあるもので、韓国に直接関係ありません。』
など、それを言ってはお終いです。

そもそも、アメリカと日本だけなら2国間問題であり、誰も『集団』と言わない。

投稿: 宗純 | 2013年12月26日 (木) 15時01分

[解説]
<集団的自衛権>、<集団的安全保障>似ているが両方とも国連憲章上の用語で意味は違います。

<集団的安全保障>は、国連そのものの機能を表し、加盟国すべてがそれに参加できます。南スーダンも加盟国であり、国連決議を受け入れ、日本や韓国も加盟国としてPKOで平和に貢献しています。

<集団的自衛権>、原案にはなかった用語ですがアメリカの要求で加わりました。当時できたばかりの「米州機構」には、一国が攻撃を受けた場合加盟国全体が攻撃されたものとみなす、という内容があり、国が個人と同様緊急事態に自衛・防御する権利があるならば、弱小国にもその権利が及ぶようにすべきだ、というものです。

NATOなどは、明らかにその範疇に入ります。たしかに2国間同盟で、「集団」、コレクティブというのはおかしいのですが、ソ連がアフガンでアメリカがベトナムでそれを使ったため、それが「国際法」の前例となってしまいました。

投稿: ましま | 2013年12月27日 (金) 11時25分

ましまさん、今回の南スーダンでの銃弾の貸与ですがマスメディアも有識者も、誰もが集団的自衛権と関連した出来事であると捕らえています。
と言うか、日本政府自身が集団的自衛権と関連して取上げているのですよ。
何故、それ程目の前の明らかな事実を否定したいのでしょうか。
不思議ですね。
今、ネットウョは『銃を持っていって弾を忘れた間抜けな韓国軍』で大いに盛り上がるのですが、
これはたぶん、
軍隊に似ているが軍隊に成り切れない(人を殺せない)日本の自衛隊と、本物の軍隊である(人を殺す)韓国軍の違いが理解出来ていないのです。
国連のPKO部隊はそもそも自衛の為の小銃しか持っていない。
数十年も過酷な内戦を経験している現地の武装勢力は最低でもバズーカ砲程度は装備しているので自衛隊が韓国軍に渡した5.56mmの銃弾などの意味は、『近寄らないで』程度。
韓国軍ですが駐屯基地の外に向かってバンバン撃ったが自衛隊は一発も撃たなかったので用意した銃弾が無用の長物として丸々残ったのです。
そもそも軍事や外交では、一定期間秘密にする必要がある事柄(特定秘密)が生じる。
今回の銃弾の貸与がまさにそれです。日本政府ですが即座に発表したが、
生意気な朴大統領とか韓国政府を困らせるのが目的なら大成功ですが、
日韓友好目的なら大失敗は明らかですよ。
今回の出来事ですが、これこそ特定秘密保護法の懲役10年に該当する国益を損ねる話では無いでしょうか。

投稿: 宗純 | 2013年12月28日 (土) 10時26分

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